TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 のレビューです。TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、コンパクトでリーズナブル価格のフルサイズミラーレス用の単焦点レンズで、近接に強いのも特徴の一つです。
テストボディには SONY α7RIV を選択(この価格帯のレンズのテストボディにα7RIVが必要なのが先ず驚きです!)、紅葉が見ごろを迎えた近所の公園を散歩しながら試しました。
TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、明るさf2.8、最大撮影倍率1:2、フィルター口径67mmで統一されたフルサイズミラーレス一眼用(現時点ではSONY Eマウントのみ)の単焦点レンズのシリーズの1本です。
200gちょっとに抑えられた重量、フィルター径67mm、全長6cmちょっとのコンパクトさ、比較的安価な事など、気軽に使える常用レンズとして、価値ある一本だと思います。
赤や黄に色づいた葉を、見上げて撮りました。木によって色や色づき方が違って面白いです。TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、単焦点レンズとしては決して明るくはない開放f2.8です。この明るさ、焦点距離では、少し被写体との距離があるだけで、ボケを大きくとった撮影は難しくなるので、いっそ少し絞って撮影しました。
今回のテストボディは超高画素機のSONY α7RIVですが、f7.1まで絞っているとは言え、カメラの性能に全く見劣りしない高いクォリティの画質で価格を感じさせません。
紅葉の時期は、見慣れた近所の公園が素晴らしい撮影スポットに変貌する、カメラマンには嬉しいシーズンです。軽量でコンパクトな TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 と、SONY α7RIV との組み合わせは、6,000万画素を超えるモンスターカメラを使っているとは思えない軽快さで、気軽にスナップを楽しめました。
画質的には、SONY α7RIVとの組み合わせでも高いレベルにあると感じましたが、少し気になったのはオートフォーカスの動きです。スピードやスムーズさに欠け、のんびりとした動きに感じられます。駆動時のノイズも少し気になり、この部分については価格相応な感じです。
一面に敷き詰められた落ち葉を、ローアングルで撮影しました。1枚目のカットと同様、絞っての撮影(f11)ですが、3万円台のレンズとは思えないシャープさで、写りは高級タイプのズームレンズを凌駕していると思います。価格帯的には、かなり安い部類に入るレンズだと思いますが、単焦点レンズらしい高い描写力を持っています。
白い椿の花のバックに、燃えるような黄色い紅葉を入れて、フレーミングしました。今回は、24mmの広角レンズで、開放f値も2.8なので、ボケの大きさには過剰に期待せずに撮影を進めます。
それでも、1m以内に被写体が入って来ると、背景は思った以上に大きくボケますし、SONY α7RIV のような超高画素のカメラでは、ピントがシビアになるのが常なので、気を抜かずに撮影する必要があります。
写真映えする、ピンク色の花びらを大量にまき散らしながら、椿の花が満開になっていました。背景に紅葉の林がちょうどいいボケ感で入って、公園の秋をうまく表現出来たと思います。この時期が過ぎると、この公園も急激に色を失い、フジヤカメラのブログでも被写体に困るシーズンがやってきます。
TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の軽さと近接の強さは、思った時に、思ったように表現出来る気軽さがあって、親近感が持てます。価格の事が頭をよぎって、必要以上に大切に撮ろうとしないのがいいのかもしれません(笑)。
公園なので、木々の植えられ方は意図的になされたものですが、古い公園であれば長い月日の間に、木々は成長し独自のバランスに変貌していると思います。ある意味これも「自然」でしょう。大量の落ち葉の堆積、紅白の椿の花、美しく色づいた紅葉、前日の雨に濡れた木の幹の漆黒が、不思議なバランスで並んでいて、思わずシャッターを切りました。
ビビッと来る風景に出会った時の喜びも写真をやっている醍醐味の一つです。広角でありながら、標準レンズのような素直な描写は、24mmという画角を感じさせません。新たな広角表現が見つかったでしょうか?かなり細かい描写の画になったので、拡大して解像感を見てみます。
紅白の椿の木の部分の拡大画像ですが、椿の葉の硬い質感や、沢山の蕾などテスト機として使った SONY α7RIV の高性能さを損なわない、非常にシャープで高解像度な画です。TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 は、決して高級なレンズではありませんが、単焦点レンズらしい、非常に高いレベルの描写性能を持ったレンズだと思います。正直言って新品で実売3万円台(2019.12.5現在)のレンズの描写とは思えません。
以前、当ブログで「ベンチや椅子が好きで、あるとついカメラを向けてしまう」と書いた事があるのですが、最近ついカメラを向けてしまう被写体は石垣です。どこにでもある風景ですが、雨に濡れた路面と、晴れた秋の木漏れ日が美しいと感じてシャッターを切りました。
24mmという画角は、遠近感を誇張するにも十分で、奥行き感のある写真になったと思います。先に書いたとおり、TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 のAFは少しもっさりした動きですが、日常をのんびりと切り取るには逆にいいかもしれません。
黄色く色づいた葉の陰影に魅力を感じてシャッターを切りました。TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の最短撮影距離は12cm(撮影倍率は0.5倍)と、かなり近接に強いレンズなので、今回の撮影で最短撮影距離に不満を感じる事はありませんでした。開放では口径食も発生していますが、形は綺麗なレモン型で、気になるほどではありません。
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約215gという重量は、確実に撮影のストレスを低減してくれます。開放f2.8という明るさは、単焦点レンズとしてはやや物足りなさを感じるスペックですが、ズームレンズにはない高性能さを持っているので、高画素機と組み合わせて常用レンズとして安心して使えそうです。TAMRON (タムロン) 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 の最大の価値は、「コンパクト」「安い」「高性能」だと思います。
ちょっと牛丼屋のコピーのようになってしまいましたが、ポイントは「高性能」という事で、写りが価格を超越して良好なのは、フルサイズの高画素機が一般的になった昨今、日常用レンズとして買い足すユーザーにも、これからフルサイズを使うユーザーのとりあえずの一本としてもありがたいレンズだと思います。
日常を肩の力を抜いて、それでも画質には妥協せず写真を撮りたい、そんなユーザーにおススメのレンズだと感じました。