SIGMA(シグマ) 24mm F3.5 DG DN | Contemporary の実写レビューです。
Iシリーズの広角レンズ24mm F3.5 DG DN | Contemporaryは、F3.5と、開放F値はやや暗めですが、その分近接能力に優れたレンズなので、広角マクロとしても使い易いレンズとなっています。
今回は、コンパクトでシャープなレンズを、同社のfpに装着してテストした実写レビューを中心に、ご紹介したいと思います。
■この記事の監修;
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>>> 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
大柄になりがちな広角レンズですが、F3.5と開放F値を抑える事で、非常にコンパクトにデザインされています。
他のIシリーズレンズ同様、高いビルドクォリティで製造されていて、操作の滑らかさやし易さは勿論、製品としても美しく所有欲を満足させてくれるつくりです。
デザインや高級感などは、写真の良し悪しとは関係が無いようにも感じますが、写真を撮るモチベーションに微妙に影響するので、意外と重要だったりします。
今回テストボディとして使った、同社のフルサイズミラーレス一眼カメラfpとのデザイン、大きさ的な相性も抜群です。
Iシリーズは現在(2020.12.29)24、35、45、65mmと4本ラインナップされていますが、細かく刻んだ焦点距離のおかげで、同シリーズのレンズを複数持って使う際も、使い易く感じます。
いつかオールラインナップを持って試してみたいところです。
付属の金属フードは、広角レンズらしく花形タイプになります。
フードまで金属で美しく加工されており、製造について一切の手抜きを感じません。
フードまでコンセプトに沿って製造されているあたりに、SIGMA(シグマ)の物作りへの意志を感じます。
フィルター径: | 55mm |
最短撮影距離/最大撮影倍率: | 10.8cm/1:2 |
最小絞り: | F22 |
絞り羽根: | 7枚(円形絞り) |
マウント: | SONY Eマウント、Lマウント |
長さ: | 48.8mm(Lマウント)、50.8mm(SONY E) |
重量: | 225g(Lマウント)、230g(SONY E) |
付属品: | マグネット式メタルキャップ、フード |
>>> 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
新緑も、花も、紅葉も無い冬の季節は、色を探すのに一苦労します。
そんな中、山茶花の派手なピンクの花が目につきました。
24mmの画角は、スナップで使うにはどうしても散漫な写真になってしまいがちで、慣れるのに少し時間がかかります。
以前にも同じ場所でやはり大根を撮影しました。
その際は標準ズームで撮影しましたが、背景を広く画面に入れられる24mmで少し違ったイメージの写真が撮れました。
冬の弱々しい光を表現したくて、少しアンダー気味に露出補正しています。
落ち葉が積もった散歩道に、逆光線の中、木々の影が投影された様が綺麗で、カメラを向けました。
日中でも低い冬の光は、一日中ものに立体感がついて、陰影を写すにはいい季節です。
風景写真っぽさを出したくて、絞り込んでパンフォーカスにして撮影しました。
低い日の光がスポットライトとなって、寺の山門を照らしていました。
古い山門の木材が強いサイドライトを受けて、年輪が模様として浮き出し、まるで川の流れのようです。
SIGMA(シグマ) 24mm F3.5 DG DN | Contemporaryの高いコントラストとシャープネスが、印象的に風景を切り出してくれました。
広角レンズでの近接撮影は、背景が大きく入るので、周囲の状況を説明しながら賑やかに表現できます。
24mm F3.5 DG DN | Contemporaryは、あまりボケの質について言われない広角レンズでありながら、柔らかく美しいボケ味のレンズです。
併せて、最短撮影距離が10.8cm(最大撮影倍率1:2)と短いので、広角マクロとしても扱いやすくなっています。
壁に写った枝と木漏れ日が不思議な模様を描き出していて、思わずシャッターを切りました。
24mm F3.5 DG DN | Contemporaryの歪曲収差は、fpのボディ内でデジタル補正されているので、人工物の直線もほぼ完全な直線として再現されて気持ちがいいです。
ズームレンズでも撮れた写真ですが、被写体との距離を調整しながら撮る単焦点レンズでの撮影は、写真を撮っている実感が持てて楽しいですね。
折よく落ち葉の掃除をしていた為か、池の上が一面モミジの葉に埋め尽くされていました。
葉の赤と空の青、少しだけフレームインした岸辺のシダの緑色のコントラストが綺麗です。
画面周辺部までシャープな24mm F3.5 DG DN | Contemporaryの描写性能が、広角レンズの楽しさを余すところなく味合わせてくれました。
水中に沈んだモミジの葉を撮影していますが、水が透明過ぎて水面に浮かんでいるように見えます。
今回の撮影で唯一マニュアルフォーカスを使ってピントを合わせました。
水面にピントが合う事を恐れての事ですが(モニターではどちらにピントが合っているのかわからない)滑らかなフォーカスリングの動きで、気持ちよくフォーカス出来ました。
決して明るく無いF値のレンズですが、開放では広角レンズらしく周辺光量落ちが発生します。
補正をオフにすると、上の写真のように明らかに周辺部が暗くなります。
カメラ補正で簡単に改善出来ますが、個人的には敢えて補正をOFFにして、周辺光量落ちを表現に活かすのが好きです。
開放F3.5と、無理の無い設計故か、開放でもシャープネスの高いレンズです。
拡大して解像感を見てみます。
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開放F3.5の描写ですが、非常にシャープな画質です。
6000万画素を超えるカメラや、大伸ばしにも十分対応できるレベルだと思います。
次に周辺部の画質を見てみます。
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さすがに少し流れており、中心部のシャープさと比べると少し見劣りします。
それでも24mmとしては良好な部類だと言えるでしょう。
カメラもレンズもコンパクトで、Iシリーズのレンズらしく気軽に持ち歩いてスナップで使いたくなるレンズです。
高い近接性能と美しいボケ味も、広角レンズとしては特筆すべき点で、レンズの汎用性を高めてくれていると感じました。
Iシリーズは、デザインや物としての品質まで含めて、全て集めて気分によって使い分けたくなる魅力的なシリーズです。
>>> 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
Photo & Text by フジヤカメラ 北原