SONYの超広角の単焦点レンズ FE 20mm F1.8 G のレビューです。
SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G は、SONYのフルサイズ用ミラーレス一眼に対応した、超広角の明るい単焦点レンズです。
フランジバックを短く設計出来るミラーレス一眼用レンズらしく、性能の高さとコンパクトさを両立したレンズで、Gマスターの24mm f1.4 と類似したデザインは、絞りリングが装備され、使い勝手の向上に一役買っています。
高性能が期待されるレンズなので、テストボディには6100万画素の α7RIV を選択しました。
太陽をフレームインさせて光芒を入れる際など、開放から絞り込むのに、ダイヤルだと沢山回さなければならず面倒ですが、 絞りリングのある SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G は、直感的かつスピーディーに最大絞りを選択出来るので便利です。
動画に強いSONYのレンズらしく、絞りリングのデクリック機能も付いています。
大きさも手ごろで、テストボディに選択した α7RIV とのバランスも良かったです。
ちょっとアジアンな真っ赤な提灯を下から見上げる格好で撮りました。
遠近感が誇張される超広角レンズでは、実際より広く感じられる写真が撮れるので、アジアンな雰囲気がより強調出来たと思います。
SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G の写りの良さは、ファーストカットからわかるレベルで、以前 FE 24mm F1.4 GM のテストをした時の事を思い出しました。
壁に描かれたストリートアートを、少しアングルを下げてダイナミックに狙いました。
標準レンズでは整理されてしまう背景が、ボケた中にも伝わる写真になるところは、明るい広角レンズの楽しいところです。
SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G の高い描写力が、壁面の凸凹を、高い解像力とコントラストで切り取り、まるで厚く塗り重ねた油絵のような質感に写しとめてくれました。
まだシャッターが閉まった商店街(もしかしたら締まったままなのかもしれません)で人通りが途絶えた瞬間を狙って撮影しました。
広角レンズは、多かれ少なかれアングルの工夫が必要になる事が多いですが、ローアングルでもしゃがむだけで撮れるモニターを使った撮影は便利です。
モニターを使った撮影が主流になったお陰で、写真の表現は広がったんではないでしょうか。
カメラを花壇の中に入れるようにして撮影しました。
超広角レンズは、被写体に思い切って近づいて撮るのがコツですが、SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G の最短撮影距離は19cmと、かなり近寄れるので意図した表現がし易いと思います。
又、モニターに集中しすぎると被写体に近づき過ぎてしまうので注意が必要で、被写体にレンズが触れるなどの事故に備えて、フィルターを装着しておいた方がいいかもしれません。
超広角レンズにはスカッと爽やかな太陽の光が良く似合う。
と、勝手に思っているので、絞り込んで太陽の光に光芒を出しつつ、アンダーに露出補正して表現しました。
強い逆光線に、わずかながらゴーストが出ていますが、この条件でこのレベルですから SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G の逆光耐性は高いレベルにあるようです。
夕日を受けた桜の木を下からあおって撮影しました。
満開というには少し足りない七分咲きくらいの咲き方だと思いますが、夕日を受けてほんのり赤く染まる花がとても綺麗です。
少し絞った写真ですが、SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G は絞りリング搭載のレンズなので、絞りを変える操作が非常にやりやすく、直感的にどのくらい絞ったかもわかり易いので、絞りを頻繁に変える中級以上のカメラマンは、使い易く感じると思います。
超広角レンズの強みの一つに、背景の情報を多く入れられるという事があげられます。
さらに SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G のような開放f値の明るいレンズは、f値を調整する事で、多くなり過ぎる情報を整理できるので便利です。
画角で構図を整理しにくい超広角レンズこそ、開放f値の明るい、背景をボカし易いレンズが必要だと感じます。
折角の明るい広角レンズですから夜景の撮影に出かけました。
カメラの手振れ補正と FE 20mm F1.8 G の明るいf値があれば、余程条件が悪くなければ、夜景撮影も手持ちで十分対応出来ます。
このカットは、明るさのバランスが悪かったので、背景の空の部分だけPhotoshopを使って少し明るく補正しました。
すっかり手持ちで星が写るのにも驚かなくなって来ました。
夜間の撮影とは思えない、シャープで高精細な映像です。高感度でもノイズの少ない、デジタルカメラ時代だからこその画だと思いますが、明るいレンズを使うという、フィルム時代から変わらぬ対応も併せてしている事に、写真の普遍性を感じます。
反面、フルサイズミラーレスデジタル一眼の登場により、SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G のような、信じられないレベルの高性能レンズが続々登場して来た事に、時代の流れを感じます。
細かい花が密集して咲く桜の木は SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G の解像感を見るのに絶好の素材だと思いますので、実写レビュー5枚目のカットを少し拡大して解像感を見てみたいと思います(f5.6に絞った画像です)。
上のカットの緑枠内を拡大して解像感を見てみます
かなり細かく桜の花が分解、再現されていて、素晴らしく高性能です。
超広角レンズなので、周辺部の画質も気になるところです。同様に拡大して画質を見てみます。
上のカットの緑枠内を拡大して解像感を見てみます
周辺部分でも、画像が流れる、ピントが甘くなるという事はほぼ無く非常に優秀です。
画質の均一性とうい意味では、単焦点レンズとは言え驚くべきレベルにあり、凄いです。
画面全体で、逆光でも殆どパープルフリンジが発生していないのも秀逸です。
SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G は、純正のGシリーズレンズらしい、周辺部まで高画質な高性能レンズです。
先発の FE 24mm F1.4 GM と悩ましいところですが、性能的にはGMの24mmの方が若干上のようなので、性能で選ぶなら24mm、実売で5万円以上の価格差があるので、予算と性能のバランスで選ぶなら FE 20mm F1.8 G となると思います。
コンパクトで高級感があり、絞りリング搭載など、造りの良さも SONY (ソニー) FE 20mm F1.8 G の見逃せない長所です。
今回は挑戦しませんでしが、機会があれば星景写真にもチャレンジしたくなるレンズです。