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2020.03.20
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Carl Zeiss Batis 1.8/85 実写レビュー

Carl Zeiss Batis 1.8/85 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 のレビューです。Carl Zeiss (カールツァイス)の Batis シリーズは、Carl Zeiss (カールツァイス)の、SONYのフルサイズミラーレス一眼カメラ用のレンズシリーズで、現在(2020.3.20)5本のレンズがラインナップされています。

Batis 1.8/85のアップ画像

いずれもコンパクト、高性能を売りにしたレンズですが、そんな中から今回は Batis 2/40 CF と並んで人気の Batis 1.8/85 テストしました。Batis 2/40 CF は、昨年1月にレビュー記事をUPしていますが、非常に高性能なレンズだったので、今回も楽しみなテスト撮影になりそうです。テストボディには SONY α7RIV を選択しました。

実写レビュー

提灯の画像
作例①:SONY α7RIV 1/100 f1.8 ISO400 露出補正±0

ハイ、好きです カールツァイス 。ピントが合った部分が素晴らしくシャープなお陰で、アウトフォーカスの部分とのコントラストがとても綺麗です。一時期、信者を自称するくらい Zeiss レンズにハマった事がありましたが、ここのところSIGMAなどに浮気して、使う機会が少なくなっていたおかげで、Zeiss の凄さを忘れていました。
今回、 Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 のテストをあらためてしようと思ったのは、そんな自分への自戒の念があったからなのかもしれません。

神社の鈴乃緒の画像
作例②:SONY α7RIV 1/4000 f1.8 ISO100 露出補正±0

今日のテスト撮影の必勝を祈願する為に、神社に立ち寄った・・・というわけではありませんが、途中の神社にお参りに立ち寄りました。夕日の暖かい光を浴びて、鈴が輝いています。中望遠の明るい単焦点レンズは、ボカしてなんぼだと思っているので、基本的に絞りは開放に固定して撮影を進めて行きます。
Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 のボケ味は、アウトフォーカスの部分に何が写っているのか何となくわかる Zeiss らしいボケ味だと感じました。

赤い花の画像
作例③:SONY α7RIV 1/1250 f1.8 ISO100 露出補正-0.7

ボケのいいレンズを使うと、ボケを大きく入れたくなります。手前と奥をボカして、間に被写体を挟む作戦です。被写体に夕日のサイドライトが当たって、ボケの効果だけでなく、明るさでも被写体が引き立つ結果になりました。
85mmという焦点距離は、手前も奥も大きくボケるので、こういった手法に向いています。Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 の高い描写性能が、ピントの合った部分とボケた部分のコントラストを引き立て、写真にメリハリを付けるのに一役買っている事は、言うまでもありません。

神社にある狐の台座の画像
作例④:SONY α7RIV 1/2500 f1.8 ISO100 露出補正-0.7

光が低くなる夕方は、光を写し取る写真を撮るにはいい時間帯です。稲荷神社には狛犬ではなく狐がいますが、その狐の台座部分にいい光が当たっているのを見つけてカメラを向けました。神社には夕日が似合う、と思うのは、子供の頃遅い時間まで神社で遊んだ記憶のなせるわざでしょうか。ドイツのメーカーのレンズである Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 が、日本の原風景と言える境内の光景を、リアルに切り取ってくれました。

ボケの花の画像
作例⑤:SONY α7RIV 1/1600 f1.8 ISO100 露出補正-0.7

3~4月がシーズンのボケの花です。朱の花が夕日を浴びて輝いていました。枝の中に埋もれた花を、Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 の開放f1.8で大きなボケを使って撮影しました。大きなボケを使ってボケの花を・・・(以下自重)

