七五三の写真といえば、可愛い衣装を着せてスタジオで撮影、最近は屋外の撮影もプロのカメラマンに依頼する方もいるようです。
しかし、せっかく親子水入らずの時間を過ごせるのに・・・ここは、パパ、ママがカメラマンになって自分たちで撮影してみませんか!
今回は七五三の写真をセルフで上手に撮るコツを解説します。
目次
プロのカメラマンに頼めば、一瞬の可愛い表情を撮ってもらえます。
しかし、それはある意味作られた写真です。
家族に見せる子供たちの表情は自然そのもの!笑顔は勿論、ちょっと飽きてすねた顔、思わず出てしまったあくび、いつも一緒にいるパパ、ママにしか見せない表情が撮れるのはセルフならではです。
パパ、ママだからこそ撮れる一瞬の思い出をカメラに記録しましょう!
一日中子供と一緒にいるという事は、それだけシャッターチャンスも沢山あるという事、ちょっとした失敗も大切なエピソードです。
バタバタとした朝の準備から、神社までの道のり、お参り、千歳あめをしゃぶる姿など、大切な一日を写真で綴ってみましょう。
かわいい我が子の晴れの姿を、専属カメラマンになったつもりで!
せっかくの晴れの日ですから、写真は綺麗に、おしゃれに撮りたいところです。
とは言え、カメラマンのように、いっぺんに多くの事をやるのはちょっと難しい・・・そんな一日カメラマン向けに、今回はポイントを5つに絞って解説しました。
基本的にカメラはオートでも出来るポイントをあげましたが、2と5は少しだけカメラを自分で操作してみて下さい。
1.子供の目線に合わせて
2.明るく撮る
3.子供のどこを撮るか意識する
4.背景を意識する
5.ポートレート風に背景をボカす
大人が普通の目線でカメラを構えて撮ると、上から見下ろして撮る事になってしまいます。
これでは目線がカメラに向かないばかりか、背景が地面になってしまい、殺風景で奥行き感のない写真になってしまいまます。
カメラを子供の目線に下げて、こちらから子供の目線をつかまえに行きましょう。
人の肌をきれいに撮るポイントは少し明るめに撮る事です。
暗い写真だと子供の表情も伝わりづらいので、明る目に撮影して印象的な表情を撮りましょう。
カメラには露出補正という機能がついていて、プラス(+)にすると明るく、マイナス(-)にすると暗く撮れるようになっています。
人物を撮る時はこの露出補正を0.3~1段くらいプラス(+)にして(画面を良く見ながらどのくらいプラスにするか判断しましょう)、顔が明るくなるように撮ります。
カメラの露出補正をプラスにして明るく撮ると、色味もパステル調な柔らかい色になる事が多いので、子供のイメージにピッタリです。
子供のどこを撮るかを意識するだけで、写真のレベルがグッとあがります。
顔だけを撮る、バストアップで撮る、全身を撮る、はたまた手だけ撮る、衣装だけ撮るなど、どこを撮るのか決めてからシャッターを切ると、焦点の合ったプロっぽい写真になります。
何処を撮るか決めたら、撮る場所を画面いっぱいにフレーミングしましょう。
昔からよく「写真は引き算」と言われますが、要は撮りたい部分を出来るだけ大きく撮るのです。
ちなみに構図には黄金分割というのがあって、一番撮りたい部分は画面の真ん中から少しずらして、周囲から1/3くらいの場所に入れると、プロっぽい写真になります。
3.の次に意識したいのは背景です。
いつ、どこで撮ったのか、写真では背景でそれを伝えます。観光地の滝の前などでハイポーズ!あれと同じです。
神社の鳥居や社殿、黄色く色づいたイチョウの葉など、背景を工夫する事で、場所や季節が伝わる写真になり、七五三の雰囲気が伝わります。
逆に、白い壁や無地のカーテンなど背景をシンプルにする事で、写真館で撮ったようなかしこまった写真にする事も出来ます。
