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2021.02.16
本日のフジヤ【スタッフ レビュー&ハウツー】,

KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1 実写レビュー

KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1 の実写レビューです。

高性能な国産レンズではなかなか目にしない強烈な個性を味合わせてくれたKAMLAN(カムラン)の新レンズは32mm F1.1という尖ったスペックで、どんな写りなのか撮る前から楽しみです。
■この記事の監修

フジヤカメラ店

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KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1 特集

特徴/操作性


SONY(ソニー)α6400 + KAMLAN(カムラン)
 KamLan KL 32mm F1.1 本体
明るいF値のレンズもコンパクトなデザインが多いKAMLAN(カムラン)のレンズの中で、フィルター径62mm、長さ約92mm、重さ601gは大きく重く感じました。

しかし、よくよく考えてみると開放F1.1の超大口径レンズなわけですから、仕方がないというよりむしろ小さいと言えるかもしれません。

対応するセンサーサイズはAPS-Cで、現在(2021.2.15)Sony-E,Fuji-X,EOS-M,マイクロフォーサーズの4種類のマウントがラインナップされています。
SONY(ソニー)α6400 + KAMLAN(カムラン)
 KamLan KL 32mm F1.1 本体2
フォーカスリングは他のKAMLAN(カムラン)レンズと同様に滑らかで、しっかりとしたトルク感のあるものです。絞りリングは動画撮影も意識したクリックレスタイプで、クリックを付ける事は出来ません。

絞りは11枚羽の円形絞りを採用しており形も綺麗です。絞り機構の問題か、回折現象を避ける為か、最小絞りはF11までとなっています。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1 本体
今回はテストボディにSONY(ソニー)α6400を選択しました。

動画に強いα6400にレンズを装着して滑らかなフォーカスの操作感やクリックの無い絞りリングの操作などを確認していると、SONYのグレーディング向きのピクチャープロファイルPP7やPP6を使ってシネマチックな画を撮りたくなる衝動に駆られます。

今回は写真のみのテストにしましたが、このスペックでも実売3万円を切る価格(2021.2.15現在)は、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるので、いつか自身で購入して動画で使ってみたいレンズです。
フィルター径 62mm
最短撮影距離 0.4m
最小絞り F11
絞り羽根 11枚(円形絞り)
マウント Sony-E,Fuji-X,EOS-M,マイクロフォーサーズ
長さ 92mm
重量 601g

実写レビュー


KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例1
作例1:1/160 f1.1 ISO100 露出補正±0
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1を装着した、SONY(ソニー) α6400のファインダーを覗いた第一印象は、思いのほか描写がいいという事でした。

このような事を書くとメーカーに失礼かもしれませんが、KAMLAN(カムラン)というと、周辺光量落ちや眠い描写など、少し欠点のあるクラシックな写りを期待してしまうのです。しかし、ファインダー上ではそういった事が認められず、少し意外に思ってしまいました。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例2
作例2:1/60 f1.1 ISO100 露出補正-0.3
実は、レンズの欠点を期待した理由の一つに、開放F1.1というかなり尖ったスペックを持っている事がありました。

一般的に、極端に明るい開放F値を持つレンズは、周辺光量落ちがあったり、やや眠目の描写だったりといくらかの欠点がある事が多いと思いますが、KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1は、ボケの大きさとシャープネスのバランスが、思いのほか良かったのです。

これは、いい意味で予想を裏切るものでした。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例3
作例3:1/250 f1.1 ISO100 露出補正±0
冬の低い光を浴びた3体の地蔵を撮影しました。周辺光量落ちが殆ど見られないのも、高級タイプのレンズを見ているようです。

それでもボケ味には、古いライカのような独特のクセが認められて、KAMLAN(カムラン)らしい面白さがあります。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例4
作例4:1/500 f1.1 ISO100 露出補正-0.3
32mmという画角は、1本だけ持ってスナップするには適度な画角です。さらにKamLan KL 32mm F1.1なら、F1.1の明るさを使って前後を大きくボカす事も出来るので、広角レンズとは思えない大きなボケを使った表現が可能です。

冬の午後の低い光が作り出す影やどこか淡い光の感じを、イメージ通りの色合いで写しとめる事が出来ました。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例5
作例5:1/30 f1.1 ISO100 露出補正-0.7
どぶのような用水路の片隅に、水草が旺盛に茂っていました。

