低価格なマニュアルフォーカスの単焦点レンズ七工匠のレンズ7.5mm f2.8 fish-eye IIと35mm f1.2を実写レビューします。当店で扱い始めたミラーレスカメラ用レンズは、「7.5mm f2.8 fish-eye」「12mm f2.8」「25mm f1.8」「35mm f1.2」「35mm F2」「55mm f1.4」の6種類で、全てマニュアルフォーカスレンズとなっています。
目次
七工匠(しちこうしょう) 7.5mm f2.8 fish-eye IIと35mm f1.2
七工匠 7.5mm F2.8 Fish-eye II 実写レビュー
七工匠 35mm F1.2 実写レビュー
まとめ
安い=作りの悪いチープなレンズでは、写真を撮るモチベーションが上がりませんが、七工匠のレンズはそんなことはありません。
安いので、絞りのクリックが無いなど、省くべきものは省かれていますが、ヘリコイドの操作感や、絞りの動きはしっかりしていて、金属のクラシックな外観はオールドレンズのような親しみやすさがあります。高級感があると言えば嘘になりますが、安っぽくは無いと思います。
今回の実写テストではフィッシュアイレンズ「7.5mm f2.8 fish-eye」と、標準レンズ「35mm f1.2」の2本を、SONY α6400に装着して行いました。レンズの性能は価格に比例するのが常です。
この価格帯のレンズでは、性能の悪さを個性と捉えて、どこまで楽しめるかがカギになると思いますが、結果は想像以上でした。
シロツメクサを地面スレスレで撮影していたら、丁度自転車に乗った人が通過したので、シャッターを切りました。
最近接での撮影ですが、背景に動きのある被写体が入り込み、思わぬラッキーでした。超広角のフィッシュアイレンズならではのハプニングだったと思います。程よい周辺光量落ちがあり、予想どおりレトロな雰囲気の写り方です。
アマゾン川の奥地で撮影、スコールが降って来そうな雰囲気です・・・が、実際の撮影地は日本の多摩川です。フィッシュアイレンズは空を入れると、雄大な雰囲気が出ていいようです。
左下にかわいくゴーストが入りました。現代の日本のレンズで、この程度の逆光線でゴーストやフレアがハッキリと出ることはまずありません。本来レンズの良し悪しでは「悪い」とされてきた事を評価するのもなんですが、七工匠 期待どおりの写りです。
アマゾンの次は、サバンナの早朝、オアシスの中で撮影した雰囲気ですが、撮影地は日本の多摩川です。
久しぶりにフィッシュアイレンズを使いましたが、アングルを工夫するだけで、表現が大きく変化するので、色々考えながら撮るのが楽しいレンズでした。あまり高額だと困りますが、このくらいの価格だと、買いやすくて助かります。
拡大して解像感を見てみます。
f8程度まで絞った画ですが、思ったより細かく解像しており、この価格帯のレンズとしては期待値以上の写りでした。
パープルフリンジやゴーストは仕方ないとして、少し絞れば解像感はまあまあのようです。
広角レンズでは稀に、中心部と周辺部で色ズレが出てしまうことがありますが、今回のテストでは、そういったことはありませんでした。
SONYのピクチャーエフェクト「トイカメラ」をあてて撮影しました。レンズ単体でも周辺光量落ちはありますが、やはりエフェクトの方がわかりやすく表現できます。
作った写真を嫌がる向きもあるようですが、せっかくのデジタルですし、どんどん遊んでみるのも楽しいと思います。七工匠は、そんな肩の力を抜いて撮影したい気分にさせてくれるレンズです。
七工匠 35mm F1.2 は、さらに個性的なレンズです。AWBで撮っているのにカラーバランスが少し変わってしまうくらいレンズが個性を主張してきます。
念のため申し上げておきますが、ピクチャーエフェクトやピクチャープロファイルはOFFに設定してあります。ボケも非常に個性的で、良い悪いだけでは決められない、独特の雰囲気があります。
ボケの感じや、レンズの眠さを活かしたくて、露出は気持ちオーバー目にして撮るようにしました。
高性能で名高いSONYのデジタルカメラが、一変、急にフィルムライクなオールド雰囲気に変貌します。七工匠 35mm F1.2 は、オールドレンズのような楽しさのあるレンズです。
開放f1.2ですので、被写体との距離があってもボケを十分大きくとる事が出来ます。いわゆる「ぐるぐるボケ」と言うのでしょうか。ピントの合った中心に対して、周辺に同心円状のボケが見て取れます。
個人的には、露出を少しオーバー目にして、色を抜いてあげた方が、レンズの個性がより生きると感じました。七工匠は、そのあたりの付き合い方を考えながら撮るのも楽しいレンズです。
カメラを構える位置を調整して、ゴーストの出る位置を変えながら撮りました。最近の国産のレンズで、こんな虹色のゴーストが入るレンズがはたしてあるでしょうか?高性能なレンズの写りを見慣れてしまった目としては、とても新鮮です。
実は、ヘリコイドや絞りの操作感は悪くないので、面倒なマニュアルフォーカスでも使いやすい部分も見逃せません。
小川に散った花が大量に溜まっていました。どこかしらアジアな雰囲気に撮れました。七工匠 のレンズはどこか異国で撮った風な写りに感じました。
拡大して写りを確認してみます。
7.5mm F2.8 Fish-eye II と違い、開放での描写ですが、かなり眠いです。裏を返せば、柔らかく、優しい、クラシックな描写、という事ですので、レンズの個性を利用した、色々な使い道がありそうです。
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