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2019.12.09
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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art 実写レビュー

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art の実写レビューです。フルサイズミラーレス一眼カメラ用に、専用設計された大口径ズームレンズは、ショートフランジバックによる設計の自由度から、かなりの高性能が期待され、テスト撮影が非常に楽しみなレンズでした。

24-70mm F2.8 DG DN | Artを付けたカメラの画像

レンズには、特殊低分散ガラス「FLDガラス」を6枚「SLDガラス」を2枚使用し、Artレンズらしいラグジュアリーな設計となっています。さらに SIGMA の最新のコーティングであるナノポーラスコーティングを一部レンズに施し、高い逆光耐性が期待出来そうです。
何より SIGMA のレンズであるという事が、高性能である事を担保していると言っても過言ではないかもしれません。

24-70mm F2.8 DG DN | Artを付けたカメラの画像

830g(SONY E用)の重量は決して軽量ではありませんが、SONY純正の24-70mm f2.8 GMが886gなので、同スペックの純正品より50gほど軽量になります。デザインは SIGMA Artシリーズらしい高級感のあるもので、ズームやフォーカスリングの動きも滑らかで、細かい微調整をする際にも、使い勝手のいいものです。

ズームリングの画像
ズームリングを少し強く回すとズームロックが解除される

このレンズから採用された、少し力を入れると解除されるズームロック機構は、咄嗟の撮影の際非常に便利で、他のレンズも全てこの機構にして欲しいと感じる程でした。又、細かい事ですが、ズームロックのスイッチがカメラ側に引く動作になっており、慣れればレンズを見る事無くロック出来て便利でした。

実写レビュー

紅葉の画像
作例①:SONY α7RIV 1/100 f2.8 ISO100 露出補正+1.3 焦点距離:70mm

最近天候に恵まれる事が少なく、曇り空の下でテスト撮影を行う事が多いです。時期的に紅葉という鮮やかな色を撮る事が多いのでまだいいのですが、出来れば写真映えのする晴天に撮影したいものです。と、天気に文句を言ってしましましたが、いいレンズは曇天でもコントラストが落ちず、シャープな描写をしてくれるので助かります。
明るい背景との境界に、パープルフリンジが出てしまいそうな状況ですが、24-70mm F2.8 DG DN | Art は、色収差が良好に補正されている為か、パープルフリンジの発生をほぼ確認できませんでした。ガラスの質で大きく差の出る部分ですが、高級レンズを惜しみなく使っているだけに、さすがの高画質です。

刈り取りを終えた田んぼの画像
作例②:SONY α7RIV 1/160 f8.0 ISO100 露出補正±0 焦点距離:62mm

刈り取りを終えた田んぼに、逞しく再び稲が生えはじめていました。田んぼがあるくらいの田舎では、珍しくない風景ですが、何となく秋から冬への季節感を感じてシャッターを切りました。 肩からカメラを提げて、ブラブラと散歩しながらの撮影ですが、ズームのロック機構が素晴らしく使い易かったです。
個人的にズームロックが嫌いで、ズームロックのあるレンズでも、ロックをかけずにズームを伸びるにまかせて持ち歩くのが常でしたが、SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art は、ズームロック状態でもズームリングを少し強く回すとロックが解除される仕組みになっているので、非常に使い易く感じました。

青空と中央線電車の画像
作例③:SONY α7RIV 1/4000 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:24mm

しばらくしたら、青空がのぞいて来ました。ころころと変わる天気に一喜一憂しながら、ブラブラと散歩を続けます。秋らしい高い空に雲が不思議な形をつくっていました。丁度通りかかった中央線の通勤電車といっしょにパシャリ。
素早いオートフォーカスに助けられます。SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art はステッピングモーターを使用しているので、咄嗟の撮影でも高速なAFが素早くピントを合わせてくれます。

枯れた蓮の葉の画像
作例④:SONY α7RIV 1/800 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:56mm

夏の間、美しい花と葉で楽しませてくれた蓮の花も、すっかり冬枯れてしまいました。青々とした蓮の葉も綺麗ですが、すっかり枯れはてた葉も季節感が出て、それはそれで魅力的です。瓶にたまった黒い水も冬の訪れを感じさせてくれて、雰囲気づくりに一役買ってくれました。SIGMA らしく背景ボケが綺麗なレンズです。

