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2019.08.10
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SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 実写レビュー

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art の実写レビューです。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 本体写真①

 

レンズメーカー製の、ミラーレス用大口径広角ズームレンズでは、既にタムロンの17-28mm F/2.8 Di III RXDがありますが、同じレンズメーカーでも 14-24mm と、より広角に振った、尖ったスペックを採用するあたりに SIGMA らしさを感じます。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 本体写真②

 

全長は133mm、重量は795gと、フルサイズミラーレス用の広角ズームレンズとしては重い方ですが(タムロンの17-28mm F/2.8 Di III RXDは420g、ソニー FE 16-35mm F2.8 GMは680gです、14mmからなので一概に比べられませんが)、重量や大きさよりも、性能を重視する SIGMAらしい作りだと思います。

 

と言うか、SIGMAのレンズである事を考えると、小さくすら感じます。

 

>>> SIGMA(シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art

 

実写レビュー

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 作例①
作例①:SONY a7RIII 1/80 f2.8 ISO100 露出補正+0.7 焦点距離18mm
 

本日のフジヤのテスト撮りとしては珍しく、日中の暑い盛りにテスト撮りに出ました。

 

フジヤカメラのある中野も夏真っ盛りで、セミたちの声がうるさく響き渡っています。セミは思いのほか近よれる事もあるので、超広角でも狙いやすい被写体です。

 

土が殆ど無いように見える中野のような都市部でも、虫たちはたくましく繁殖し子孫を残しています。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 作例②
作例②:SONY a7RIII 1/30 f22 ISO160 露出補正±0 焦点距離24mm
 

木の葉の隙間から出る太陽の光に光芒を出す為、テスト撮影では珍しく、最小絞りのf22を選択して撮影しました。

 

何枚かシャッターを切り、意図通りに美しい光芒が発生してくれたカットを選びました。絞りの枚数が多い(11枚羽)おかげで、光の線が沢山出て綺麗です。

 

こういったところに手抜きのないところに、メーカーの誠実さを感じます。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 作例③
作例③:SONY a7RIII 1/1250 f2.8 ISO100 露出補正±0 焦点距離14mm
 

写真を撮っていると、観察眼が研ぎ澄まされます。線路沿いの金網に、この場に似つかわしくない、小さなうさぎのキーホルダーがぶら下がっていました。

 

だれかが落としたものを、誰かが落とし主が戻って来る事を期待してぶら下げたのでしょうか?

 

薄汚れた姿で、灼熱地獄の中、あらわれないであろう落とし主を待つ可愛らしい人形が、少し可哀そうです。

 

14-24mm F2.8 DG DN | Art は、超広角レンズでありながら、SIGMA らしい美しボケ味で、f2.8で背景ボケを活かした写真を撮りたくなるレンズです。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 作例④
作例④:SONY a7RIII 1/30 f2.8 ISO1000 露出補正±0 焦点距離14mm
 

大口径広角ズームは夜の写真にぴったり、が持論なので、いつもどおりナイトスナップに出かけました。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art は「星景写真用レンズの決定版」という歌い文句なので、本来は星景写真でテストすべきですが、どうしてもロケーションを選ぶ被写体なので、ナイトスナップでお許し下さい。

 

この時期、昼間はあまりの暑さに命の危険すら感じます。涼しくなってからの夜の撮影は、撮るモチベーションにもつながりますのでおススメです。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 作例⑤
作例⑤:SONY a7RIII 1/30 f2.8 ISO1250 露出補正±0 焦点距離14mm
 

14mmでないと撮れない構図です。

 

モノレールには分岐があまり無いと思いますが、ここは車庫に入れる為の引き込み線で、モノレールとは思えない複雑な構造になっています。

 

薄暮の青い空が綺麗です。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 作例⑥
作例⑥:SONY a7RIII 1/30 f2.8 ISO1000 露出補正±0 焦点距離16mm
 

昼間はなんてことのない電車のガードも、超広角レンズの誇張された遠近感と、人口光がまじりあうライティングのお陰で、ドラマチックな場所に変身します。

 

人工物の直線が集中線のような効果を発揮してくれて、より遠近感を誇張してくれるので、超広角と人工物は相性がいいと思います。

 

広角側が、14mmまで使えるのも大きく、やはり17mmでは出せない迫力があります。

 

SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art 作例⑦
作例⑦:SONY a7RIII 1/30 f2.8 ISO640 露出補正+1.0 焦点距離17mm
 

背景を黒く落として、構図を整理出来る夜間は、超広角レンズが威力を発揮する時間です。

 

最近のショッピングモールは、デザインや形も凝っていてフォトジェニックです。

 

夜間の撮影では、人口光が入るのが普通なので、ホワイトバランスはオートと定常光を切り替えながら使う事が多いです。実際に撮ってみてイメージを確認出来るデジタルカメラならではの撮影スタイルです。

 

画質

14mmから、しかも開放f2.8という、少々尖ったスペックのレンズですので、画質的に少し心配する方もいるの思います。

 

拡大して画質を見てみます。

 

作例①拡大

 

緑色の枠内を拡大します。

 
SIGMA (シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art テスト写真①拡大
作例①拡大
 

羽の部分にピントがありますが、目の部分にはもうピントが無く開放f2.8という事と、近接での撮影しているせいで、思った以上にピントが浅くなっています。

 

ピントが来ている羽の部分のを見ると、かなり細かくシャープに描写されているのがわかります。14mmからという、広角ズームとしては最高クラスの画角を持ったレンズでありながら、描写性能も高いレベルにあるのは驚きです。

 

超高性能を誇るSONY a7RIIIとの組み合わせでは、思った以上に被写界深度が浅いので、注意が必要です。

 

まとめ

SIGMA の大きさにすっかり慣れてしまったお陰で、他メーカーと比較して決して軽量とは言えない 、14-24mm F2.8 DG DN | Art が、軽くコンパクトだと感じてしまいました。

 

個人的に、今回ミラーレス用に新たに発売された3本のレンズの中で、コンセプト的には一番共感できるレンズでした。即ちミラーレス用故の、小型軽量、高性能です。

 

惜しいのは、35mm f1.2には搭載されていた絞りリングが省略されている事です。非常に便利な機能なので、今後は是非搭載して欲しいところです。

 

SIGMA が、ずっと取り組んできた14mmからのズームレンズの集大成と言える、現時点でのベストレンズだと感じました。

 

>>> SIGMA(シグマ) 14-24mm F2.8 DG DN | Art

 

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