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2021.01.18
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Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM 実写レビュー

Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM 実写レビュー
SONY Eマウント用の標準レンズとして、驚くべき解像力で高い評価を得ていたVoigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalが、より汎用性の高いライカMマウントのモデルとして発売されます。

今回はこのAPO-LANTHAR 50mm F2 AsphericalをLEICA(ライカ)M10に装着しての実写レビューです。
■この記事の監修

フジヤカメラ店

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Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical
フルサイズセンサーに最適化した、極めて性能の高いMマウントマニュアルフォーカスの標準レンズ

デザイン


Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 本体
ライカに取り付けても違和感のないクラシックで質の高いデザインです。同設計を採用するSONY Eマウント用レンズとは大きく異なったデザインを採用するあたりはVoigtlander(フォクトレンダー)のこだわりと言えるでしょう。

メッキパーツを多く採用する事でクラシックな印象となり、取り付けるカメラの年代と違和感が出ないようにしてあります。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 本体2
フィルター径 49mm
最短撮影距離 0.7m
最小絞り F16
絞り羽根 12枚(F2、2.8、5.6で円形絞り)
マウント Mマウント
長さ 53mm
重量 288g

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実写レビュー


Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例1
作例1:作例1:1/750 f2.0 ISO200 露出補正±0
今回は、フジヤカメラのブログでは珍しく、テスト撮影を別のスタッフにお願いしました。

理由は、テストボディをなんとしてもLEICAにしたかったからで、羨ましい事にLEICA(ライカ) M10を所有しているスタッフがいたので、撮影をお願いしました。

いつものフジヤカメラのブログとは違う、撮影者による撮り方の違いを合わせてお楽しみいただければと思います。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例2
作例2:1/360 f2.0 ISO200 露出補正+0.3
同レンズのSONY Eマウント用のテスト撮影を行ったのは、一昨年の10月だったので、約1年ちょっとぶりにAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalの描写を見ましたが、驚くべきシャープネスを持ったレンズという印象は一切変わらず、質の高さを再認識させられました。

併せてLEICAの作り出す写真哲学とも言える独特の美しさが加わり、レンズの良さを幾倍にもしている様に感じます。

デジタルカメラの時代になって、写真をカメラとレンズが共同で作っている事を再認識しました。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例3
作例3:1/3000 f2.0 ISO200 露出補正±0
特に青の表現は素晴らしく綺麗で、この深みは国産のカメラにはなかなか無い味わいだなと、レンズのテストなのにカメラの良さに目を奪われます。

とは言え、この写真のようなボケ感は、Voigtlander(フォクトレンダー)のそれで、抜け目なくそれでいて出しゃばらずにレンズが個性を主張して来ます。周辺光量落ちは好みの分かれるところだと思いますが、個人的には写真に膨らみが出て嫌いではありません。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例4
作例4:1/1000 f2.0 ISO200 露出補正-0.3
レンズの存在を感じさせない、素晴らしくシャープな描写はAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalの真骨頂です。

「リアリティこそが作品に命を吹き込むエネルギー・・・リアリティこそがエンターテイメント」は某漫画のキャラクターのセリフですが、元来リアリティーを追求して来た写真という世界において「ここまで来たか」と唸りたくなる程の高描写です。性能があまりにも高いレベルに達すると「好み」を超越するとさえ感じます。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例5
作例5:1/1000 f2.0 ISO200 露出補正-1.3
大きくアンダーに寄せた露出に錆の浮いた鉄板と厚く積もった落ち葉がドイツのカメラらしい重々しさで描写されています。アンダー露出でも黒がつぶれないのは、カメラのせいか?レンズのせいか?おそらく両方なのでしょう。

自身ではこういう写真を撮ろうと思わないので、たまには別のスタッフに写真をお願いするのもいいなと思います。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例6
作例6:1/360 f2.0 ISO200 露出補正+0.7
鮮やかなモミジを前面に、紅葉した木々の重なりが綺麗で、奥行き感のある写真になっています。

細かな被写体を正確に分解して写しとる事は、APO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalの得意とするところで、他のレンズには無い詳細な描写を実現します。

電気接点の無いレンズではしばしば問題となるフリンジの発生も少ないようです。

パープルフリンジ


Voigtlander(フォクトレンダー)のMマウントレンズは電気接点を持たない為、カメラ側のレンズ補正を利用する事が出来ず、フリンジの発生が問題となる事が多いですが、APO-LANTHAR 50mm F2 AsphericalについてはAPOの名が示す通りフリンジの発生は少なく、今回のテストで気になるカットはありませんでした。

が、実際には細かい部分で多少発生しているので、状況を解説したいと思います。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical フリンジ検証拡大枠
枠内を拡大
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical フリンジ検証
モミジの葉の周りに紫色の偽色(フリンジ)が発生しているのがわかります。

カメラのレンズ補正を利用出来ない、レンズの素のままの性能だとフリンジが発生する事が多く、APO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalがこの程度しか発生していないのは優秀な部類に入ると思います。

ちなみにモノクロにすると・・・
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical フリンジモノクロ
当たり前ですが、このようにフリンジは全く気にならなくなるばかりか、微妙なにじみがレンズの味になったりするので、写真は面白いですね。

画質


画質について、特にシャープネスについては、全てのフルサイズカメラ用標準レンズと比較してもトップクラスにあるレンズです。拡大して解像感を見てみます。
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例3 拡大枠
枠内を拡大
Voigtlander(フォクトレンダー) APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical 作例3 拡大
拡大した事を忘れてしまうくらいのシャープネスで、柿の実のしわまで描写されているのには脱帽です。開放F2でありながら非常にピントが薄く感じられるのは、それだけピント面がシャープだからです

LEICAの作り出す青と柿の実の色とのコントラストが綺麗です。

まとめ


非常にシャープかつ抜けのいいレンズで、これはマウントが変わっても同様でした。今回はレンズの性能を知った上で、自身で使った事のないメーカーのカメラと他人の撮った写真で改めてレンズを評価するという、いままでにない試みでしたが、それぞれの個性のぶつかり合いが見られて楽しい記事作成となりました。

写真を見るまでは、パープルフリンジの発生を少し心配していたのですが、思った以上に少なく安心しました。

Voigtlander(フォクトレンダー)を代表する名玉となったAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalの価値をより幅広く楽しめるレンズだと思います。

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Voigtlander(フォクトレンダー)APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical
Photo by フジヤカメラ 清野  Text by フジヤカメラ 北原
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