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2019.09.12
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Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 実写レビュー

Nikon Z用の単焦点中望遠レンズ「Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」の実写レビューです。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 本体写真①
そっけないデザインですが、Nikonらしいと言えばNikonらしいです。

 

Z用の解放f1.8の単焦点レンズもこれで3本目となり、35mm、50mm、85mmと人気の画角が3本揃った事になります。

 

開放f1.4のレンズからスタートしたくなるところを、f1.8から、しかも性能的に一切の妥協無くSラインのシリーズとしてラインナップするあたりにNikonらしさを感じます。

 

以前であればf1.8というとf1.4の廉価版という印象でしたが、Zシリーズのレンズはそういったイメージを覆してくれたと思います。又、Z7のような4,000万画素を超えるようなカメラになると、高いピント精度が求められ、f1.4だとシビア過ぎる部分もあるので、解放f1.8は適度な明るさと言えるかもしれません。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 本体写真②
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S よりも少し大きい

 

実写レビュー

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例①
作例①:Nikon Z7 1/5000 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

まだまだ残暑厳しい中野駅周辺でテスト撮影を行いました。

 

NIKKOR Z 85mm f/1.8 S は、中望遠レンズなので、解放ではf1.8でもここまで大きなボケが楽しめます。

 

やはり性能にこだわって設計されたレンズなので、f1.8のレンズとしてはかなり大柄なデザインになります。が、持ってみると、大きさの割には意外と軽く感じ、テストボディに使ったZ7とのバランスも良く、フォールディングし易く感じました。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例②
作例②:Nikon Z7 1/2000 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

ボケも綺麗で、f値を解放にセットして、ボケを楽しみながら撮影しました。

 

Nikon Z7 は、ミラーレス一眼カメラの中でもトップクラスのファインダーの見易さなので、ファインダーの中で出来上がりを想定しながら撮影出来ます。

 

解放f値の明るいレンズなので、画面周辺部では口径食が出ていますが、逆にちょっと面白い効果が出たと思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例③
作例③:Nikon Z7 1/160 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

85mmは、被写体と適度な距離感が取れて、ストリートスナップでも活躍出来ます。

 

NikonのZ用、Sラインのレンズという事で、性能的には相当に高いレベルにあります。用途として、解像力よりボケ味などの雰囲気の方が重要だと思いますが、解像力も並外れて優秀です。

 

解像感を見るために拡大してみます。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例③拡大

 

素晴らしい解像感です。

 

拡大である事を忘れさせてくれる抜けの良さは、このクラスのレンズではトップクラスではないでしょうか?

 

特にNikon Zシリーズ用のレンズがいいと思うところは、いずれのレンズも同等のレベルの高さを発揮してくれるところで、「Sライン」というだけで、レベルの高さが想定できる安心感があります。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例④
作例④:Nikon Z7 1/250 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

街中のスナップ撮影は、何かしら撮るものがあるので楽しいです。

 

光の加減、形、色などなど、探せば写真を構成する要素の、何かに訴えかけられるものが見つかると思います。

 

今回使った NIKKOR Z 85mm f/1.8 S は、望遠レンズなので比較的狭い画角と、f1.8のピントの薄さという、2つの能力を使って、要素を切り取っていくのに適したレンズと言えると思います。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例⑤
作例⑤:Nikon Z7 1/8000 f1.8 ISO80 露出補正±0

 

日中は暑いですが、夕方になるとやや涼しくなって、秋が近づいた事を感じます。

 

それ以上に、空が高くなった事に秋の気配を感じてシャッターを切りました。

 

レンズを最初に手に取った時、武骨なデザインに多少首をかしげました(正直、デザインはいまいちだと感じました)が、出てくる絵は素晴らしく、このレンズが「表現」の為の道具である事を再認識します。やっぱりSラインは凄いです。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例⑥
作例⑥:Nikon Z7 1/1000 f1.8 ISO100 露出補正-1.3

 

建物の隙間から中央線が。モノトーンの中に、オレンジ色の中央線の色が鮮やか(?)に焼き付きました。

 

テストボディの Nikon Z7 は、こういったピンポイントのAFも得意としているので、フォーカスで苦労する事はほとんどありません。

 

コンパクトで高性能な機材のおかげで、楽しく撮影が進みます。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例⑦
作例⑦:Nikon Z7 1/100 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

めんそ~れ~

 

沖縄居酒屋のシーサーです。

 

ごつごつとした岩の質感がよく描写されています。日陰の、コントラストが低い、いまいちの状況下でシャッターを切りましたが、眠くなるような事は無く、レンズの性能に助けられた格好です。

 

Nikon (ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 作例⑧
作例⑧:Nikon Z7 1/800 f1.8 ISO100 露出補正±0

 

ガラスに映った雲が、まるで水面を見ているようです。

 

映った雲へのピント合わせも、Nikon Z7 + NIKKOR Z 85mm f/1.8 S のコンビは難なくこなします。ピントについてほとんどストレスなく撮影出来る事は、動くものでなくてもストレス無く撮影出来ていいものです。

 

「写したい」と思った瞬間にカメラが確実に応えてくれて、楽しい撮影となりました。

 

まとめ

Nikon Z は、目新しい機能が無い代わりに、一つ一つの機能がよく吟味されていて、とても使い易いシステムだと思います。Sラインのレンズも、トップクラスに高性能で、安心して使えます。

 

NIKKOR Z 85mm f/1.8 S も他のSラインのレンズ同様、画は最高クラスのものでした。

 

作りもしっかりしていていいのですが、個人的にデザインはいまいちの感が拭えません。f1.8というだけでf1.4の廉価版的な扱いを受けてしまいやすいので、もう少し高級感がある方が良かったかもしれません。

 

欠点は(欠点ではありませんが)、3本すべて揃えたくなってしまうところでしょうか。やはり85mm 1本は表現の幅が狭くなりがちなので、最低でも35mmと組み合わせて2本は持ちたいところです。

 

24mmが欲しいな~とか、135mmが欲しいな~とか、今後が楽しみなテスト撮影でした。

 

>>> Nikon(ニコン) NIKKOR Z 85mm f/1.8 S


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