フジヤカメラ

 

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2018.04.05
写真・動画の撮り方・ハウツー,

ビットレートと動画画質の関係

動画撮影時の「ビットレート」をご存知でしょうか?

 

転送ビットレートは、データの転送速度を表す値で、動画の画質を決定する要素の一つです。基本的に、大きくなればなる程、高画質になります。

 

実は、私も最初は、全くわからなかったので、今回、簡単にまとめてみました。

 

動画カメラの画質

一般的に動画の画質を決定する要素の主なものは以下の3つだと思います。

 

1.画像サイズ(FHD、4Kなど)→写真でいう画素数。大きい画像(画像を構成する点(ピクセル数)の数が多い)の方が対応したモニターで観ればキレイに見える。
2.フレームレート(24p、60pなど)→1秒間に何コマ撮っているか。多いほど滑らかな動きになる(滑らかになればいい、というわけでも無い)。
3.ビットレート(100Mbps、400Mbpsなど)→写真で言うJPEGの圧縮率に近い。大きいほど動画を構成する要素を多く出来るので、高画質になる。

 

この中で、画像サイズとフレームレートは比較的理解しやすいと思うのですが「ビットレート」とはなんでしょうか?

 

簡単に言えば、1秒間にどのくらいのデータをメディアに送っているか?の値で、データ容量が大きくなればなるほど、画質は向上します。写真でいうJPEGの圧縮率に近いかもしれません。圧縮が小さい方が画質は良くなりますが、データは大きくなりますよね!逆にデータが大きいという事は、圧縮率が低く、画質が良いということです。

 

この、データが大きいという事が、ビットレートが高いという事に当たります。

 

通常Mbps(メガビットパーセコンド)の単位で表されます。一眼デジタルカメラでは、以前は25~50Mbpsくらいのカメラが多かったと思うのですが、最近の、特に上位機種は100Mbpsを超えるような高ビットレートのモデルが多くラインナップされるようになりました。

 

例えばFUJIFILMのX-T1は転送ビットレートは非公開ながら、おそらく35~50Mbpsくらいだと思われます。対して後継機に当たるX-T2は100Mbpsと、大幅に転送ビットレートが高い値になりました。これにより、動画撮影時の画質が格段に向上しています。

 

さらに!X-H1においては200Mbpsと、さらに倍の値になっています。先日、ETERNAモードのテストをしましたが、以前使っていたX-T10から受けた、FUJIFILMのカメラは動画性能が低いというイメージを根底から覆す高画質なカメラとなっています。

 

ビットレートの違いによる画質比較

ここではFUJIFILMのX-T1(多分40Mbpsくらい)とX-H1(100Mbps:FHD/30p時)の2機種の画質を比較して、高ビットレートの有効性を検証してみたいと思います。

 

X-H1はビットレートがFHD 30Pで撮影しても100Mbpsあるので、SDカードは高速ビットレートに対応したUHS Speed Class3(V30)以上の規格のカードを使いましょう。

 

SDカード

 

先ず、転送ビットレートの違いが本当にあるのか、同じ時間録画して、ファイルサイズを比較してみます。これは、X-T1の転送ビットレートが非公開である為、X-H1と転送ビットレートがどのくらい違うかを確認する意味合いもあります。

 

ファイルサイズ

 

ご覧のとおり、同じ条件、同じ時間撮影したファイルなら、確かにX-T1はX-H1よりもファイルサイズが小さく、転送ビットレートはX-H1より低いと予測できます。画質は、FHD 30fps、撮影時間は約10秒で試しました(完全に同じ時間録画した訳ではないので、誤差があると思われます)。

 

X-H1が100Mbpsの割に少しファイルサイズが小さいようですが、私の知識では原因がわかりませんでした。ひとまずX-H1の方が、高ビットレートであるという事を確認して話をすすめたいと思います。

 

それでは、FUIFILMの3機種、X-T1、X-H1の2機種でどのくらい画質の違いがあるのか?実際に撮影して比べてみました!

 

※映像エンジンや画素ピッチなどが違うカメラなので、転送ビットレートの違いが画質の違いの要因の全てではありません。
※動画モードはFHD 30pで行いました。このモードではX-H1の最高ビットレートは100MbpsですのでX-T2とほぼ同画質であろうと判断しました。

 

比較すると、X-H1の方が金属の質感や、文字のコントラストなどがはっきり出ていて、高画質に感じます。勿論この画質差の全てが高ビットレートに起因しているわけではないと思いますが、大きな要因の一つである事は間違いないと思います。

 

※本当はより大きなファイルサイズである4Kの方が、差がつきやすいと思ったのですが、編集が難しい(会社のパソコンの能力が低い)のでFHDの映像ですみません。

 

切り出し画像①

 

右がX-H1ですが、X-T1よりシャープで抜けの良い描写です。金属の質感も、立体感のある描写がなされています。諧調が豊かに再現されているのも、画像のリアルさの要因の一つだと思われます。

 

切り出し画像②

 

同じく右がX-H1ですが、コントラストが高く色もくすみなく再現され綺麗です。特に紫色の文字のエッジや、赤い文字と黄色と赤のコントラストの付き方などX-H1の方が高精細に再現されています。

 

やはり高ビットレートのカメラの方が、動画では高画質になるようです!

 

この画質の差の全てが「ビットレート」に起因するわけでは無いと思いますが、動画画質を向上させる為には高ビットレートのカメラを使う事はマストと言っていいようです。


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