SIGMA (シグマ) の大口径広角レンズ 28mm F1.4 DG HSM | Art の実写レビューです。
高性能と美しいボケ味で人気の SIGMA Art のフルサイズ用の明るい単焦点のシリーズも14mm f1.8、20mm f1.4、24mm f1.4、35mm f1.4、40mm f1.4、50mm f1.4、85mm f1.4、105mm f1.4、135mm f1.8、そして今回の28mm f1.4 が10本目のレンズとしてラインナップに加わり、シリーズとして完結をみた感があります
(200mm f1.8 とか出たら凄いですが!(笑))。
そのラストを飾る(?)であろうレンズ「SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art」をテストしました。
28mmというと、昔は広角レンズの定番で、コンパクトカメラにもよく採用されたレンズです。
最近では、24mmの明るいレンズに広角単焦点の人気を奪われ、存在感が薄くなってしまった感がありますが、無理のない自然な遠近感は使い易く今でもとても魅力的です。
高性能な SIGMA Art シリーズのレンズという事で、期待感が高まります。
SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art を、Canonのフルサイズミラーレス一眼 EOS R にマウントアダプター EF EOS R を装着して、ブラブラと公園を散歩しながらの撮影です。
SIGMAのレンズを使うなら、やはりブラブラしないと(笑)
解像感を見る為に少し拡大してみます。
池の向こうで若者たちが何かやっているのがわかります。どうやらダンスの練習のようです。
SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art の解像力は予想以上に素晴らしく、相当な大伸ばしにも難なく耐えられると思います。
Artシリーズは、高性能レンズの代名詞と言っていいシリーズでが、今回も期待は裏切られませんでした。
ボケ味は SIGMA のArt シリーズに共通する美しいものです。こういった事が、メーカーとしても、シリーズとしても、信頼感抜群なのも SIGMA のいいところです。
SIGMA のレンズばかりを使うユーザーがいるのも頷けます。
開放f1.4という事で、ボケをかなり大きくとって表現出来、私が写真に携わるようになった20年前の28mmレンズとは全く別の使い方が出来るようになったと感じます。
私のような古い人間には新鮮に感じます。
ベンチが3つ並んでいました。
向かって左のベンチだけが、他の2つから離れており、その上、少し外を向いているので、ちょっと拗ねているように見えるのは少々考え過ぎでしょうか?
画面の2/3をアウトフォーカスにして撮影しました。SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art の開放f1.4を活かした格好です。錯覚ですが、ベンチがミニチュアに見えます。
山梨県のフルーツ公園というところにある、丸いドームのような建物で、中は子供の遊具があり雨でも遊べるようになっているようです(フルーツ公園は、この後「ゆるキャン」というキャンプのアニメに登場してすっかり有名になりました)。
今回のテスト撮影はボディ内レンズ補正は全てOFFで行いました。若干周辺光量が落ちているのがわかります。
以前にも別のレンズのレビューで書きましたが、個人的にはデジタルカメラなら大きなデメリットも無く補正出来る周辺光量落ちは、むしろあった方が好きです。
この写真のように、画面に立体感をつけるなど、周辺光量落ちを表現に活かせる事があるからです。
まだ春にはだいぶ早いですが、日当たりのいい場所だったからか、梅の花が一輪だけ咲いていました。
広角レンズでも SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art の開放近接なら、f1.4の能力で背景をここまで大きく、美しくボカす事が可能です。
実はこのカット、拡大するとめしべにピントが合っていて、花びらにはピントがありません。カメラの高性能化とあいまって、広角レンズでもピントをラフには扱えない時代になりました。
SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art の解放f値はf1.4です。
せっかくの大口径レンズなので、暗い、条件の悪い時に使わないと意味が無いだろう!と、今回もキャンプに行って来ました。決してテスト撮影を言い訳に、妻に一人でキャンプに行く許可を取っているわけではありません。
風で焚火から火の粉が飛んだ瞬間にシャッターを切りました。
背景の夜景が大きくボケて綺麗です。レンズも素晴らしいですが、EOS R の色バランスの良さも光ります。
さて、そろそろお酒を飲む準備をして、テスト撮影は終わりにしたいと思います。
背景の夜景のボケを見ると、周辺部に向かって口径食が出ています。SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art は開放では周辺部に向かって口径食が起き、丸いはずのボケが少し半月型になってしまします。
夜景撮影を見込んで、フルサイズミラーレス一眼のEOS Rを使ったので、ミラーボックスケラレの無い自然な点光源のボケになりました(ミラーボックスケラレついてはこちらの記事を→Canon EOS R で EFレンズを使うと一眼レフより画質がUPする!?)。
それでは、カメラをしまって一杯やらせていただきます。
SIGMA (シグマ) 28mm F1.4 DG HSM | Art は、ボケ味も含めて、画質、性能的に不満の残る部分はほとんどありませんでした。大きく重いレンズですが、フルサイズ用の最近の SIGMA Art シリーズのレンズとしては、コンパクトな方だと思います。
28mmという画角は微妙で、個人的にはもう少し遠近感が誇張される24mmが好みですが、自然な描写をもとめるなら28mmの方がいいでしょう。このあたりは撮影者の「好み」だと思います。
最後のカットのような背景の賑やかさは、24mmでは表現出来なかったと思いますので、撮影時の条件にも大きく左右されます。撮れなかったら諦める潔さも必要でしょう。
それゆえ、チャンスは100%ものにしたい!そんな撮影者の思いに120%の能力で応えてくれる。SIGMA Artレンズはそんなシリーズだと思います。勿論 28mm F1.4 DG HSM | Art も期待を裏切らない素晴らしいレンズでした。
>>> SIGMA(シグマ)28mm F1.4 DG HSM | Art