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2019.10.23
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SONY E 16-55mm F2.8 G 実写レビュー

SONY E 16-55mm F2.8 G 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

東京都 中野区のカメラ専門店 フジヤカメラ店です。カメラ、レンズ、三脚、動画機材まで、新品、中古機材を多数取り扱っております。中古在庫は常時3,000点以上!これからカメラを始める方も、ベテラン、プロカメラマンも、機材の事ならフジヤカメラ店にお任せ下さい。

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SONY (ソニー)のAPS-Cサイズセンサー用の大口径標準ズームレンズ E 16-55mm F2.8 G のレビューです。APS-C用とは言え、大口径ズームレンズとしては、比較的スリムで、手振れ補正が無いなどのデメリットもありますが、持ち運び易いコンパクトなデザインのレンズです。

E 16-55mm F2.8 Gをつけたカメラの画像

フォーカスやズームの動きも「G」レンズらしい滑らかなものです。最近は、APS-Cセンサーカメラ用の高性能なレンズは、新たにラインナップに加わる事が少なくなって来たので残念に思っていました。久しぶりの新レンズに、愛機α6400にテストレンズを付けてテスト撮りに出発しました。

実写レビュー

例によって時間の無い中でのテスト撮影だったのですが、今回はさらに思いもよらぬハプニングが起こりました。とある公園で、シーズンのコスモスを撮ろうと予定していたのですが、なんと公園内にイノシシが出た!という事で、公園に入れなくなってしまったのです。仕方なく、別の公園の雑木林を散策しながらテスト撮影を行いました。

落葉した枝に残った赤い実の画像
作例①:SONY a6400 1/80 f2.8 ISO200 露出補正±0 焦点距離44mm

時期的に紅葉には早く、しかも曇り空の今にも雨が降り出しそうな天候の中、林の中は閑散として色がありません。そんな中、落葉した枝に残った赤い実をパシャリ。SONYらしい鮮やかな発色で、艶やかな木の実を写し取れました。
SONY (ソニー) E 16-55mm F2.8 G の最大撮影倍率は0.2倍。最短撮影距離は30cm、望遠側ではボケも大きくなり、ボケ味も申し分なく綺麗です。

公園内の木道の画像
作例②:SONY a6400 1/50 f7.1 ISO1600 露出補正±0 焦点距離28mm

今回訪れた公園は、特に何があるという訳ではなく、ただ雑木林の中に木道が整備されているだけの公園だったのですが、途中小さな小川があったりして、気持ちよく散策出来ました。それこそイノシシが出そうな原生林で、様々な木々や草が入り組んでおり、写真を撮る身としては飽きませんが、やや単調な景色です。
テスト撮影なので、一部の焦点距離に写真が偏らないように気をつけながら撮影を進めて行きます。

色づき始めたつる草の画像
作例③:SONY a6400 1/80 f2.8 ISO1600 露出補正±0 焦点距離41mm

紅葉にはまだまだ早い時期ですが、ほんの少しだけ色づき始めたつる草にレンズを向けました。 SONY (ソニー) E 16-55mm F2.8 G は、APS-Cサイズセンサー用という事で、今回のテストボディはα6400です。自分のボディなので、操作に戸惑う事も無く、快適に使えます。
あいにくの曇り空の中での撮影でしたが、SONYのカメラ、レンズは色乗りも良く、地味な被写体でも見栄え良く写しとめてくれます。

飛び出た一葉の画像
作例④:SONY a6400 1/125 f2.8 ISO200 露出補正+0.7 焦点距離16mm

幹の途中から、ぽよんと飛び出た一葉を下から狙いました。後から、背景を曇り空の白一色にすれば良かったかも、と少し後悔しました。背景をボカす写真では、ボケた背景の色や形を気にしながら撮るのですが、失敗です。
SONY (ソニー) E 16-55mm F2.8 G のズームのトルク感は適度な重みがあり、上を向いた撮影でも、ズームがずり落ちて来るような事はありませんでした。

木道の端に落ちた枯れ葉の画像
作例⑤:SONY a6400 1/30 f2.8 ISO200 露出補正±0 焦点距離18mm

木道の端に、かろうじて受け止められた枯れ葉を被写体にしました。 本当に何もないただの雑木林だったので被写体を探すのには苦労しましたが、逆に飲み頃を過ぎたワインからほんの少しの果実味を探すような楽しさがあり、撮影自体は楽しく順調に進みました。
このくらいの距離感で撮影をすると16-55mmという焦点距離は丁度いいと感じました。これがf4のレンズだとつまらなかったと思うのですが、大口径f2.8は背景を大きくボカせるので、構図も整理し易くなります。

