散歩と写真はとても相性がいいと思います。写真を撮る事で散歩が何倍にも楽しくなるのです。今回はそんな散歩と写真について、おすすめのカメラやおすすめの撮影地を交えながら解説します。
目次
カメラがあると散歩が楽しくなる
散歩で楽しいおすすめのカメラ
FUJIFILM X-S10
FUJIFILM X-S10におすすめのレンズ
Canon EOS RP
Canon EOS RPにおすすめのレンズ
SIGMA fp
SIGMA fpにおすすめのレンズ
Nikon Z 50
Nikon Z 50におすすめのレンズ
RICOH GRIII
写真の基礎
ボケ
写真の明るさについて
まとめ
カメラを持って散歩をすると、散歩が数倍楽しくなります。カメラを持って写真を撮ることを意識するので、周囲の景色を敏感に感じるようになるからです。春の青葉や秋の紅葉に四季の移ろいを感じたり、見慣れた景色に新しい発見をしたり、あ!猫がいた!など何かを発見したりと鋭敏な感性を働かせるようになります。
見つけた風景を写真の中に納める、カメラはその為の道具です。納める際に、ちょっと感性のテイストを映像に加えられるのも写真の面白いところで、楽しみ方の一つと言えます。少し大袈裟に言えば、写真はアートなのです。
せっかくアーティストの気分を味わうなら、道具にはこだわりたいところです。最近は、写真と言えばスマホでパシャリの方が多いかもしれませんが、お気に入りのカメラで撮ると、写真を撮ることがグッと楽しくなります。お気に入りの道具で、思った通りの写真が撮れた時の満足感は、写真を趣味とする醍醐味のひとつと言えるでしょう。
スマホの良さがシャッターを切れば簡単に写真が撮れるところなら、カメラ(写真を撮る為の専用のカメラ)の良さは、思った通りに撮れるところだと思います。
確かに思った通りに撮れるまでには、知識と技術の習得が必要ですが、一度覚えてしまえばあとは上手になっていくばかりなので、どんどん写真が楽しくなります。毛嫌いせずに簡単な写真の理論は覚えておくといいでしょう。
最初に道具の説明から入るのもどうかと思いましたが、先ずは形から入るのもいいと思い、おすすめのお散歩カメラを5機種ピックアップしてみました。カメラという道具は、個人の好みで良し悪しが分かれるので、多分に私の主観が反映していることはご容赦下さい。好みに合ったカメラを探すのも写真という趣味の一部なので、そういった探訪を楽しんでいただければと思います。
・失敗を防ぐボディ内手ぶれ補正
・コンパクトなボディと握り易いグリップ
・フィルムライクな写り
全ての機種がお散歩カメラに向いている、と言ってもいいFUJIFILM Xマウントカメラの中から、今回はコンパクトでカメラらしいデザインのX-S10をセレクトしてみました。
コンパクトなボディにボディ内手ぶれ補正を内蔵しているX-S10は、写真の失敗で特に多い手ぶれを大幅に少なくしてくれます。夜景や、喫茶店の中など、普通なら暗くて手ぶれてしまうシチュエーションでも、ぶれずに綺麗な写真を撮ることが出来るのです。
FUJIFILMのカメラの中では珍しい大型のグリップがあるので、持ち運びや構えた時に握りやすいのも、ポイントとなります。カメラの持ち運びは、ストラップを使ってぶら下げる、カメラバックに入れるといった方法が基本ですが、片手で持って歩く事が多くなるお散歩写真では、グリップの引っかかりは意外と重要なのです。
デジタルでフィルムの写りを再現するフィルムシミュレーション機能は、もともとフィルムメーカーであるFUJIFILMならではの機能で、フィルムの味わいをデジタルで味わえる人気の機能となります。
普段の風景に感性を加えて写真を撮りたいなら、どんなレンズを使うかは、大切な要素のひとつです。フィルムシミュレーションを筆頭に、撮影者の意図を写真に伝えやすいX-S10には、やはり表現力の幅が広い単焦点レンズがおすすめです。
コンパクトで自然な遠近感の標準レンズは、アングルや構図を工夫することで、驚くほど多様な表現を可能としてくれる、散歩にはピッタリのレンズだと思います。画角を変えられない単焦点レンズの不便さが、逆にいい写真を撮る要因になったりするのです。
