今回は、動画とシャッタースピードの関係について試してみました!先ずはテスト動画をご覧下さい↓
それぞれ1/50(低速シャッター)と1/1600(高速シャッター)で撮影した動画映像の比較です。高速シャッター(1/1600)の方が不自然な感じを受けるのではないでしょうか?
先日、当ブログで紹介した雑誌「ビデオサロン」の動画入門記事の中に、動画撮影の三種の神器というのがありました。
その中の一つに「NDフィルター」があげられていたのですが、写真ではあまり重要視されないNDフィルターが、何故、動画撮影においては「三種の神器」とされる程、重要なアイテムとなるのでしょうか?
実は、動画ではシャッタースピードで露出をコントロールするのが、非常に困難です。何故でしょうか?
実は、私も動画を本格的に撮影し始めた頃、師匠のウエッキーから「撮影モードはMにして、シャッタースピードは遅くした方がいいですよ!」と言われました。
しかし、意味が良く分からなくて「面倒だから絞り優先で撮ろう!」と、写真と同じように絞り優先で撮っていました。
しかし・・・これは失敗です!
何故なら、動画撮影では、シャッタースピードが速いと、パラパラ漫画のような不自然な画になってしまうからです。動画も実際には静止画の集合体です。その静止画一枚一枚が、適度にブレていた方が、実は自然に見えるのです。
上の写真のように適度にブレている方が、動画として見た時には自然に見えます。
具体的にどのくらいのシャッタースピードを選択するかというと、1/30~1/60くらいの間がいいようです(実際にはフレームレートによって違って、1/フレームレート~1/フレームレート×2くらいがいいようです)。
例えば、フレームレート30pで撮影する際のシャッタースピードの最高速度は1/60くらいまでにしておくの適切という事です(24pなら1/50くらい、60pなら1/125というようにフレームレートによって自然に見えるシャッタースピードの速さの上限に違いがある)。
余談ですがこの写真、ローリングシャッター歪みも出ていて、電車の形が平行四辺形になってしまっています。SONYも速く、グローバルシャッターを開発して欲しいです。
はためく旗などの、ランダムに動く被写体は特に気になります。
ブレていると、1コマ1コマがつながって見えるのですが、1コマ1コマが完全に静止してしまっていると、パラパラとした、ごちゃついた映像になってしまいます。
水の動きなど、肉眼では見えないような被写体も注意が必要です。1コマ1コマがブレていないと、非常に不自然な映像になってしまいます。
私も以前、噴水を撮影した際に、不自然な画になってしまい、シャッタースピードの重要性を痛感した事があります。
又、写真でも問題になる「フリッカー」も、動画では激しいちらつきとなって再現されてしまうため、せっかく撮った映像が台無しになってしまう事も多々あります。このような理由から、私はフリッカー対策も含めて、1/50を選択する事が多いです。
このように、シャッタースピードで露出を殆ど調整出来ない動画では、露出の調整はNDフィルターとISO感度で行うのが普通です。
本当はNDの効果を可変出来るタイプのNDフィルター(バリアブルNDフィルター)を使いたいのですが、高額の為、私は5段減光のNDフィルターを使っています(ISO100~1600=5段分くらいなら、高感度での撮影による画質の劣化が少ないだろう、という判断です)。
条件に合わせて頻繁に脱着するので、上のようなマグネットでフィルターを脱着するアイテムがあると大変便利で、私も使っています。
以上のように動画撮影では、NDフィルターは必須アイテムです。
特に、日中f1.4のような明るいレンズを開放で使うような撮影では、少し強めのNDフィルターか、バリアブルNDフィルターを用意しておく事を強くおススメします。
シャッタースピードを適切にして、自然な動画を撮りましょう。