Nikon Z用の単焦点中望遠レンズ「Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」の実写レビューです。
Z用の解放f1.8の単焦点レンズもこれで3本目となり、35mm、50mm、85mmと人気の画角が3本揃った事になります。
開放f1.4のレンズからスタートしたくなるところを、f1.8から、しかも性能的に一切の妥協無くSラインのシリーズとしてラインナップするあたりにNikonらしさを感じます。
以前であればf1.8というとf1.4の廉価版という印象でしたが、Zシリーズのレンズはそういったイメージを覆してくれたと思います。又、Z7のような4,000万画素を超えるようなカメラになると、高いピント精度が求められ、f1.4だとシビア過ぎる部分もあるので、解放f1.8は適度な明るさと言えるかもしれません。
まだまだ残暑厳しい中野駅周辺でテスト撮影を行いました。
NIKKOR Z 85mm f/1.8 S は、中望遠レンズなので、解放ではf1.8でもここまで大きなボケが楽しめます。
やはり性能にこだわって設計されたレンズなので、f1.8のレンズとしてはかなり大柄なデザインになります。が、持ってみると、大きさの割には意外と軽く感じ、テストボディに使ったZ7とのバランスも良く、フォールディングし易く感じました。
ボケも綺麗で、f値を解放にセットして、ボケを楽しみながら撮影しました。
Nikon Z7 は、ミラーレス一眼カメラの中でもトップクラスのファインダーの見易さなので、ファインダーの中で出来上がりを想定しながら撮影出来ます。
解放f値の明るいレンズなので、画面周辺部では口径食が出ていますが、逆にちょっと面白い効果が出たと思います。
85mmは、被写体と適度な距離感が取れて、ストリートスナップでも活躍出来ます。
NikonのZ用、Sラインのレンズという事で、性能的には相当に高いレベルにあります。用途として、解像力よりボケ味などの雰囲気の方が重要だと思いますが、解像力も並外れて優秀です。
解像感を見るために拡大してみます。
素晴らしい解像感です。
拡大である事を忘れさせてくれる抜けの良さは、このクラスのレンズではトップクラスではないでしょうか?
特にNikon Zシリーズ用のレンズがいいと思うところは、いずれのレンズも同等のレベルの高さを発揮してくれるところで、「Sライン」というだけで、レベルの高さが想定できる安心感があります。
街中のスナップ撮影は、何かしら撮るものがあるので楽しいです。
光の加減、形、色などなど、探せば写真を構成する要素の、何かに訴えかけられるものが見つかると思います。
今回使った NIKKOR Z 85mm f/1.8 S は、望遠レンズなので比較的狭い画角と、f1.8のピントの薄さという、2つの能力を使って、要素を切り取っていくのに適したレンズと言えると思います。
日中は暑いですが、夕方になるとやや涼しくなって、秋が近づいた事を感じます。
それ以上に、空が高くなった事に秋の気配を感じてシャッターを切りました。
レンズを最初に手に取った時、武骨なデザインに多少首をかしげました(正直、デザインはいまいちだと感じました)が、出てくる絵は素晴らしく、このレンズが「表現」の為の道具である事を再認識します。やっぱりSラインは凄いです。
建物の隙間から中央線が。モノトーンの中に、オレンジ色の中央線の色が鮮やか(?)に焼き付きました。
テストボディの Nikon Z7 は、こういったピンポイントのAFも得意としているので、フォーカスで苦労する事はほとんどありません。
コンパクトで高性能な機材のおかげで、楽しく撮影が進みます。
めんそ~れ~
沖縄居酒屋のシーサーです。
ごつごつとした岩の質感がよく描写されています。日陰の、コントラストが低い、いまいちの状況下でシャッターを切りましたが、眠くなるような事は無く、レンズの性能に助けられた格好です。
ガラスに映った雲が、まるで水面を見ているようです。
映った雲へのピント合わせも、Nikon Z7 + NIKKOR Z 85mm f/1.8 S のコンビは難なくこなします。ピントについてほとんどストレスなく撮影出来る事は、動くものでなくてもストレス無く撮影出来ていいものです。
「写したい」と思った瞬間にカメラが確実に応えてくれて、楽しい撮影となりました。
Nikon Z は、目新しい機能が無い代わりに、一つ一つの機能がよく吟味されていて、とても使い易いシステムだと思います。Sラインのレンズも、トップクラスに高性能で、安心して使えます。
NIKKOR Z 85mm f/1.8 S も他のSラインのレンズ同様、画は最高クラスのものでした。
作りもしっかりしていていいのですが、個人的にデザインはいまいちの感が拭えません。f1.8というだけでf1.4の廉価版的な扱いを受けてしまいやすいので、もう少し高級感がある方が良かったかもしれません。
欠点は(欠点ではありませんが)、3本すべて揃えたくなってしまうところでしょうか。やはり85mm 1本は表現の幅が狭くなりがちなので、最低でも35mmと組み合わせて2本は持ちたいところです。
24mmが欲しいな~とか、135mmが欲しいな~とか、今後が楽しみなテスト撮影でした。
>>> Nikon(ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S