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2020.03.28
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Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S レビュー

Nikon (ニコン) のフルサイズミラーレス一眼カメラ Zシリーズ用の広角レンズ NIKKOR Z 20mm f/1.8 S の実写レビューです。

 

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S は、Nikon Zシリーズ用の交換レンズの中でも、最高画質を誇るSラインの交換レンズで、広角レンズとしては、かなり長細いデザインが特徴です。

 
Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S本体①
スペックを考えてもかなり大柄なデザイン
 

コンパクトとは言い難い大柄なデザインで、ミラーレス一眼カメラ用レンズとしては異色の、10cmを超える全長があります。

 

よって性能的にかなり期待出来そうです!(大きいレンズを見ると性能の高さに期待してしまうのは、ほぼ職業病です。)

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S本体②
欲を言えば、SONYのような絞りリングをレンズに付けて欲しかったです

 

テストボディには高画素機のZ7を選択して、テスト撮影に出かけました。

 

実写レビュー

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例①
作例①:Nikon Z7 f5.6 1/200 ISO100 露出補正+2.3

 

満開の桜を下からあおって撮影しました。

 

標準ズームだと、ここまで広範囲にフレーミングする事は難しく、広角ならでは、さらに高性能な NIKKOR Z 20mm f/1.8 S の解像感があってこその写真だと思います。

 

Nikon得意のアクティブDライティングのお陰で、木の幹の黒と、花の白、うっすら残る空の青さがバランス良く再現出来ました。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例②
作例②:Nikon Z7 f16 1/50 ISO100 露出補正+1.7

 

明るい桜の雰囲気を出したくて、太陽光がはなびらを透かすように、下からあおって撮影しました。

 

最小絞りf16を選択する事ピントを深く取り、満開の桜を表現してみました。近接撮影でも絞り込む事で、ピントが合う範囲を大きく出来るのも広角レンズのメリットです。

 

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S は、かなり強烈な逆光線でも、フレアやゴーストの発生は皆無と言って良く、以前より言われているとおり Nikon の逆光耐性の高さを物語るレンズだと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例③
作例③:Nikon Z7 f4.0 1/800 ISO100 露出補正+1.0

 

楽しげに遊ぶボートを背景に、池の上に張り出した桜の枝を狙いました。

 

背景の雰囲気をある程度ボカしながら伝えられるのも、遠近感が誇張され、背景を広くフレーミング出来る広角レンズの面白さで、明るい20mmならではの使い方だと思います。

 

開放f1.8を使いたいのをグッとこらえて、モニターを確認しながら、ボートがわかるくらいまで絞って撮影しました。モニターを見ながら適度な絞り値を選択出来るのも、デジタルカメラの大きな長所ですね。

 

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S のボケの綺麗さは、ボケを活かした撮影をしたいというモチベーションにつながります。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例④
作例④:Nikon Z7 f1.8 1/2000 ISO100 露出補正±0

 

池に浮かんだ二片のはなびらを、ローアングルで撮影しました。

 

開放f値が明るい事を利用して、ピントの合う範囲を極端に限定し、花びらに視線が行くように、開放f1.8の薄いピントを使って撮りました。

 

背景を大きく取り入れる事で花びらの小ささを、ピントを薄くする事で構図の整理と視線の誘導をしました。超広角でありながら、開放f値が明るいという、NIKKOR Z 20mm f/1.8 S の特性を活かせたと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例⑤
作例⑤:Nikon Z7 f1.8 1/1600 ISO100 露出補正+0.3

 

この時期、群生で生えるたんぽぽも見ごたえのあるものですが、一輪だけひっそりと咲くたんぽぽも美しいものです。

 

大きなボケを使って構図を整理するのは、明るいレンズを使うなら定番の使い方だと思いますが、20mmという超広角の画角を持つ NIKKOR Z 20mm f/1.8 S は、ボケた背景をどう入れるかを考えるのも楽しく、アングルを選びながら撮影しました。

 

Nikon Z用のレンズは、いずれもボケが綺麗なので、開放での撮影が楽しくなります。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例⑥
作例⑥:Nikon Z7 f8.0 1/3200 ISO400 露出補正-0.7