» 詳細を見る
・映像エンジンDIGIC8が作り出す透明感のある描写
・フルサイズ機としてはトップクラスの軽量性
・信頼のCanonカメラ
センサーが受けた光を、映像に変える装置を映像エンジンと言い、写真の雰囲気を決定する、カメラの中ではセンサーやレンズと並んで非常に重要な部品です。
Canonの映像エンジンDIGICは、透明感のあるクリアーな画をつくるとても魅力的な映像エンジンです。写真はリアルに撮れればいいという訳では無く、記憶に残ったイメージに近い映像を記録してくれるのがポイントで、DIGICはそういった意味でとても優秀です。
» 詳細を見る
本格的なフルサイズミラーレス一眼カメラでありながら、軽量コンパクトなデザインも魅力で、この手軽さで上位機種に近い写りを楽しめるのは、ある意味お得と言えるでしょう。
初心者やアマチュアでも使い易い操作性は、長年カメラを作り続けているCanonらしく、練り上げられたものだと思います。
上位機種に超高性能機のEOS R5が控えているのもポイントで、大メーカー製らしい長く付き合えるカメラだと言えるでしょう。
Canonのフルサイズミラーレス一眼用のRFレンズは、高性能ですが全体的にやや高額です。全てのレンズを超高性能機のEOS R5で使う事を念頭に設計しなければならない故だと思いますが、そんな中で比較的低価格で、もちろん性能的にも非常に高レベルにあるレンズが2本あります。
単焦点レンズのRF35mm&85mm F2 マクロ IS STMの2本がそれで、F値が明るく、高性能、散歩写真には便利な近くを撮る能力(マクロ性能)も高いレベルにある文句なしのレンズです。さらに、35mmと85mmという画角は、2本持って使うと、とても相性がいいので両方持って撮るのもおすすめです。
» 詳細を見る
» 詳細を見る
・フルサイズ機では世界最小・最軽量
・持っているだけで楽しいクールなデザイン
・最高クラスのレンズと個性的なcolorモード
一般には低い知名度でありながら、写真好きなら知らない人がいないメーカー「SIGMA」は、超高性能を誇るレンズが有名なメーカーですが、個性的なカメラも製造しており、その中でも高い評価を得るfpは、小型・軽量で、お散歩カメラにおすすめな機種です。
370gという軽量さでありながら堅牢なアルミダイカストボディは、小さいだけでなくシンプルなデザインも大きな魅力で、持って歩くのが楽しくなります。
» 詳細を見る
SIGMA fpの魅力の一つは同社の高性能レンズを使える事にあります。特に最近開発に力を入れているフルサイズミラーレス一眼カメラ用レンズは、性能だけでなく個性的な写りやデザイン、高水準のビルドクォリティで、感性に訴えかける製品となっています。
写真だけでなく動画を含む映像表現も意識したカメラで、映画で使われるcolorモード「T&O(ティールアンドオレンジ)」は、独特な雰囲気でファンの多いcolorモードです。
おすすめのレンズは、先に書いたフルサイズミラーレス一眼用レンズの中から、デザインや質感にまでこだわった「Iシリーズ」のレンズ群です。特に35mm&65mm DG DN | Contemporaryは、いずれも高いビルドクォリティと性能で、お散歩用レンズに最適です。
ボケの美しさもさすがSIGMAのレンズといったところで、一筋縄ではいかないレンズ設計や、撮影者の好みに真っ向から挑んで来た歴史を感じます。写歴の長い方なら、今回挙げた5機種の中で、このカメラとレンズを選ぶ人が多いかもしれません。
» 詳細を見る
» 詳細を見る
・握りやすいグリップ
・コンパクトな標準ズーム
・グレードアップするなら超高性能レンズ「Sライン」
Nikon(ニコン)というメーカーに抱く印象を一言で言えば「質実剛健」です。最先端ではなくても、一つ一つの機能が丁寧に堅固に作られ、真面目なカメラを作るメーカーだと思います。そんなNikonがAPS-Cサイズのミラーレス一眼カメラとして作ったZ50は、カジュアルな感じを狙っている割に、例えばすべり止めがしっかり効いたグリップなど、とても真面目なカメラという印象です。