壁に描かれた落書きの画像
作例⑥:SONY α7RIV 1/400 f1.8 ISO100 露出補正±0

ゲームをしている手とリモコンでしょうか。面白い落書きを見つけてカメラを向けました。被写体にボケを重ねて、背景も大きくボカす、使えるボケは何でも使え作戦です。
ボケの事にばかり話が行ってしまいましたが、Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 の合焦部分のシャープさは凄いです。FUJIFILMのような、全体の柔らかさで見せるレンズもあれば、Carl Zeiss (カールツァイス)のように、ピントの立ち上がりで見せるレンズもあり、レンズというのは奥深く面白い沼・・・いや世界です。

一輪咲いた桜の画像
作例⑦:SONY α7RIV 1/500 f1.8 ISO100 露出補正±0

中野近辺でも、ちらほらと桜が咲き始めています。一輪だけ咲いている花に向かってシャッターを切りました。Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 の最短撮影距離は80cm、最大撮影倍率は1:7.9と、マクロに強いレンズではありません。このカットは最短撮影距離付近で撮影していますが、もう一寄りしたかったところです。

路地裏の自転車の画像
作例⑧:SONY α7RIV 1/320 f1.8 ISO100 露出補正-0.7

昭和な風景を見つけると、ついカメラを向けてしまいます。「古いものを見つけるとシャッターを切る」と「花を見つけるとシャッターを切る」はおじさんカメラマンの本能のようなもので、あがらえません。ピントの合っていない背景にもドラマを感じられる Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 は、昭和な風景を伝えるのに向いている気がします。

店頭にあるマネキンの画像
作例⑨:SONY α7RIV 1/100 f1.8 ISO200 露出補正-0.7

マネキンのカップルです。ちょっとカッコつけすぎだろ、と思いますが、それがマネキンの矜持ってものです。細かい糸が集まって出来ている布地は、解像感を見るのに最適ですので、少し拡大して、解像感を見てみたいと思います。

マネキンの来ているジーンズジャケットの拡大画像

向かって右側のマネキンの襟の部分の拡大です。Carl Zeiss (カールツァイス) のレンズ、というだけである程度予測出来た事ですが、Batis 1.8/85 は、素晴らしくシャープなレンズです。糸や、布地の表面が、毛羽立っているのまで再現されているのには、驚かされます。テスト機に選んだ 超高画素の α7RIV の能力が余すところなく生かされており、さすが Carl Zeiss です。

飲み屋の軒先にある灯りの画像
作例⑩:SONY α7RIV 1/100 f1.8 ISO250 露出補正-0.7

夕暮れが迫り、もうすぐ開店を迎えるであろう飲み屋の軒先です。桜の枝は造花だと思いますが、それが逆に情緒を醸し出してくれました。
Zeiss のレンズを使うと、不思議と写真を撮る気持ちが上がり、ファインダーを構えてシャッターを切るまでのプロセスを、普段よりも丁寧に味わっている気がします。ちょっとしたアーティスト気取りですが、そんな気分にさせてくれるのも、Zeissレンズの魅力のなせるワザなのでしょう。 Batis 1.8/85 の高い描写性能と芸術性が、情緒ある風景を、見事に切り取ってくれました。

【商品情報】ZEISS Batis 1.8/85 E-mount ソニーE

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ZEISS Batis 1.8/85 E-mount ソニーEバナー画像

まとめ

毎回裏切られる事がない Batis の描写性能を、今回も見せつけられる事になりました。Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 1.8/85 は、レンズのシャープさが作り出す、ボケた部分とのコントラストが美しいレンズで、最近のZeissらしい個性を満喫出来るテストになりました。
敢えて短所を書くと、SONY α7RIV との組み合わせでは、明暗差の大きい条件下で、パープルフリンジがのる事があったので、条件によっては注意が必要です(α7RIVは超高画素のカメラなので、画素数が下がると結果が違ったかもしれません)。
当ブログでも、多くのZeissレンズを試して来ましたが、BatisやOtusと言った最近のレンズは、いずれも非常にシャープなレンズなので、リアルで抜けのいい描写のレンズを好むカメラマンには、是非おススメしたいシリーズです。

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