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2019.09.30
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Canon RF24-70mm F2.8 L IS USM 実写レビュー

Canon RF24-70mm F2.8 L IS USM 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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Canon のフルサイズミラーレス、「R」用のレンズ「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の実写レビューです。
ついに、Canon「R」にも、システムの顔となる大口径標準ズームレンズが登場です。一般的に、広角~標準域は、ショートフランジバックで設計ができるミラーレス用レンズが性能的に有利になるケースが多いので、どのくらい高性能なレンズなのか、楽しみにテスト撮影に臨みました。

RF24-70mm F2.8 L IS USMをつけたカメラの画像
EOS R が比較的コンパクトな為、レンズがより大きく見える

Canon (キヤノン) RF24-70mm F2.8 L IS USM の全長は125.7mm、重量は約900gです。通常、ミラーレスカメラ用のレンズは、小型、軽量になるケースがほとんどですが、同スペックの現行の一眼レフ用レンズが全長113.0mmmm、重量は約805gですので、一回り大きく、重くなっている事になります。

Canonレンズの画像
一眼レフ用の24-70mm f2.8(右)と比較して一回り大きい

大きさ、重さよりレンズ性能を優先した結果だと思います(が、もうちょっと頑張って欲しかったところです。)。それでは、テストボディのEOS Rにレンズを装着、性能に期待しながらテスト撮影に出発したいと思います。

RF24-70mm F2.8 L IS USMをつけたカメラの画像
カメラと比較すると、レンズがかなり大きいのがわかるが、見方によってはカッコいいかも

実写レビュー

曼殊沙華の画像
作例①:Canon EOS R 1/2000 f2.8 ISO100 露出補正-1.0 焦点距離:70mm

梅雨から初夏の頃は、当ブログの被写体に紫陽花の花が度々登場しました。うだるような暑さもひと段落して、これからは秋の花を被写体に選ぶことが多くなると思います。その一番バッターは「曼殊沙華」です。赤く見栄えのいい色と、独特の形、群生するの事など、写真映えする花です。
Canon (キヤノン) RF24-70mm F2.8 L IS USM は、背景ボケも綺麗で、被写体までの距離がこの程度なら、ボケも十分大きくとれるので使いやすいと感じました。

ベンチとねこじゃらしの画像
作例②:Canon EOS R 1/2000 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:50mm

個人的に「ベンチ好き」(ベンチが好きというよりベンチの写真を撮るのが好き)というのもありますが、旺盛に繁殖した猫じゃらしと、真夏に比べればだいぶやわらかくなった日差しに照らされた木製のベンチに、妙に季節感を感じてシャッターを切りました。
普段は単焦点レンズを使う事が多いのですが、画角を変える事で、背景の映り込みの範囲を変えられるズームレンズは、単焦点レンズとは違った表現の幅があり、楽しく使えました。
一眼レフ用と比較して、大きさ重さでメリットの無い Canon (キヤノン) RF24-70mm F2.8 L IS USM ですが、テストボディEOS R の軽量、コンパクトさと、バリアングル液晶の恩恵は絶大で、ウェストレベルからアイレベル、時には地面すれすれのローアングルも難なくこなせて便利です。

ねこじゃらしの画像
作例③:Canon EOS R 1/640 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:70mm

同じ場所で、同じく猫じゃらしの写真ですが、今度は望遠側を使い、ボケを大きくとって撮りました。猫じゃらしの穂の部分が浮き立つように、背景が影の部分になるようにアングルをローアングルに調整ていします。アイレベルでいいおじさんがしゃがんで必死でファインダーを覗いていたりすると通報されそうですが、バリアングルファインダーのお陰で、落ち着いて撮影出来ます。フルサイズミラーレスは、意外と大人に優しいカメラです。

コスモスに止まる蝶々の画像
作例④:Canon EOS R 1/250 f7.1 ISO100 露出補正±0 焦点距離:70mm

夏の盛りは過ぎたりとは言え、まだまだ日差しは強く、日中は暑い日が続いています。そんな、夏の名残の中、秋の花「コスモス」の周りをチョウたちが盛んに飛び回っていました。
Canon (キヤノン) RF24-70mm F2.8 L IS USM の最大撮影倍率は0.3倍(32mm時、最短撮影距離0.21m)と、一眼レフ用の同スペックのレンズの0.21倍を凌駕しています。「標準レンズ」は、可能な限りオールラウンダーであるべきだと思うので、こういったちょっとした改善もありがたいものです。