KamLan KL 32mm F1.1をしばらく使って、描写性能に安心感を得はじめると、こういった細かい描写が求められる被写体にもレンズを向けたくなって来ます。

大きく拡大しても、かなり細かい部分まで写っており、正直に言って解像感だけなら高級タイプのレンズのようで、3万円を切るリーズナブルなレンズとは思えません。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例6
作例6:1/200 f1.1 ISO100 露出補正±0
いい事ばかりでないのが、KAMLAN(カムラン)レンズの面白さで、個人的には魅力的な部分だと思っています。

今回試したKamLan KL 32mm F1.1は、逆光では大きくフレアが入ります。普通はコントラストが低くなってしまうフレアは嫌われるものだと思いますが、撮影の被写体やシチュエーションによっては、これが武器となり、面白い写真が撮れる事があります。

河原の土手で、逆光で撮ったカットですが、モデルさんを立たせて撮りたくなるような、柔らかく美しいフレアが発生しました。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例7
作例7:1/60 f1.1 ISO100 露出補正-1.0
当ブログでは毎度おなじみの高幡不動の仁王像ですが、手前の金網のボケ感と、背景の仁王像の大きさが32mm F1.1ならではになると思い、あらためてレンズを向けました。

F1.8では手前の金網のボケ感と、ピントが合った仁王像との対比がここまで大きくは出せなかったと思うので、KamLan KL 32mm F1.1ならではの写真になったと思います。

同じロケーションで同じように撮った写真でも、機材が変わると肌合いが変わる事は写真ではよくある事で、それに気づくのが先ずは沼への入り口なのかもしれません。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例8
作例8:1/125 f1.1 ISO100 露出補正-0.7
F1.1である事はボケの大きさだけではありません。

夕刻の宵闇が迫る時間の撮影ですが、明るいレンズはシャッタースピードを気にする事無く撮影に専念出来ます。又、特に2400万といった高画素のカメラは、ISO100で撮影した際と、ISO800で撮影した際には画質に違いが出て来るので、低感度で撮れるという事が大きな武器になるのです。

椿の花を、朱に塗られた五重塔をバックに撮影しましたが、ISO 100の低感度で、滑らかに写しとめられたと思います。

個性


冒頭に書いたとおり、個性が魅力のメーカーなので、少しその部分を深堀してみたいと思います。

先ずは個人的にクラシックな感じのボケ味と、絹のような滑らかなフレアの入り方がKAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1の魅力だと思うので、作例をもとに紹介したいと思います。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例9
実写レビューの中でも書きましたが逆光では素直にフレアが発生します。

ベールをかけたような美しいフレアが画面を覆い、コントラスの低下を招きますが、レンズの良し悪しはともかく、写真としては面白い効果が得られると感じました。

不思議なのは今回の撮影では、ゴーストの発生は1枚も無く、フレアだけが発生した事で、この件についてはもう少し検証の必要があるかもしれません。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例8拡大
クラシックなボケ味も魅力です。

このカットは実写レビュー作例8の椿の花の部分だけ拡大しています。柔らかく滲むようなボケで少し古臭い感じもしますが、個人的にはかなり好きなイメージです。

収差を極端に補正する現在のレンズでは難しい、適度に甘さの残る美しいボケ味だと思います。

画質


価格を考えるとかなり高画質なレンズです。

実写レビューの作例5のカットを拡大して解像感を見てみます。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例5拡大枠
枠内を拡大
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例5拡大
中心部の描写ですが、かなり細かい部分まで詳細に描写され、立体感も十分以上で3万円以下で買えるレンズの写りとは思えません。

個人的には周辺光量落ちがあればいいのに・・・と思いましたが、欠点が無い事を残念に思うのも変な話です。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm  F1.1 作例5拡大
このレンズの、ハッキリと欠点と言える部分はフリンジが発生する事です。

このカットでは、強い反射光の部分に緑と紫色のフリンジが発生しています。ここまで激しいフリンジを後処理で完全に除去するのは難しいので、場合によっては諦めるかモノクロにする必要が出て来ます。

まとめ


一言で言って、非常にコスパの高いレンズだと感じました。

色収差由来のフリンジが発生する事があるのが短所ですが、後処理やモノクロに逃げる事も出来ますし、電気接点無しのレンズでは出るのが普通なので、このレンズだけの欠点とは言えません。

F1.1の超大口径のレンズという事もあり、ボケを活かした撮影が楽しいレンズだと思いました。
KAMLAN(カムラン) KamLan KL 32mm F1.1
Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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