SONY(ソニー) FE 28mm F2 〔SEL28F20〕の実写レビューです。
2015年4月発売のソニーEマウントフルサイズ用のスタンダードな広角レンズは、比較的リーズナブルな価格とコンパクトなデザインで人気のレンズとなっています。日常使いしやすい画角ですが単焦点レンズらしい明るいF値で、ズームレンズとは一味違う表現が可能です。
単焦点レンズの入門にも最適な一本を実写レビューを中心にご紹介します。
特徴/操作性
コンパクトなサイズ
シンプルなデザイン
良好な操作フィーリング
フィッシュアイ、ウルトラワイドコンバーター
実写レビュー
適度な広がりのある使い易い画角
美しいボケ味だが、わずかに二線ボケが発生
近接撮影
画質
まとめ
全長60mm・質量約200gと非常に小型軽量なレンズとなっています。28mmは標準ズームの中に入る焦点距離ですが、明るいF値とコンパクトなサイズで差別化が図れそうです。
鏡筒の素材にはアルミニウムを使用しており、フォーカスリングも金属製で質感の高い仕上げとなっています。高級タイプのレンズと比較しても見劣りするクオリティではありません。
金属外装な事で埃や汚れが付きにくく、汚れが付着しても掃除がしやすい為メンテナンス性も高そうです。
また、防塵防滴に配慮した設計となっており、埃などが内部へ侵入しにくくなっています。
どんなボディともマッチしやすい、主張の少ないシンプルなデザインです。
フォーカスリングの幅は広めにとられており、ボディの大きさにかかわらず指がかりがいいと思います。マニュアルフォーカスに配慮した単焦点らしいデザインと言るでしょう。
金属製の鏡筒は余計な物が無い事でかえって高級感が増しているように思います。
唯一の操作部であるフォーカスリングは、回転も滑らかで操作フィーリングは良好です。
スタンダードなグレードのレンズですが、使用感においても安っぽさは感じられません。
付属のフードは花型のバヨネットタイプが付属します。広角レンズ用らしく存在感のある大きさで、十分な遮光効果が期待できるでしょう。
FE 28mm F2用のユニークなアクセサリーとしてフィッシュアイ、ウルトラワイドという2つのレンズコンバーターがあります。
レンズ先端に装着する事で、フィッシュアイコンバーター(SEL057FEC)は対角魚眼レンズとして、ウルトラワイドコンバーター(SEL075UWC)は21mm相当の超広角レンズとなるコンバーターです。
今回のテスト撮影では使いませんでしたが、面白いアクセサリーだと思います。
フィルター径 | 49mm |
---|---|
最短撮影距離/最大撮影倍率 | 0.29m(AF時)、0.25m(MF時)/0.13(AF時)、0.16(MF時) |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 9枚 |
長さ | 60mm |
重量 | 200g |
フジヤカメラでは、SONY(ソニー)ミラーレス用レンズの中古商品を多数取り揃えております。在庫は日々更新されますのでどうぞこちらからご確認下さい。
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今回の撮影では小型なレンズに合わせてコンパクトなフルサイズミラーレス一眼カメラα7cを使用しました。
作例の共通設定として、クリエイティブスタイルはスタンダード、ホワイトバランスはオート、各種補正はデフォルトに設定しています。
28mmは、スマートフォン等で見慣れた適度な広がりのある使い易い画角です。
見慣れた画角でありながら、空気感や味わいを感じられるのは、SONY(ソニー) FE 28mm F2の明るいF値とフルサイズセンサーの成せる業だと思います。
広角レンズというと手前から奥までピントの合った表現が先ず思い浮かびますが、明るいF値を活かした表現の幅が広いレンズというのは創作意欲を刺激してくれます。こういった事はズームレンズでは難しいので、単焦点ならではの楽しさと言えるでしょう。
単焦点らしい美しいボケ味を活かす簡単な方法は被写体に近づくことです。広角レンズでありながら、まるで標準レンズの様な大きなボケを活かした撮り方が可能となります。
比較的口径食が少なく、立ち上がり方もなだらかなボケ味は、上位のレンズラインナップに劣らない美しいものです。
敢えて欠点を挙げるとすれば、やや二線ボケが目立つ事があげられます。作例4を拡大して確認してみましょう。
味と言ってもいいくらいのわずかなものなので、目くじらを立てるほどではないでしょう。
最短撮影距離付近の作例です。FE 28mm F2の最大撮影倍率はAF時で0.13倍なので、テーブルフォト程度であれば十分だと思いますが、マクロ撮影に強いとは言えません。
最短撮影距離が、AF時は0.29m(撮影倍率0.13倍)、MF時は0.25m(撮影倍率0.16倍)と、AF時とMF時で変わるので、より近づきたい時はマニュアルフォーカスを使うといいでしょう。
広角で背景を大きく入れたマクロ撮影が好きという私の好みもありますが、もう少し近づけるとより汎用性が高くなったと思いますので、少し残念なポイントです。
開放では周辺に向かってやや甘い描写となりますが、中央付近は高いレベルの解像度を持っています。
F5.6までは徐々に解像度が増していきますが、それ以上絞り込んでもあまり変化は感じません。
開放F2での作例とF5.6まで絞った作例を拡大して解像感を見てみましょう。
開放でも壁面の凹凸の質感がしっかりと描写できています。周辺部の画質はやや甘くなりますが、中心部は十分に高解像で高い描写力を持っているようです。
次に、F5.6まで絞った画像を確認してみましょう。
絞り込む事で解像感が増し、コントラストも高くなったと思います。遠景の描写も安心です。
こういった街の風景を写すにはやはり28mmは使いやすいですね。
SONY(ソニー) FE 28mm F2 〔SEL28F20〕はフルサイズ用Eマウントレンズの中ではリーズナブルな価格ながら、描写力、ボケ味のバランスが良い、コストパフォーマンスの高いレンズです。
ソニーEマウントフルサイズ用の28mm単焦点は、実はFE28mmF2(SEL28F20)だけしかありません(2021.10.8現在)。G・Gマスター・ZEISSなどの高級タイプでは無いという事で敬遠していた方にも試して頂く価値のあるレンズだと思います。
28mmは現代ではありふれた画角の為、単焦点レンズ最初の一本というと50mmが選ばれる事が多いですが、使えるシーンの多さや、明るいF値を活かした表現力を考えるとFE28mmF2(SEL28F20)という選択は大いに「有り」だと言えます。
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