タンポポの綿毛の画像
作例⑤:Canon EOS R 1/3200 f2.8 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離:24mm

強烈な逆光線ですが、フレアやゴーストの発生は少なく、日影の部分の黒がしっかり締まり、コントラストの高いシャープな画になりました。Canon (キヤノン) RF24-70mm F2.8 L IS USM のレンズ構成は15群21枚と複雑ですが、逆光耐性は高いレベルにあるようです。特殊コーティングASC(Air Sphere Coating)の恩恵も大きいと思います。
近年のコーティング技術の進歩は目覚ましく、ズームレンズ=逆光に弱いという事は無くなってきたと思います。

地蔵の画像
作例⑥:Canon EOS R 1/1600 f2.8 ISO100 露出補正-1.3 焦点距離:52mm

仏像、地蔵好き、という訳でもないのですが、あるとついレンズを向けてしまいます。だいぶ低くなった日の光が真横からあたり、柔らかいお顔が協調されました。枯れた趣味だな、と思うのですが、年齢も50近いのでまあいいでしょう。

電柱に落書きされた相合傘の画像
作例⑦:Canon EOS R 1/500 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:48mm

この電柱に相合傘を書くと想いが叶う、というわけでもなさそうな場所でしたが、沢山の相合傘の落書きがしてありました。これだけ沢山書いてあると、偶然とも思えず、ローカルな伝説があるのかもしれません。
Canon (キヤノン) RF24-70mm F2.8 L IS USM のような、大きくて、ごつくて、本格的で、高額なレンズで、こんなナンパな感じのものを撮るのもどうかと思うのですが・・・写真は一瞬を写す芸術なので、大きくて、ごつくて、本格的で、高額なレンズでなければならないシーンにいつ巡り合うとも限りません。一瞬の為に、常に最高を用意しておくべきでしょう。

タンポポの葉っぱの画像
作例⑧:Canon EOS R 1/200 f2.8 ISO100 露出補正-0.7 焦点距離:38mm

ふと下を見ると地面に生えたタンポポでしょうか?並び方と、横を流れるドブの水が思いのほか綺麗で、シャッターを切りました。お散歩写真の気軽さで、本当に何となくシャッターを切っただけなので、自分の影が水に写ってしまいました。テスト撮影だと気張るとうまくいかない事が多いので、いつものスタンスで気軽にを心がけます。
側溝が少し糸巻き型に歪んでいます。今回のテストでは歪曲収差補正はOFFで行いましたが、気になる際にはONにして、きちんと直線を出した方がいいでしょう。上のカットはONにして撮影するべきでした。

画質

地蔵の拡大画像
作例⑥拡大

実写テスト6カット目の、真ん中の地蔵のお顔ですが、非常にシャープでズームレンズとしては最高クラスだと思います。大きくなって、画質も月並みだったらどうしようか、と心配でしたが、相応に非常に高性能なレンズです。

蝶々の拡大画像
作例④拡大

3枚目のチョウのカットの拡大ですが、チョウの体毛まで描写されシャープです。近接でも非常に高性能で、オールマイティな標準ズームとして死角の無いレンズだと思います。

【商品情報】Canon RF24-70mm F2.8 L IS USM

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Canon RF24-70mm F2.8 L IS USMバナー画像

まとめ

ミラーレスカメラ用のショートフランジバックによる設計を活かしきった、非常に高性能な大口径ズームレンズだと感じました。高性能なだけでなく、最大撮影倍率0.3倍など、標準ズームレンズとしてキャパシティが広くなっている事も見逃せず、後発だけに良く出来ていると思います。
惜しむらくは、ライバルメーカーより、わずかとは言え大きく重い事で、後発だけに、ミラーレスに求められるユーザーの欲求を全て満たしてくれるようなCanonらしい尖り方を見せて欲しかったところです。各メーカー、なんとなく足並みが揃ってしまっていているのは、少しつまらなく感じます。
とは言え、性能的に申し分ないR用のレンズで、Lレンズの中でも、最も人気のあるスペックの一つである24-70mm f2.8が発売された事は喜ばしい限りです。個人的に、フルサイズミラーレス一眼の大きなメリットの一つは、ショートフランジバック設計によるレンズの高性能化だと思っているので、期待通りの性能に、さすがCanonだと唸らされました。

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