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2019.07.30
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SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 実写レビュー

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art の実写レビューです。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 商品写真①

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art は、ミラーレス専用設計の、SIGMAの新レンズシリーズの大口径単焦点レンズで、プロダクトラインは Art 、ミラーレス用としてはかなり大柄なレンズです。

 

今回発表された3本のレンズの中で、これまでのSIGMAの超高性能レンズの設計コンセプト(性能を第一義とした設計)を最も色濃く受け継いだレンズと思われます。

 

先日テストした 45mm F2.8 DG DN | Contemporary のコンパクトさと対局をなすレンズで、今までの一眼レフ用の Artシリーズの血統を、最も色濃く受け継ぐレンズと言えるでしょう。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 商品写真②

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art の操作性で先ず目を引くのは、絞りリングの採用です。

 

しかも、1/3段クリック、クリックはキャンセル可、と動画ユーザーまで含めた現在のトレンドをしっかり抑えており、個人的にもかなりうれしいです。

 

今後はこれがスタンダードになるといいなと思います。

 

>>> SIGMA(シグマ)35mm F1.2 DG DN|Art

 

実写レビュー

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例①
作例①:SONY a7RIII 1/1250 f1.2 ISO100 露出補正±0

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Artが、SIGMA初の開放f1.2のレンズという事には驚きました。

 

イメージとしては、もっと早い段階でf1.2のレンズをラインナップしていてもおかしくないメーカーな気がしますが、何か事情があったのでしょうか?

 

素晴らしく高性能なレンズを作り出す SIGMA ですが、取り組む必要が無い、と思えばきっぱりとやらない割り切りの良さもあるメーカーなので、なにがしかの事情があるのでしょう。

 

広角35mmとは言え、開放f1.2となると、素晴らしく大きなボケを楽しめます。背景のボケの中にうっすら残る撮影場所の雰囲気を楽しみながら撮影しました。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例②
作例②:SONY a7RIII 1/400 f1.2 ISO100 露出補正-0.3

 

ちょっとCDのジャケット風写真にしてみました。

 

時間帯が夕方だったせいで、全体的に暖かい色かぶりがあった事と、35mmというナチュラルな画角ながら開放f値は1.2で、写真らしい大きなボケが楽しめるレンズが、そんな気分にさせてくれたんだと思います。

 

SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art は、名前にArtと付くだけあって、ファインダーを覗いた瞬間から、アートな気分を盛り上げてくれるレンズです。

 

※一部画像処理(暗部を明るく調整)

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例③
作例③:SONY a7RIII 1/100 f1.2 ISO100 露出補正-1.7

 

路地裏に、あまり元気のないひ弱な感じのひまわりが。

 

ひまわりと言えば、山梨県の「明野」が有名で、広大なひまわり畑でダイナミックな写真が撮れるおススメの撮影地ですが、都会の路地裏にひっそりと、はかなく咲くひまわりも、それはそれで魅力的です。

 

背景を黒く落とし、黄色を引き立たせたかったので、露出補正を大きくマイナス側にして撮影しました。

 

花に合ったピントが葉にはもう合っていません。ちょっとしたスナップこそ、表現の幅が大きくなる大口径の単焦点レンズがその実力を遺憾なく発揮します。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例④
作例④:SONY a7RIII 1/40 f1.2 ISO125 露出補正±0

 

夏らしいさわやかな柄のスカートをはいた少女。

 

ではなくて、実はアパレルショップの店頭に飾ってあるマネキンです。

 

このカットは周辺光量の補正をOFFにして、撮影しましたが、SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art は、解放では周辺部に向かって自然に光量が落ちて、クラシックな写り方になります。

 

拡大して解像感を見てみます。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例④拡大

 

ここまで見事にカメラの解像力がレンズのそれに負けるのを見るのは久しぶりです。

 

糸の立体感が伝わるレベルは、ありえないレベルで、素晴らしい描写力だと思います。

 

今回、テストカメラはお馴染みのSONY a7RIIIを使用しましたが、 SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art のテストには既に発表されている6100万画素のモンスターカメラ「a7RIV」が相応しいようです。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例⑤
作例⑤:SONY a7RIII 1/50 f1.2 ISO100 露出補正±0

 

古いフォルクスワーゲンがとまっていました。つややかに光るボディから、オーナーの方がこの車を愛しているのが見て取れ、薄いベージュのクラシカルなカラーが、宵の口のやわらかな光に映えます。

 

シャープで抜けのいいレンズは、こういった硬質な物の質感描写も得意です。

 

SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art のシャープな描写が、車の丸みを帯びたボディの曲線を、美しく大きなボケが背景の暑い夏の情景を、それぞれ情緒たっぷりに切り取ってくれました。

 

勿論、解放f1.2の明るさのお陰で、この明るさでも感度ISO100で撮れている事も、高画質に寄与しています。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例⑥
作例⑥:SONY a7RIII 1/400 f1.2 ISO500 露出補正±0

 

まだ宵の口ですが、日曜日という事もあって、飲み屋街は大盛況です。

 

暑い中、外でキンキンに冷えたビールを飲むのは最高の気分でしょう。こっちはネクタイにワイシャツ、腕まくりして、暑い中、必死でシャッターを切っているというのにいい気なものです。

 

と、愚痴っても仕方がないので、テスト撮りを続けます。

 

SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art 作例⑦
作例⑦:SONY a7RIII 1/400 f1.2 ISO400 露出補正-0.3

 

ふと路地の谷間から空を見上げれば、宵闇迫る空が美しい青に染まり、汗だくでシャッターを切る私をあざ笑っているかのようでした。

 

「そんなに根詰めてファインダーを覗かなくても、世界はこんない綺麗だぜ!」

 

「空よ、お前は自分を美しいと思ってるかもしれないが、ファインダーを通した世界は、もっともっと綺麗だぜ!このレンズについている「Art」の称号は伊達じゃぁないんだぜ!」

 

と、負け惜しみ半分に言いつつ、汗だくの体を引きずりながら撤収しました。1時間ほどの撮影でしたが、今回もSIGMAの素晴らしいレンズのおかげで、撮影を堪能出来ました。

 

まとめ

一般的に、ショートフランジバックでレンズを設計出来るミラーレスカメラは、高性能なレンズを設計し易いと言われます。

 

もともと高性能なレンズを設計するメーカーが、より高性能なレンズを設計し易いショートフランジバックのレンズを設計すればこうなる、というわかりやすい結果が、テストにも現れました。ありえないレベルで高画質なレンズで素直に驚きました。

 

正直言って、SIGMA (シグマ) 35mm F1.2 DG DN | Art を初めて手にした時、ミラーレス用とは思えない大きさ重さのレンズに、多少辟易する部分がありました。

 

が、ファインダーを覗いて、実写データを見て、全てに納得しました。

 

なんだかSIGMAのレンズをテストすると、いつもこんな事を言っているような気がします(過去のSIGMA記事)。撮ればわかる。

 

>>> SIGMA(シグマ)35mm F1.2 DG DN|Art


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