 

この時期の風物詩、池にはスワンボートが沢山浮かんでいました。

 

青空や雲との対比がなんだかおもしろくてシャッターを切りました。

 

撮影時、露出は雲の諧調が残るように少しアンダーにして、後処理でトーンカーブを使って、雲の明るい部分が白くなるように調整しました。

 

(ちなみに、フジヤカメラのブログに掲載している写真は断りない場合、画像処理もトリミングもしていません)

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例⑦
作例⑦:Nikon Z7 f1.8 1/800 ISO100 露出補正-0.3

 

少し変わった椿の花を見つけました(後で調べたらオトメツバキというそうです)。

 

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S は、超広角レンズとは思えない自然な描写も特徴で、この写真だけ見ると50mmや35mmくらいで撮られたと感じるくらいナチュラルだと思います。

 

ひと昔前であれば、超広角レンズでボケ味云々を言う事は少なかったと思います。NIKKOR Z 20mm f/1.8 S は、標準レンズ並みの美しいボケを持っており、自然な描写に寄与していると感じます。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S作例⑧
作例⑧:Nikon Z7 f1.8 1/2000 ISO100 露出補正+0.3

 

花の写真ばかりで申し訳ないのですが、花の写真というとマクロレンズという先入観を打破したくて、連投してしまいました。

 

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S の最短撮影距離は20cm、最大撮影倍率は0.19倍なので、広角マクロ的な撮影も、そこそここなします。背景の良し悪しを見極めながら被写体を探す楽しさは、広角マクロならではです。

 

今回は桜がメインの撮影でしたが、6月位に紫陽花の撮影で試しても面白そうなレンズです。

 

画質

かなり高性能なレンズです。

 

今回のテスト撮影では全てのカットでフレアやゴーストが発生しなかった事も特筆すべき点です。

 

他の Nikon Z用Sラインレンズと統一感のあるボケ味の良さも特徴の一つで、柔らかくクセのない綺麗なボケ味は「面白味がない」といった半ば言いがかりを除けば、多くのユーザーを納得させるものだと思います。

 

拡大して解像感を見てみます。

 
作例①拡大枠
 

実写レビュー1枚目のカットの桜の写真の中から青枠の部分を拡大してみます

 

作例①拡大

 

広角レンズでは厳しい、周辺部に近い部分の描写ですが、かなりシャープで高解像度です。高いレベルのレンズである事がわかります。

 

レンズの性能が高まる少し絞りこんだf5.6で撮られたカットという事もありますが、驚くべき性能です。

 

開放f値が明るいのが特徴の、単焦点レンズなので、開放での描写も見てみます。

 
作例⑧拡大枠
 

実写レビュー1枚目のカットの桜の写真の中から青枠の部分を拡大してみます

 

 

最高レベルのシャープネスと解像感を持つ、驚くべき描写性能です。

 

開放で撮影しても、解像力的にf7.1との差は感じられません。拡大してもボケが綺麗なのがわかります。

 

ワイドレンズらしいパンフォーカスでの抜けのいい写真でも、広角マクロレンズ的な近接撮影でも、安定して性能が出る上に、逆光耐性が高いので、ほぼ死角の無い、非常に優秀なレンズと言えると思います。

 

まとめ

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S は、素晴らしく高性能なレンズで、高い解像感やトップクラスの逆光耐性など、欠点の無い非常に優秀なレンズです。

 

あえて欠点を挙げれば(実際には欠点ではありませんが)、大きさとデザインですが、ここまで写りがいいと文句も言えません。

 

ただ高性能というだけでなく、他の Nikon Zシリーズ とボケ味や色味などの統一感も高いレベルで図られており、個人的にNikonというメーカーに持っている「職人の道具」的なイメージとぴったり合致するレンズでした。

 

絞っても開けても、近接も遠景も、中心部も周辺部も全てにおいて高いレベルの描写性能を持っており、満足度の高いレンズだと感じました。

 

>>> Nikon (ニコン) NIKKOR Z 20mm f/1.8 S


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