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2021.06.18
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OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 実写レビュー

OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 実写レビュー
OLYMPUS(オリンパス) マイクロフォーサーズ用の超広角から標準をカバーするズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの実写レビューです。

一般的に望遠端を35mm判換算で35mm程度の画角とする事が多い広角ズームレンズにあって50mm(35mm判換算)の標準域までカバーするM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは単独での使用は勿論、例えば望遠ズームと組み合わせるといった変則的な使い方も出来そうです。

開放F4固定のOLYMPUS(オリンパス)Proシリーズの標準ズームの性能が非常に良かった事から、描写性能にも注目したいM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROについて、実写レビューを中心にご紹介します。
■この記事の監修

フジヤカメラ店

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OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

特徴/操作性


OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 本体1
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO の特徴は、広角ズームとしては珍しい3倍を超えるズーム比を持っている事です。

それでいて沈胴式を採用している事もありコンパクトなサイズで、持ち運びやカメラバックへの収まりも良く使い勝手のいいレンズです。フィルターも通常どおりフロントに装着出来ます。

望遠端が標準域をカバーしている事で、単体での使用は勿論、場合によっては望遠ズームと組み合わせて使う事も視野に入る、利便性、汎用性に富んだレンズだと思います。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 本体2
各部の操作感はProシリーズのレンズらしく精度の高いもので、滑らかなズームの操作感は小刻みな画角の調整もストレス無く行えます。これは撮影中のズームを多用する動画でも使い易い特徴と言えるでしょう。

オートフォーカスのスピードや精度についても、定評のあるOLYMPUS(オリンパス)の製品だけあってレベルの高いものです。

OLYMPUSユーザーにはお馴染みとなったマニュアルフォーカスクラッチ機構も搭載されており、スピーディーなAF/MFの切り替えが可能となっています。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 本体3
今回のテストボディにはフラッグシップ機のOM-D E-M1 Mark IIIを選択しましたが、デザインや大きさのバランスも良く使い易く感じました。

スペックの割にコンパクトなので、使用するボディにはOM-D E-M5 Mark IIIのような、よりコンパクトな機種を選択しても面白かったかもしれません。

フードはProシリーズのレンズらしくしっかりした花形タイプとなります。
フィルター径 72mm
最短撮影距離/最大撮影倍率 0.23m (ズーム全域)/0.07倍 (Wide)/0.21倍 (Tele)
最小絞り F22
絞り羽根 7枚(円形絞り)
長さ 88.5mm
重量 411g(レンズキャップ、レンズリアキャップ、レンズフードを除く)

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実写レビュー


OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例1
作例1:f5.6 1/100 ISO200 露出補正±0 焦点距離:42mm(35mm判換算)
季節がらアジサイの花にレンズを向けたくなるのは致し方ないところです。

42mm(35mm判換算)相当の画角で撮影しましたが、自然な描写の35~50mm前後の焦点距離はちょっとしたお散歩写真やスナップ写真では重宝するので、普通の広角ズームには無い標準域が含まれるのは思った以上に便利そうです。

センサーサイズが小さいマイクロフォーサーズは、ピントを画面全体に合わせやすいので、近接撮影でも全体の状況が伝わり易いシステムです。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例2
作例2:f4 1/60 ISO320 露出補正+1.3 焦点距離:16mm(35mm判換算)
対してワイド側は超広角16mm(35mm判換算)から使えるので、遠近感を誇張した広角らしい迫力のある写真が撮れます。

この2つの性質を併せ持っているところがOLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの特徴であり、使っていて楽しい部分だと思いました。

人間の感覚には本来無い、遠近感の誇張や広く全体を捉える表現は広角レンズを使った写真ならではのもので、自然な描写の標準レンズと大きく違う点です。これらを1本のレンズで使える事は、それだけ表現力の幅が広いレンズと言えるでしょう。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例3
作例3:f4 1/250 ISO200 露出補正+1.0 焦点距離:50mm(35mm判換算)
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの最短撮影距離はズーム全域で0.23mとなり、望遠端では撮影倍率0.21倍を達成します。

これは35mm判換算で0.42倍に相当し、マクロに強いと言っていいレベルです。センサーが小さい分画面上で被写体を大きく捉えられるマイクロフォーサーズは、望遠だけでなくマクロでも有利なシステムなのです。

