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2019.01.30
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Carl Zeiss Batis 2/40 CF 実写レビュー

Carl Zeiss Batis 2/40 CF 実写レビューキービジュアル

Carl Zeiss Batis 2/40 CFのカメラ専門店スタッフによる実写レビューです。Carl Zeiss Batisシリーズは、フルサイズミラーレスカメラ用のシリーズです。その中でも広角な焦点距離の40mmレンズをスナップ作例とともに紹介します。


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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Carl Zeiss (カールツァイス) Batis シリーズは、フルサイズミラーレス一眼カメラ用の非常に高性能なシリーズで、50mmより微妙に広角な焦点距離40mmの Batis 2/40 CF は、スナップやお散歩用レンズとして大活躍しそうな魅力的なスペックです。

大きさは、標準レンズとしては小さくはないですが、重量は361gと、最近の高性能な標準レンズの中では軽量な部類に入ると思います。 現時点ではSONY Eマウント用のみのラインナップですが、将来的にはNikonやCanonのミラーレス用がラインナップに加わるといいな、と期待してしまいます。

SONYの高画素機、α7RIIに装着して、テスト撮影にのぞみました。

実写レビュー

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した窓と風景の画像
作例①:SONY α7RII 1/200 f2.0 ISO100 露出補正-0.3

焦点距離40mmのレンズを使うのは、昨年SIGMAの Art40mm f1.4 を試して以来です。重量はSIGMAと比べると1/3以下と軽量(あくまでSIGMAの40mm f1.4と比較して)ですが、開放がf2.0と一段暗くなっています。とは言え、開放なら十分に大きなボケを楽しめます。

Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 2/40 CF を取り付けたSONY α7RIIのファインダーを覗いて最初に感じたのは、軽量故の、取り回しの良さでした。

標準レンズらしく、取り回し良くアクティブにアングルを決められ、40mmという絶妙な画角は、表現する楽しさを存分に味合わせてくれそうです。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した陰影のある石の画像
作例②:SONY α7RII 1/2000 f2.0 ISO100 露出補正-1.7

ツァイスのレンズを手にすると、なんとなく「アート」な心持になるから不思議です。

冬の光は、低い角度で当たる為、陰影が浮き立ち、写真を撮るのに向いている季節だと思います。茶室の踏み石ですが、2つの石に不思議な調和がとれていて美しく感じました。

昔から Carl Zeiss (カールツァイス) のレンズと言えばコントラストの高さを身上として来ましたが、 Batis 2/40 CF もそんな血統を色濃く受け継いだレンズです。

自分の影が写り込まないように注意しながら撮影します。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した椿の花の画像
作例③:SONY α7RII 1/400 f2.0 ISO100 露出補正-0.7

今回のテスト撮影は庭園で行った為「和」テイストの写真が多くなりました。

ドイツ出自のレンズで「和」を撮影するのが少し面白かったです。個人的にツァイスレンズには重い重厚な描写、というイメージがあります。あくまでイメージなんですが、レンズの持つキャラクターイメージに引っ張られつつ撮影するのも楽しいものです。

木漏れ日の中に咲く椿の花の陰影を Batis 2/40 CF が美しく描写してくれました。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した梅の花の画像
作例④:SONY α7RII 1/400 f2.0 ISO100 露出補正±0

冬の弱弱しい光を浴びて、梅の花が一輪だけ咲いていました。以前よりツァイスのレンズは赤色の抜けがいいと言われていましたが(特にT*コーティングのレンズは、フレアが一般的なレンズの半分以下に抑えられ、赤の抜けが良くなる事が多かった)、繊細な梅の花の色が上手く再現出来ました。

解像感を見る為に拡大してみます。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した梅の花の拡大画像
作例④拡大

梅の花の雄しべの形や丸みが非常にシャープに、豊かな立体感で写し取られています。

テストカメラは4240万画素のSONY α7RIIですが、殆ど収差らしいものは感じられず、非常に優秀な描写性能です。

性能的に少し気になったのは、フード無しの状態では、若干ですが光線状態によりフレアが出やすい気がしました。フードの装着は必須と言っていいでしょう。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した竹の画像
作例⑤:SONY α7RII 1/250 f2.0 ISO100 露出補正±0

太く立派な竹の幹の部分のアップですが、暗部から明部にかけてのグラデーションが美しく、竹の持つ質感が豊かに再現されていると思います。

先ほどの踏み石の写真もそうですが、物の形を正確に写したい時は、カメラを被写体に対して真正面に構えて撮りたいところです。そういった理由から、今回のテスト撮影では、50%くらいの写真を、ティルト液晶を使用し、アイレベルでは難しいアングルで撮影しました。

ティルト液晶様様です。

ファインダーから目をはなしての撮影は、ややフォールディングが不安手になる嫌いがありますが、Batis 2/40 CF は、レンズが軽量な為、カメラを体から離しての撮影も快適に行えました。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した竹の小屋と森の画像
作例⑥:SONY α7RII 1/640 f2.0 ISO100 露出補正±0

40mmという焦点距離はとても使い易い画角です。

適度な広がりを持ち、遠近感も自然、f2.0なら十分なボケ感を出す事も出来、しかも?Batis 2/40 CF は軽量で取り回しもいい。

SONYのフルサイズ一眼を使っていて、一本だけ持つレンズは?と聞かれたら?Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 2/40 CF と答えるかもしれません。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した石仏の画像
作例⑦:SONY α7RII 1/60 f2.0 ISO250 露出補正±0

庭園を出て、被写体を探して散歩していたら、Googleマップ上にただ「石仏」とだけ書いてある場所がありました。まだ少し時間もあり、興味をそそられたので行ってみると、確かに「石仏」がありました。

柔らかく、少し愛嬌のある表情を写し取りたくてシャッターを切りました。

日陰の低コンテラスト下での撮影ですが、さすが Carl Zeiss (カールツァイス) のレンズ、眠くなる事も無く、シャープに描写してくれました。

SONY α7RIIとCarl Zeiss Batis 2/40 CFを組み合わせて撮影した石造りの画像
作例⑧:SONY α7RII 1/320 f2.0 ISO100 露出補正-1.0

石造りの太鼓橋に落ちた木漏れ日です。

40mmの自然な画角、トップクラスの高い描写性能、前後の大きなボケ、など、Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 2/40 CF は「ああ、やっぱり標準レンズっていいな!」と素直に思えるレンズだと感じました。

あと2、3時間散歩していたい気分になりました。

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まとめ

Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 2/40 CF は、単焦点レンズらしく、非常に高性能で、なおかつ軽量、40mmという画角も手伝って使い勝手のいいレンズだと思います。

今回の撮影では、不覚にもフードの装着を忘れてしまい、若干フレアが出るケースもありましたが、フレアが有った方が写真としては面白いケースもあるので、使い方次第だと思います。f2.0と、標準の単焦点レンズとしてはやや暗めの開放f値ですが、背景ボケは必要十分と感じました。

画角と併せてとても自然な描写をするレンズです。SONYのフルサイズミラーレス一眼用レンズとして、普段1本だけ持ってフォト散歩するレンズとして、かなりおススメです。個人的には現時点での「決定版」と言っていいくらい、いいレンズだと感じました。

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