LAOWA(ラオワ) の 17mm F1.8 MFT (マイクロフォーサーズ用)の実写レビューです。
コンパクトで軽量(約172g)な広角レンズの 17mm F1.8 MFT は、価格もリーズナブルで、少しクセのあるLAOWA(ラオワ)の写りにチャレンジする、LAOWA(ラオワ)入門レンズとしてもおススメです。
最短撮影距離は15cm(最大撮影倍率0.2倍)と、比較的近接にも強く、35mm判換算で34mmの画角は、一本でオールラウンドに使える、使い勝手のいい画角です。
操作感は、他の LAOWA(ラオワ)のマイクロフォーサーズ用レンズ、7.5mm f2.0 や 9mm f2.8 ZERO-D と似通っていますが、他の2本と絞りリングの方向が逆なのは、3本同時に使う際には、少し気になりました。
描写は LAOWA(ラオワ) らしい個性のある写りで、ゴーストやフレアの入り方など、クリエイティブに写真を楽しみたい方におススメです。
植物は形も色も綺麗なので、花が無い時期でも楽しめる被写体です。
ハレーションが出たような、柔らかく綺麗なボケ味は、個人的にかなり好きです。
LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT は、この程度の光線状態でも、若干フレアが入るのか、特に明るい部分のコントラストが少し低くなっているように見えます。
花があるとついカメラを向けてしまう。カメラマンの謎の行動の一つです。
ファインダーを覗き構図を決めたら、画像を拡大表示、ゆっくりとフォーカスリングを回し、めしべのピントを確認してシャッターを切りました。LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT のフォーカスリングはやや重目で、フォーカス時ピントリングがある程度固定される安心感があります。
開放では口径食が出て、点光源のボケが丸くならずレモン型になってしまいますが、コンパクトなレンズ設計なので、これは致し方ないというところでしょうか。
植物園の中に、椅子が一脚置かれていました。
こんなところで、ゆっくり読書でもしたらカッコいいんですが、温かい温室の中での撮影で、頭に浮かんだのは、ビール飲みたいでした。
一枚一枚の撮影に時間と手間がかかるマニュアルフォーカスのレンズのおかげか、のんびりとした気分で撮影が進められました。
開放の描写は柔らかい LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT ですが、少し絞ってあげると、コントラストが高くなり、固めの描写に変貌します。
絞り値によるレンズの2面性を楽しめるのは、オールドレンズを使っているような楽しさを味わえます。
B級グルメにはB級グルメなりの楽しみ方があるのです。
LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT は、開放では周辺光量が落ちます。
かなりハッキリ落ちますので、レンズの特性をクリエイティブに活かした写真を撮りたいところです。
カメラの光学補正を使えない、電子接点無しレンズの難しさが半分、レンズ本来の性能の多くがそのまま反映される面白さが半分、といったところです。
古い民家の縁側の踏み台です。
LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT は、標準に近い画角のレンズですが、たる型の歪曲収差が出ます。上のカットからも、建物の直線がかなり曲がってしまっているのが見て取れると思います。
周辺光量や光学性能は、レンズの生の方が面白いと思うのですが、個人的に歪曲収差が出るのが好きではないので、ZERO-Dならなお良かったのに、と思うのは高望みでしょうか。
水鏡に写った冬の情景を少しアンダー気味の露出で捉えました。
明部から暗部にかけて、柔らかいグラデーションが綺麗に再現されました。
とある酒蔵を夜訪問した際、長く続く板塀が美しく感じ、シャッターを切りました。点光源に対して丸く綺麗なゴーストが出るのは、LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT の特徴の一つです。
普通、ゴーストが入るのは偶然に近いですが、ここまではっきりと入るなら、表現に活かす事を考えたくなります。極寒の中での撮影でしたが、温かみのある写真になりました。
LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT は、オールドレンズの様なクセを、気軽に味わえるレンズだと思います。マイクロフォーサーズで、広角となるオールドレンズは少ないと思いますが、入手性も良く、安価にその世界観を味わえるレンズです。
1枚目のカットを拡大して画質を見てみたいと思います。
正直言って、ビックリするくらい細かい部分まで写っており、立体感や質感も申し分ありません。
光線状態によってはフレアの影響を受けて、眠くなる事もあるレンズですが、レンズ本来の性能は、高いレベルにあるようです。
又、ピント部分はシャープでありながら、ボケが柔らかく美しいのも魅力で、なかなかの描写性能だと思います。
小さく、価格もリーズナブルで、多少癖のあるLAOWA(ラオワ)の写りを楽しめる最初の一本としておススメのレンズです。
外観のデザイン同様、クラシックな写り方は、コーティングや内面反射処理由来のものと思われますが、個性的な写りが楽しめます。少し大げさに言えばSIGMAのビンテージルックのような感じでしょうか。
LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT は、レンズとしては多くの欠点を持っていますが、そんな個性が心地よいレンズでした。どう使ってみようか、という創造力を掻き立てられます。
個人的には、動画でも試したくなったレンズで、同じスペックのZERO-Dが欲しくなりました。
>>> LAOWA (Venus Optics) 17mm F1.8 MFT