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2021.08.31
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PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 実写レビュー

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 実写レビュー

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW の実写レビューです。

APS-Cサイズセンサー用の大口径標準ズームは、スターレンズらしい高い描写性能を持っている事は勿論、PLM(Pulse Motor)駆動による高速かつ静粛性に優れたオートフォーカスなど、使い勝手の面でもトップクラスの性能を持っているのもポイントです。

K-3 Mark IIIで一眼レフファンから高い支持を得るPENTAX(ペンタックス)の次世代標準レンズを実写レビューを中心にご紹介します。

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PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW

特徴/操作性


PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 本体1

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW の第一の特徴はやはり高い光学性能です。

EDガラスを1枚、EDガラス非球面レンズ2枚、異常低分散ガラス1枚を使用した贅沢なレンズ群に加えて、HDコーティングの採用により逆光線などの難しい光線状態でもゴーストやフレアの発生が抑制されます。

一般的なAPS-Cサイズセンサー用のレンズと比較して大柄なデザインは、高性能さの代償と言えるのかもしれません。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 本体2

オートフォーカスに高速なPLM(Pulse Motor)が採用されており、駆動音が静粛である事も特徴の一つです。

PENTAXというとボディ駆動の甲高いAF駆動音がお馴染みですが、HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW のAFは非常に静かで、場合によってはカメラの発する音が気になるようなシチュエーションでも違和感なく使う事が出来ます。

実はPLMの採用による恩恵はAFだけでなく、パワーフォーカスによるマニュアルフォーカスの操作性も改善されているようです。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 本体3

PENTAXの高級レンズのシリーズであるスターレンズだけあって、各部の操作は滑らかで使い易いものです。

特にズームリングは十分なトルク感がありながらスムーズに動作し、レンズの重さを意識しないで使えました。

フードはこのクラスのレンズではスタンダードな、花形のバヨネットタイプとなっています。

フィルター径 77mm
最短撮影距離/最大撮影倍率 0.3m/0.24倍
最小絞り F22
絞り羽根 9枚 円形絞り(16mm:F2.8-5.6, 50mm:F2.8-8)
長さ 約117mm
重量 約 712g (フード付:約750g)

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実写レビュー


PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例1
作例1:f2.8 1/5000 ISO200 露出補正±0 焦点距離16mm

夏の強い日差しの中での撮影でしたが、ゴーストやフレアが入る事はほとんど無く、常に高いコントラストを維持してくれました。

高い透過率を誇るHDコーティングのおかげだと思いますが、10群16枚の複雑なレンズ構成を持つズームレンズでありながらこの性能は優秀と言っていいでしょう。

テストボディにはK-3 Mark IIIを使いましたが、空の藍に近い青の表現など微妙な色合いも素晴らしく、ベストと言っていい組み合わせだと思います。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例2
作例2:f2.8 1/400 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離50mm

HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW の撮影画像をパソコン上で確認しながら感じたのは、その場の空気感まで写るレンズだという事です。

うるさく感じるほどのセミの声や夏の暑い空気が、写真から伝わって来るような気がします。数値にこだわらず、実写を優先するPENTAXのレンズ設計思想は、ズームレンズになっても変わらないと感じました。

勿論、HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW は、解像感も素晴らしく、数値も良好だと思いますが、それ以上に空気感や奥行き感を感じられるアート指向のレンズだと思います。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例3
作例3:f2.8 1/2500 ISO200 露出補正±0 焦点距離42mm

PLMを採用しているおかげで、高速かつ精密、静粛にオートフォーカスが合焦します。

昼時になるとオフィス街に現れる屋台の弁当屋が、色とりどりのパラソルで日陰を作っている様を、橋の上の手すりの隙間から狙いましたが、ピンポイントに設定したフォーカスフレームどおりに、素早く合焦してシャッターが切れました。

