TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) のレビューです。
TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、コンパクトで近接に強いフルサイズセンサー対応の広角レンズで、ほぼ同じデザインの、サイズの24mm、35mmに続くシリーズ第三段としての登場です。
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 も他の2本同様、最大撮影倍率1/2倍、最短撮影距離11cmと、近接撮影に強いレンズとなっており、広角マクロとしての価値も大きいレンズだと思います。
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の特徴の一つは、フルサイズ対応のレンズとしては、非常にコンパクトなデザインにあります。
単焦点レンズは、一本勝負でもいいとは思いますが、出来れば広角、標準、望遠の3本は持ち歩きたいところなので、小さいという事だけで使い勝手が良くなります。
もう一つの特徴は、近接に対する強さで、実際に使ってみると、未体験ゾーンと言っていいレベルまで被写体に近づけて、とても楽しい撮影になりました。
マクロレンズと比較しても遜色ないレベルで性能がいいのも特筆すべき点です。
冬枯れた林の中で、スッくと真っすぐ直立した木に心動かされてシャッターを切りました。
殆ど色の無い写真になってしまいましたが、そのおかげで冬らしい風景になったと思います。撮影当日は曇り空の中、たまに日差しがのぞくような不安定な天気でしたが、空に濃淡が付いて写真的には功を奏したと思います。
開放f2.8での撮影ですが、広角とは言え、さすがフルサイズ、背景を大きくボカす事が出来ました。
畑の仕切りに使われているただの網ですが、冬の日差しを受けて、輝いているように見えました。
曇り空のおかげで、極端に強い逆光線にならなかったのも幸いです。
TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、今回のテスト撮影ではゴーストやフレアの発生もほとんどありませんでした。 9群10枚という比較的多くのレンズを使っていますが、逆光耐性は十分なようです。
思い切り露出をオーバーにして遊んでみました。
明暗差が激しい被写体でしか使えませんが、ちょっと面白い写真になったと思います。
リーズナブルな価格で軽量コンパクトな TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の気軽さが、ちょっと遊んでみよう、という気にさせてくれるのかもしれません。
ちょっと面白い形の鉢植えの草を、真上から狙いました。色の少ない冬の風景が広がる中、色を探して撮るのも結構楽しいものです。
パースが誇張される広角レンズのお陰で、下に向かって広がりのある形が、うまく画面内におさまりました。
背景のボケた、マクロっぽい写真になっていますが、これでもこのレンズの接写能力の半分も使っていません。
同じく色を探して撮った一枚です。
被写体と背景、両方の要素をミックスして表現出来ました。背景が大きく写りこむ広角レンズである事、プラス近接に非常に強いレンズという事のおかげだと思います。
TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、近接のボケも綺麗で、写りの良さは同シリーズの他のレンズと同様です。価格を超越していると思います。
色では無く、形の面白さを狙って撮影しました。
もし普通の20mmだけを持って撮影していたなら、見向きもしないで通り過ぎたと思いますが、TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の最大撮影倍率は1/2倍、マクロレンズと言ってもいいレベルの近接能力を活かしたくて撮影しました。
レンズの能力が、撮影の自由度を増してくれるおかげで、表現の幅を広くしてくれます。
広角レンズと言えば夜景、という勝手なイメージがあるので、寒い中頑張って夜景撮影に出かけました。
いい感じの木をシルエットに、街の灯りを、まだ残照の残る空をバックに撮影しました。
もう少し明るいレンズが欲しくなりましたが、SONY α7RIVの強力な手振れ補正を使って、手持ちで撮影しました。あと一段明るく撮ってもよかったかもしれません。
ビルの上から、俯瞰して撮りました。
広角レンズなので、遠くまで見渡せていいのですが、残念なのはあと1段シャッタースピードを上げて、モノレールのブレをもう少し小さくしたかったところです。
このあたりに、f2.8の限界を感じますが、価格やコンパクトさとのトレードオフになると思いますので、このレンズの特徴を考えれば納得するべき事だと思います。
街の夜景を気軽にスナップしました。
コンパクトなデザインのおかげで、肩ひじ張らずにサッと撮れるのもTAMRONのこのシリーズのレンズのいいところです。これは夜景撮影でも同様でした。
フルサイズ20mmの画角は、十分に遠近感も誇張され、広がりのある写真が撮れます。
画像を拡大して画質を見てみたいと思います。
黄緑色の囲みの中を拡大しています。
向かって左が中心部、右が周辺部(右下隅)の拡大画像です。やはり超広角レンズという事で、周辺部は若干甘い描写で、中心部との画質差があります。
それでも、開放f2.8での描写である事や、使用したカメラがSONY α7RIVである事を考えると、かなり高描写であると言っていいと思います。特に中心部の描写は、高級タイプのレンズと比較しても遜色ないレベルです。
マクロ撮影でも、描写力はかなり高いレベルにあります。
上のカットは実写テスト作例⑤からの拡大画像ですが(言われなければ拡大画像とわからないと思います)、マクロレンズと比べても遜色ないレベルの非常に高い描写性能を持ったレンズと言っていいと思います(しかも開放です!)。
決して高級タイプとは言えないレンズの TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 が、近接でもここまで破綻しない画を吐き出すのには、正直驚きました。
シリーズの最後を飾るレンズとなった TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 も、価格を超越した、非常にいいレンズでした。
AF時のノイズなど、価格なりの欠点はありますが(逆に欠点と言える欠点はこれだけかもしれません)、特にレンズ性能は高いレベルにあり、十分に納得出来るものだと思います。
売りは何と言っても11cmまでの近接性能で、背景を大きく入れたマクロ撮影はこのレンズの真骨頂だと感じました。近接での性能も高いレベルにあります。広角らしく周辺部に若干の甘さがあるもものの、マクロ撮影では周辺部を使う事は少ないと思うので、死角の殆ど無い、無敵の広角マクロとなります。
おかげで、新たな表現の可能性を感じられる、使っていて非常に楽しいレンズだと感じました。
>>> TAMRON (タムロン) 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)