アジサイの葉の裏に綺麗な柄の殻を持つカタツムリを見つけました。実はアジサイの葉には毒があり、カタツムリは食べないそうですが、アジサイとカタツムリは梅雨を象徴する被写体なので、自然とレンズを向けてしまいます。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例4
作例4:f11 1/60 ISO3200 露出補正+1.0 焦点距離:28mm(35mm判換算)
広角レンズは広い被写界深度を使って画面を平板に、絵画のように表現するのにも向いた画角です。

レンズの焦点距離が短くピントを深くし易いマイクロフォーサーズの広角レンズは、少し絞り込んであげる事でたやすくパンフォーカスの写真を撮る事が可能です。

うっそうと緑に覆われた森の中の小道を、逆光で撮影しました。露出を森の中に合わせ画面中心を飛ばす事で、夏らしいみずみずしい写真になったと思います。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例5
作例5:f11 1/60 ISO1600 露出補正-0.3 焦点距離:34mm(35mm判換算)
マイクロフォーサーズなら標準に近い焦点距離でも絞ればパンフォーカスに近い画を撮る事が出来ます。

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは開放でF4通しである事が売りの一つではありますが、望遠や近接撮影ならともかく広角のF4では背景を大きくボカす事は難しいので、個人的には潔く絞り込んで使うのも方法の一つだと思います。

F値が固定されているという事はレンズに相当余裕を持たせているという事なので、今回はF4固定は性能を担保するものだと考えて撮影しました。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例6
作例6:f5.6 1/80 ISO200 露出補正+0.3 焦点距離:18mm(35mm判換算)
主要な被写体と周囲の状況を同時に伝えられる事は広角レンズの得意とするところです。

森の中の小道を歩いているとハルジオンの花に行く手を阻まれました。こんな、なんてことの無い被写体との出会いを大切にしてシャッターを切ります。

開放では背景がボケ過ぎて周囲の雰囲気が伝わりずらいと思い、1絞り絞って撮影していますが、こういったことがモニターを使ってリアルタイムに確認出来るデジタルカメラはやはり便利です。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例7
作例7:f4 1/60 ISO250 露出補正±0 焦点距離:36mm(35mm判換算)
川面にかかる紅葉の葉が綺麗で写真を撮りたくなりましたが、ただ撮るだけではつまらないと思い、橋の欄干を大きく画面に入れてシャッターを切りました。

後からデータを確認するとスナップでは一番人気の焦点距離である35mmに近い画角でした。カメラを持つと無意識にフレームが頭の中に出来てしまっているのかもしれません。

35mmが望遠端ではないという事で余裕を持ってフレーミング出来たと思います。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 作例8
作例8:f5.6 1/60 ISO250 露出補正±0 焦点距離:20mm(35mm判換算)
撮りたいと思った被写体にもう一歩近づいて撮るのが写真のコツの一つだと思いますが、広角レンズはそれがより顕著に必要です。

超広角の大きく誇張される遠近感が一握りの紅葉の葉を実物以上に大きく広がりのある被写体に変えてくれました。

撮影倍率は違えど全域で最短撮影距離が0.23mに固定されている事で、どこまで寄れるかの感覚がつかみやすく、使い易く感じました。

画質


高性能で定評のあるPROシリーズのレンズです。拡大して解像感を見てみます。
OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
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OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
細かい葉の一枚一枚まで分解されて、シャープで高い解像感を持っています。今回は試しませんでしたが条件が揃うなら、5000万画素手持ちハイレゾショットを使う事でレンズの性能をより引き出す事が出来そうです。

周辺部にはやや甘さが残りますが、超広角のズーム端、開放での撮影を考えると優秀な部類と言っていいでしょう。

フレア


OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
曲面の大きいレンズを使わなければならない広角レンズでは、各社とも多かれ少なかれゴーストやフレアに悩まされるものです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROではZEROコーティングとフードにより通常撮影ではフレアが良く抑制されています。しかし、今回の撮影では完全逆光の時のみややコントロールしずらいゴースト、フレアが発生してしまいした。

逆に言うと、ゴースト、フレアが発生し易いのは完全逆光の場合だけのようなので対応はし易いかもしれません。

まとめ


コンパクトな事、16mm(35mm判換算)からのズームとしては珍しい3倍を超えるズーム比を持っている事が特徴のズームレンズは、性能的にも高いレベルにあり使い易いレンズだと感じました。

1本だけだと通常の撮影では構図が難しい広角ズームに、標準が加わるだけでこれほど使い易くなるとは思いませんでした。

操作感やビルドクォリティも申し分なくOLYMPUS(オリンパス)らしいレンズだと思います。

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OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
Photo & Text by フジヤカメラ 北原
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