実は同時にリリースされた標準ズームが秀逸で、沈胴式機構により持ち運び時には短く収納されるので、バックへの収まりがとても良く便利なレンズとなります。
さらに性能的にものたりなければ、最高クラスの描写性能を持つ、フルサイズ用のレンズシリーズ「Sライン」のレンズが控えているので、こだわり派には特におすすめです。
プロカメラマン向けのメーカーが作ったアマチュア向けカメラといった雰囲気で、道具の本質にこだわりたいユーザーには納得の一台となるでしょう。
専用の標準ズームの購入は必須として、もう一本でおすすめなのはやはりSラインのレンズです。フルサイズセンサーカメラ用として、最高性能となるよう設計されたレンズ群の中から、今回はZ 35mm f/1.8 Sをセレクトしてみました。
Z 50に付けると標準レンズの画角となる35mmは、解像感、シャープネスとボケの美しさのバランスが素晴らしく、美しい描写をするレンズです。少し大きいのが玉に瑕ですが、それだけの価値のあるレンズだと思います。
» 詳細を見る
・ポケットに入るコンパクトさ
・専用に設計された高性能レンズ
・コンパクトでありながら一眼カメラ並みの表現力
最後の一台は、デジタルコンパクトカメラのRICOH GRIIIです。
レンズ交換できないことの代償として、スタイリッシュで圧倒的にコンパクトさを手に入れたボディは、バックどころかシャツの胸ポケットにも入る小ささです。
このコンパクトさを持ちながら、APS-Cという一眼カメラに搭載されるサイズのセンサーを搭載しており、専用に設計された高性能レンズと併せて、高い描写性能を持っています。
コンパクトカメラと言うと、露出や絞りなどの画づくりに必要な要素をカメラ任せにするイメージです。
しかし、RICOH GRIIIでは絞りの変更や露出補正といった一眼デジタル並みの操作はもちろん、RAWデータ形式での撮影など、プロ並みの撮影方法が選択可能となっています。正にコンパクトな本格派、それがGRIIIなのです。
» 詳細を見る
» 詳細を見る
さて、形から入ったあとは、簡単ですが撮影の基礎について説明しておきたいと思います。気軽な散歩写真に撮影の基礎なんて・・・と思うでしょうから、ここでは2つの写真の変化と、カメラの設定との関係について簡単に説明しておきたいと思います。
ボケについて
ボケを使って被写体を浮き上がらせる手法は、最近ではスマホのデジタル処理でも出来ますが、レンズを使った自然なボケ味は他に代えがたい美しさがあります。
ボケを使って被写体を浮き上がらせる手法は、最近ではスマホのデジタル処理でも出来ますが、レンズを使った自然なボケ味は他に代えがたい美しさがあります。
ボケを大きくする方法は
①被写体に近づく
②焦点距離の長いレンズ(望遠レンズ)を使う
③F値を明るくする(単焦点レンズなど)
の3つがあり、組み合わせることで、よりボケを大きくできます。
ピントの合っていない部分を、色や明るさだけの抽象的な表現にできるボケは、余計なものを写したく無い時など、とても便利です。また、レンズによりボケの感じは微妙に異なり、その違いに気付くということは、好みのボケ味を探すレンズ沼への入り口でもあります。
写真を明るくしたり暗くしたりすることで、写真の雰囲気を変えることができます。これをカメラでは露出補正という操作で行います。
通常「+(プラス)」に補正すると明るく(白っぽく)、「-(マイナス)」に補正すると暗くなります。少々マニアックな話になりますが、この露出補正した際のカラーバランスの変化もカメラによって異なり、カメラ選びの楽しみのひとつとなっています。
散歩と写真というテーマで、おすすめのカメラ、撮影地、写真の基礎をまとめてみました。
お気に入りのカメラを持って写真を撮り歩くのは健康にもいいですし、それ程お金もかからない(レンズ沼に落ち込んだりしない限り)ので、いい趣味なんではないでしょうか。歩くだけ、撮るだけ、が撮りながら歩くだけで、相乗効果を生んで楽しさが何倍にも倍増するから不思議です。