晴れの衣装を記録しておくという意味でも、シンプルな背景で子供だけが写るカットを1枚は撮っておくといいでしょう。
背景がボケた、被写体が浮き立つ写真は、プロにでないと撮れないようで少し難しく感じるかもしれません。
背景をボカす方法は3つ「被写体に近づく」「明るいレンズを使う=小さいF値で撮る」「望遠レンズを使う」で、これらを1つないしは2つ以上組み合わせて(組み合わせた方が効果は高くなる)撮ればいいのです。
この中で難しいのは「明るいレンズを使う=小さいF値で撮る」だと思います。
一番簡単な方法はカメラの露出モードを絞り優先に設定して、絞りの値を一番小さい値に設定して下さい。
絞り優先は、絞り以外の要素をカメラが自動で決定するモードなので、絞りの値だけに集中出来て便利です。
しかし絞りの最小値はレンズごとに決まっていて、一般的なズームレンズはこの最小値が大きいケースが多く、背景をボカしずらくなります。
後に説明する撒き餌レンズは単焦点レンズなので、このFの最小値がf1.8など非常に小さい為、背景を大きくボカす事が出来るのです。
ちなみに、もし既にカメラを持っていて、そのカメラに標準ズームが付いていたら、一番望遠にして(望遠レンズを使う)、Fの値を一番小さく(明るいレンズを使う)設定して、出来るだけ子供に近づいて撮る事で、ある程度背景をボカすことができます。
デジタルカメラには多くの機能が搭載されていて、撮影を助けてくれます。
そんな機能の中で、子供を撮るのに是非使いたい機能が瞳AFです。
特に明るいレンズを使って撮影する際にはピントが合う範囲がとても狭くなり、通常のオートフォーカスだと手前の鼻にピントが合って、目に合わないといった事が起きます。
カメラが瞳を自動的に検知し、鼻を通り越して目にピントを合わせる機能が瞳AFです。
もしカメラに瞳AFの機能があったら是非活用しましょう。
■瞳AFのあるおススメの一眼カメラ
>>> OLYMPUS(オリンパス) OM-D E-M10 Mark III EZダブルズームキット
>>> Canon(キヤノン) EOS Kiss X10/X10i
撒き餌レンズ?聞きなれない言葉だと思います。
メーカーの中でもリーズナブルな価格の、コンパクトで明るい単焦点レンズの事を、撒き餌レンズと言ったりするそうす。
撒き餌レンズは、先に説明した背景をボカす為の方法「明るいレンズを使う」に最適で、場合によてってはズームレンズより使い易いくらいの便利なレンズだと思います。
背景を大きくぼかせる単焦点レンズは七五三の写真だけでなく、普段家族や子供を撮る事が多いなら、使うだけで写真のレベルを上げてくれる非常に便利なレンズです。
(撒き餌レンズの由来は、お手頃で写りのいいレンズをラインナップする事で、そのメーカーを使ってもらう事を、釣りなどの獲物をおびき寄せる「撒き餌」になぞらえて付けられた名称のようです)■おすすめ撒き餌レンズ
>>> Canon(キヤノン) EF50mm F1.8 STM
>>> OLYMPUS(オリンパス) M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
※OLYMPUSは標準レンズ、Canon・SONYはAPS-Cサイズセンサーカメラの装着して中望遠レンズ
七五三の写真をセルフで撮るコツと楽しみ方をまとめてみました。
カメラ店のスタッフをしていると、写真を撮る機会も多く、プライベートなイベントの写真は、基本的にセルフでやってしまう事が多くなります。
自分でやってみると、それほど難しくないですし、手作りならではの良さもあります。
中でも七五三のような家族の行事は、写真を撮る事自体も楽しいイベントと思ってやると、親も子も楽しい思い出が出来るんではないでしょうか。
Text by フジヤカメラ 北原