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2019.10.01
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Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 実写レビュー

Canon (キヤノン) のR用の広角ズームレンズ「RF15-35mm F2.8 L IS USM」の実写レビューです。

 

大口径f2.8のワイドズームは、ミラーレスカメラ用らしく、広角側は15mmからとなり、ショートフランジバックによる設計の自由度を活かしたスペックとなっています。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 本体写真

 

一眼レフ用の同スペックのレンズ EF16-35mm F2.8L III USM と比較して、50gほど重いレンズとなっていますが、RF24-70mm F2.8 L IS USMとは違い、1mmとは言え広角側が広くとられており、重量増加にも納得し易いと思います。

 

一眼レフ用ではどうしても大きくなりがちな超広角からのズームレンズですが、1mmワイドにして、なおかつ大きさが殆ど同じなのは、ミラーレスならではだと思います。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 比較写真

 

実写レビュー

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例①
作例①:Canon EOS R 1/500 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:15mm

 

個人的に、大口径の超広角レンズで、背景をボカしつつ遠近感を誇張するような写真が好きです。

 

被写体がグッと迫ってくるような効果があって面白いのと、普段は滅多に使わない日の丸構図が意外と成功したりするのが新鮮で楽しいんだと思います。

 

こういった手法を使う場合、当然レンズの最短撮影距離が短い方が有利になりますが、Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM の最短撮影距離は0.28m、最大撮影倍率は0.21倍(35mm時)と、一眼レフ用より、やや劣るのが少し残念です。

 

広角レンズは中間リングの効果が強く出てしまい易いので、専用の極薄中間リングを別売したりしても面白いかもしれません。

 
Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例②
作例②:Canon EOS R 1/640 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:17mm
 

小さなミニチュアの家が窓辺に並んでいました。

 

日中はまだ暑い日が続きますが、窓辺から差し込む日の光はすっかり秋のそれで、柔らかいライティングで撮影出来ました。

 

広角レンズの常で、ググッと近寄って撮りましたが、ミニチュアの家に実物以上に広がりが出ました。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例③
作例③:Canon EOS R 1/500 f2.8 ISO100 露出補正-0.3 焦点距離:16mm

 

古い建築物は、デザイン的に凝っているものが多く、どこか新鮮さを感じます。

 

鉄のアーチとレンガ造りの橋脚は、どこからか移設されたもののようですが、こんな巨大なものをどうやって移設したのでしょうか?ちょっと気になります。

 

橋の巨大感を出したくて、被写体に体を付けて橋脚からアーチまでが入る様に撮影しました。一度15mmの構図を見てから、ズームで画角を調整して撮れるので、Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM の広角が15mmからあるのは実戦では便利です。最終的に1mm戻して16mmでシャッターを切りました。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例④
作例④:Canon EOS R 1/125 f22 ISO100 露出補正±0 焦点距離:15mm

 

コスモスを下からあおって撮影しました。

 

太陽を真正面から受ける完全逆光での撮影ですが、フレア、ゴーストの発生は殆どありませんでした。太陽光に光芒を発生させるために、絞りは最小のf22を選択しています。

 

デジタルカメラでは、絞り過ぎると、回析現象に起因した画質の劣化や眠さが出るケースもありますが、デジタルレンズオプティマイザが良好に機能している為か、Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM ではそういった事は殆ど感じられませんでした。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例⑤
作例⑤:Canon EOS R 1/2000 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離:15mm

 

田んぼを守るかかしですが、だいぶお疲れのようです。背景の稲も、穂の重さに、だいぶ垂れてしまっているので、そろそろ収穫した方がいいかもしれません。

 

テスト撮影なので、つい解放f2.8を活かしたくなりますが、絞ってもいいカットだったかもしれません。

 

広角レンズは標準以上にアングルを工夫するレンズだと思いますが、EOS Rのバリアングル液晶のお陰で、このカットのようなハイアングルも難なくこなします。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例⑥
作例⑥:Canon EOS R 1/160 f2.8 ISO100 露出補正-1.0 焦点距離:24mm

 

秋の花「曼殊沙華」をストレートに正面から撮ってみました。

 

24mmは、標準レンズにも含まれる焦点距離ですが、ワイドズームなら画質の安定したズーム中間部分なので、より安心して撮影出来ます。

 

又、ズームである事、f2.8である事を活かして、背景のボケをどこまで入れるかを調整しながら撮れるのも便利なところです。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM の、周辺部まで破綻のない高画質は、ワイドという事にとらわれず、自由に撮撮影出来ました。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例⑦
作例⑦:Canon EOS R 1/160 f2.8 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離:17mm

 

せっかくのf2.8ですから、被写体にグッと寄って背景をどんどんボカしましょう。

 

最近はスマホでも背景をボカしたり出来るようですが、まだまだレンズでボカす自然さには及ばないようです。被写体までの距離と、選択する焦点距離を調整して、アウトフォーカスの部分をどこまで入れるのかを微妙に調整出来る事も、撮影を楽しくしてくれます。

 

背景のボケを大きく自然に入れる画は、まだまだフルサイズ一眼の範疇にあると感じます。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例⑧
作例⑧:Canon EOS R 1/500 f2.8 ISO100 露出補正+0.3 焦点距離:15mm

 

ふと足元をみるとカマキリがケンカを売ってきました。

 

実は、ここに至る前に、頭にとまって来たのを手で払い落したので、その事を怒っていたのかもしれません。ケンカ弱いので、早々に退散させてもらいました。

 

さて、冗談はさておき、こういうシチュエーションではこのレンズの弱さが出てしまいました。やはり最短撮影距離がちょっと長いです。もうひと寄りしたいところですが、レンズ単体ではこれが限界で、少し歯がゆい思いをしました。

 

3,000万画素オーバーのカメラを使っているので、トリミングする手もありますが、出来ればフルフレームで撮りたいのが、カメラマンの人情というものです。

 

画質

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例①拡大

 

実写テスト1枚目のカットの花の部分の拡大画像です。

 

素晴らしくシャープで抜けが良く、広角レンズ、しかもズームレンズの画質とは思えないレベルです。先日テストした RF24-70mm F2.8 L IS USM を凌駕しているかもしれません。

   

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM 作例②拡大

   

実写テスト2枚目の写真の右下隅の拡大画像です。

 

広角ズームには厳しい周辺部の画質ですが、中心部より若干眠いとは言え、十分過ぎるシャープネスを維持しています。

 

Canon (キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM は、やはりミラーレス用レンズという事で、非常に高性能な広角ズームレンズと言えると思います。

 

まとめ

いわゆる「大三元」の一角を占めるに足る、非常に高性能な広角ズームレンズでした。

 

ひと昔前だと、Canonの広角ズームというと、性能的にあまりいいイメージが無かったのですが、16-35mm f4L、16-35mm f2.8LIIIと一眼レフ用に高性能なレンズがラインナップに加わり、さらに今回の RF15-35mm F2.8 L IS USM の発売で、悪いイメージは完全に払しょくされました。

 

大きさのメリットが無いのは、やはり性能を優先させた為と感じます。

 

開放f2.8の広角、標準ズームレンズが発売された事で、Rシステムが少しずつ一人立ちしつつある、そんな雰囲気を実感出来るレンズでした。

 

>>> Canon(キヤノン) RF15-35mm F2.8 L IS USM


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