金網越しに椿の花の画像
作例⑤:SONY α7RIV 1/250 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:41mm

金網越しに椿の花を撮りました。さすがにこの状況ではオートフォーカスは手前の金網にピントを合わせてしまいますので、マニュアルフォーカスを使ってピントを合わせました。ピントの合った部分のシャープさと前後のボケの柔らかさのコントラストがとても綺麗です。
SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art は各部の作りも良く、マニュアルフォーカス時のフォーカスリングの動きも滑らかで、精密なピント合わせにも苦労しませんでした。

黄色く色づいたつる草の葉の画像
作例⑥:SONY α7RIV 1/1000 f2.8 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離:48mm

黄色く色づいたつる草の葉に、低くなった日の光がスポットライトのようにあたっていました。光があたっている部分を強調する為に、露出補正をマイナスにかけています。
自然な遠近感、自然で柔らかいボケ、ズームレンズとは思えない高精細な描写力で、SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art は画角を変化させられる単焦点レンズのようです。 実は、Artシリーズの大口径ズームレンズとしては価格も抑えられている事も、このレンズの魅力の一つとなっています。

紅葉の並木道の画像
作例⑦:SONY α7RIV 1/320 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:70mm

紅葉の並木道に、子供のものらしい自転車と車がうち捨ててありました。どんぐりでも拾いに行ってしまったのでしょうか?付近に子供の姿は見当たりません。主を待つ小さな自転車と車がちょっと寂し気です。
望遠側70mmで撮ったカットですが、圧縮効果も自然で「標準」の域を脱していない感じがします。最近は105mmまでの標準ズームが多いようですが、標準らしい描写なのは70mmくらいまでだと思います。勿論105mmまでの方が便利ですが、ちょっと不便に70mmまでだけで撮る楽しさもある気がします。

葉の近接撮影画像
作例⑧:SONY α7RIV 1/400 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:52mm

SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art の最短撮影距離は18cm(ワイド側)。この程度の近接撮影はまだまだ余裕があります。近接側のボケもやわらかくとても綺麗です。実は背景が入る範囲を調整出来るので、ズームレンズはマクロでも使い易い時があります。現行品ではズームのマクロレンズは無いようですが、どこか作ってくれないかなと思います。

紅葉の画像
作例⑨:SONY α7RIV 1/320 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:70mm

真っ赤な秋を表現してみました。また雲が多くなって、日陰では特にコントラストが低くなってしまった事を逆手にとって、開放近接で、撮影しました。天気に見放された最近のテスト撮影を工夫で乗り切ります。SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art の柔らかく美しいボケに、表現する欲求を掻き立てられました。「撮りたくなる」という事は、いいレンズの要素の一つだと思います。

画質

電車のカットの拡大画像

作例③の電車のカットの拡大です。ものすごくシャープで高解像度な描写で、ズームレンズらしい、極わずかの眠さもほとんど感じられません。駆け込み乗車のイラストがわかります。SONY α7RIVを発売して以降、ズームレンズと単焦点レンズの描写力の違いを感じる事が多くなったのですが、ここまでシャープなズームレンズは初めてかもしれません。

椿の花の拡大画像

作例⑤の椿の花の部分の拡大画像です。花粉までわかるレベルの解像感で、拡大画像である事を疑いたくなる程です。個人的に、SIGMA (シグマ) 24-70mm F2.8 DG DN | Art は、現時点でSONY α7RIVの超高画素を余すことなく活かせるズームレンズ第一号といった感想です。

【商品情報】SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art ソニーEマウント

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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art ソニーEマウントバナー画像

まとめ

非常に高性能なレンズです。価格が比較的安い、近接に強い、ズームロック機構など操作性がいい、など他にも多くの魅力があるレンズですが、最も関心したのは兎に角「写りがいい」という事でした。
SONY α7RIV、Panasonic S1Rと言った、高画素なカメラの性能を十二分に活かせるポテンシャルを持っており、正直言って、性能的に純正を凌駕していると感じました。お陰で価格設定を間違えたのでは?と感じるくらいコスパが良く感じます。
こうなって来ると期待されるのは今後のSIGMAの動向で、フルサイズミラーレス一眼用レンズ「DG DN」のシリーズに次にどんなレンズがラインナップされるのか、今後が非常に楽しみです。

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