オートフォーカスは静かであるに越した事は無いと思うので、PLM(Pulse Motor)の搭載は正直良かったと思います。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例4
作例4:f2.8 1/500 ISO200 露出補正±0 焦点距離50mm

APS-Cサイズセンサー用のレンズなので、望遠端でも50mm F2.8という事で、ボケは大きくありません。

でありながら、奥行き感や立体感が豊かに感じられるのは、PENTAX(ペンタックス)の持つ写真やレンズに対する哲学故でしょうか。単焦点レンズかと思えるほどに、ボケが素直で美しい事も要因の一つでしょう。

中途半端になってしまう事もあるF2.8という明るさですが、積極的に開放で撮りたくなりました。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例5
作例5:f2.8 1/800 ISO200 露出補正±0 焦点距離29mm

レンズ性能の高さ以上に空気感を写しとめる事が前面に出るレンズですが、解像感などの性能も非常に高いレベルにあります。

抜けのいいレンズは、解像感の高さを利用した力技でつまらないものでも写真にしてしまう事がありますが、PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AWは、そんな力技も使えるレンズです。

ズームレンズの為、周辺部にわずかな甘さがあるものの、中心付近は単焦点並みの高い解像感、コントラストを持っています。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例6
作例6:f2.8 1/500 ISO200 露出補正±0 焦点距離42mm

スムーズなズームリングの操作は、スナップでの細かい画角調整もストレス無く行えます。

街中のスナップでは窓ガラスや鏡、艶やかに磨き上げられた金属など、反射を利用して撮るのが楽しいですが、直線が多いのでカメラの構え方には気を使います。水平、垂直をきちっと出して直線をどこまで入れるか試行錯誤していると、ちょうど急ぎ足で人が通りかかり、反射的にシャッターを切りました。こんな偶然も写真の楽しさと言えるでしょう。

滑らかなズームで、時間をかけて細かく調整していたおかげで、いい瞬間に巡り合えました。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例7
作例7:f2.8 1/2000 ISO200 露出補正-0.3 焦点距離50mm

返す返すも空気感のある描写をするレンズです。

過去にもPENTAX(ペンタックス)のレンズで同様の感想を持った事はありましたが、いずれも単焦点レンズで、ズームレンズでこういった味わい深さを撮影を通して感じた事はありません。

光と影のコントラスト、影の中の細かな諧調、露出補正の意図に対する反応など、使うのが楽しくなって来るズームレンズです。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例8
作例8:f2.8 1/2500 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離18mm

高いレンズ性能から来る抜けの良さが、太陽を背にした青空をイメージ通りに写し取ってくれました。

彫刻のポーズもきっとこんなシーンを想定して作られたのではないでしょうか。少しだけオーバーにした露出が爽やかな夏空を表現してくれました。

レンズの良さを語る際に「空気感」という言葉が使われる事がしばしばありますが、現代のズームレンズでそれをここまで強く感じたのは初めてかもしれません。


画質


高性能なズームレンズです。中心部と周辺部での画質の違いをそれぞれ見てみたいと思います。

最初に中心部分の画質です。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例
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PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例

シャープで解像感が高いだけでなく、物の丸みがわかる細かな諧調表現も得意とする描写で、一言で言うと抜けのいいレンズです。

次に周辺部分の描写を見てみます。

PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例
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PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW 作例

画面隅では若干描写が眠くなります。わずかですがフリンジの発生もみられますが、大口径ズームレンズの開放の描写である事を考えるとかなり優秀な部類に入るのではないでしょうか。


まとめ


PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW を使ってみた印象は、単焦点レンズを使っているようだという事です。

撮影時は確かにズームレンズとして使っていたのですが、パソコンであらためて画像を見てみると奥行き感や空気感に、単焦点レンズのような雰囲気を感じます。

性能がいいという一言では表せない、PENTAXの考える写真というものを体現したレンズだと感じました。

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PENTAX(ペンタックス) HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED PLM AW
Photo & Text by フジヤカメラ 北原
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