花のつぼみの画像
作例⑥:SONY a6400 1/100 f3.5 ISO1600 露出補正±0 焦点距離55mm

時期的にあまり色が無かったので、形に焦点を当てて撮っていきます。SONY (ソニー) E 16-55mm F2.8 G の、最大撮影倍率0.2倍は、高い能力とは言えませんが、f2.8の明るさと併せて、マクロっぽい表現もこなしてくれます。このくらいの大きさの物をマクロ撮影する際、被写体の大きさをズームで調整出来るのも便利です。
たまに、お店に料理の写真を撮るためにマクロレンズを希望する方がいらっしゃいますが、余程小さなお菓子などを撮るのでなければ、標準ズームの方が便利だとアドバイスさせていただく事が多いです。

大木の画像
作例⑦:SONY a6400 1/80 f2.8 ISO100 露出補正+2.0 焦点距離16mm

林を抜けると大木が一本、天に向かって枝葉を広げていいました。曇り空が白になるまで露出をプラス補正してシャッターを切ります。 周辺光量補正はONで撮影したつもりでしたが、四隅が若干暗くなりました。α6400よりも後に出たレンズなので、カメラ側にレンズ情報がまだ無いのかもしれません。まめにカメラのファームもアップデートした方がいいですね。
テストの為の写真にならないように心がけていますが、このカットはパープルフリンジの出方を見たくて切ったカットです。拡大して確認してみます。

パープルフリンジの確認画像

画面左下隅の拡大ですが、残念ながらパープルフリンジが発生しています。解像感やシャープネスは申し分くかなり高いレベルにありますが、パープルフリンジの発生は高性能モデルの「G」レンズとしては少し物足りなく感じます。

変わった形の実の画像
作例⑧:SONY a6400 1/100 f2.8 ISO1250 露出補正±0 焦点距離55mm

再び暗い森の中にもどります。変わった形の実があったので、真上から撮りました。横から見た時と、真上から見た時では随分と印象が変わり面白いです。木道からの撮影で、多少不自由な体制ですが、ブレる事無く撮れました。SONY (ソニー) E 16-55mm F2.8 G には手振れ補正がありませんが、林の中の薄暗い条件でも、今回の撮影ではブレたカットは殆どありませんでした。
手振れ補正が無い事を多少意識して撮影したのは事実ですが、最近のカメラは高感度も強いので、必ず必要な機能でもありません。手振れ補正が無い分、小さく軽く省エネになっていると思うので、こういった決断は歓迎したいところです。

赤く染まった紅葉の画像
作例⑨:SONY a6400 1/60 f2.8 ISO125 露出補正-1.0 焦点距離36mm

さて、撮影も終盤となる頃、ついに小雨がぱらつき初めました。カメラをしまって撤収です。イノシシによるアクシデントを乗り越えて、偶然見つけた公園でなかなか充実した撮影が出来ました。今回は移動に車を使った為、〆のビールが楽しめなかった事だけが心残りです。

画質

赤い木の実の拡大画像

実写テスト1枚目のカットからの拡大です。小さな赤い実の凸凹や質感が見事に再現されており、素晴らしくシャープなレンズです。設計が新しいだけあってAPS-C用の標準ズームレンズとしてはトップクラスなのではないでしょうか。

葉っぱの拡大画像

実写テスト3枚目のカットからの拡大です。 以下は、レンズに関する感想ではないのですが、このカットではやや厳しい条件での撮影(ISO1600)の為か、画がやや平板になってしまいました。特に背景の暗部の描写はノイズが入り、映像エンジンが画を作った感があります(一つ前のカットと背景を比較すると滑らかさに違いがあると思います)。
APS-Cサイズセンサーカメラの限界を感じます。普通に見る分に問題が出る部分ではありませんが、やはり風景写真のような高精細が求められる撮影にはフルサイズ一眼が有利だと感じます。

【商品情報】SONY E 16-55mm F2.8 G 〔SEL1655G〕

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まとめ

E 16-55mm F2.8 Gをつけたカメラの画像

久しぶりのAPS-Cサイズセンサー専用レンズのレビューでした。 開放f2.8で「G」ラインのレンズという事で、メーカーも相応の力を入れて設計したと思いますし、期待通りの写りでした。各部の操作も滑らかで、手振れ補正が無い分なのか、細身でコンパクトに感じるのも良かったです。
反面、せっかく新しく出すのですから、動画ユーザーを少し意識しても良かったかな、と動画ファンとして思いました。絞りリングの搭載、クリックのキャンセル、ブリージングの抑制など、価格的な制約があるとは思いますが、是非トライしていただきたかった機能です。
とは言え、写真用レンズとしては、奇をてらったところの無い、質実剛健なレンズだと感じました。

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