フジヤカメラのブログ、2019年最初の記事は「Canon (キヤノン) RF28-70mm F2 L USM 」のレビューです。
超大口径、開放f2.0のミラーレス一眼カメラ「EOS R」用標準ズームレンズの、低照度下での優位性、ボケ味などをレポートしたいと思います。
ミラーレス一眼カメラの特徴である「ショートフランジバック」故に可能となったレンズ設計だと思いますが、ズーム全域でf2.0というスペックには少なからずインパクトがあります。
その大きさにも、インパクトがありますが・・・
テスト当日は、かなり冷え込み、綺麗にならされた畑の表面が、白い霜でおおわれていました。
「RF28-70mm F2 L USM」をテストボディの EOS R に装着し、ファインダーを覗いて最初に感じたのは、ボケが大きくて綺麗、という事です。
普段見慣れたf2.8の標準ズームレンズよりも、1絞り明るいだけですが、思いのほかボケの大きさに違いがあるのに先ず驚きました。
解像感を見る為に拡大してみます。
シャープな描写です。
かなり、高性能なズームレンズでも、開放ではいくらかは眠さが残るものですが、このレンズはそういった事は殆ど感じられません。まるで単焦点レンズで撮られたような、素晴らしくシャープな描写です。
しかし、さすがf2.0!ピントが薄いですね。
公園の水飲み場の水が凍っていました。氷は、寒さを伝えるのに持ってこいですし、美しく輝く様や、形のランダムさからも、とてもフォトジェニックな被写体です。
被写体との距離を自由に出来るシチュエーションでは、画角の調整をズームに頼る必要が無い為、ズームは不要な気がしてしまいます。
しかし、実際には焦点距離を変化させる事でパースをコントロール出来るので、表現のバリエーションを出せて大変便利です。
多摩モノレールの立川北駅です。2000年開業と、比較的新しモノレールである為、駅が近未来的なデザインでカッコいいです。特に夜間は人口光に包まれるので、より一層近未来感が高まります。
銀河〇道9〇9世代なので、未来的な駅舎にワクワクします。
明るいレンズのおかげで、ISOは1250に抑えられていながら、全体に光の回った、リッチで滑らかな表現が出来たと思います。
夜間のスナップ撮影でも、背景が大きく綺麗にボケるのは、大きな武器になります。
Canon RF28-70mm F2 L USM は柔らかく大きなボケで、絞るのが勿体なくなるくらい、開放での撮影が楽しいレンズでした。
上のカットから点光源のボケを見ると、画面周辺部で、若干の口径食が見られます。
雰囲気のいいバーを、歩道橋の上から狙いまいした。
RF28-70mm F2 L USM は、画角を変えられる単焦点レンズといった趣で、焦点距離を選んでからファインダーを覗いて画角の微調整をする事が多かったです。
画角よりは、遠近感の調整にズームを使う、というイメージですね。
露出をアンダーに、ピントは手前の木でピントを拾って前ピンにして、幻想的な雰囲気にしてみました。
被写体までの距離があっても、アウトフォーカスにした写真を撮れるのは、開放f2.0のレンズならではだと思います。
たまたまミュージシャンっぽい人が通ったのもラッキーでした。
工事現場を俯瞰して撮りました。
肉眼では、うっすらと景色が見えている程度の、かなり暗い条件下での撮影ですが、開放f2.0の明るさのお陰で、滑らかで、立体感に富んだ、リアルな描写が可能となりました。ISO感度は12800なので、f2.8だともっとノイズの多い画になってしまったと思います。
ついでと言ってはなんですが、拡大して EOS R の高感度性能を見てみたいと思います。
3,000万画素オーバーの高画素機ですので、ISO感度12800では、相応のノイズが発生しています。
しかし、ノイズが発生していながら、立体感やリアリティがあり、DIGIC8の処理し過ぎない上手さが感じられます。
これだけの悪条件下でありながら、クレーンのパイプの丸みがわかるのは、優秀な部類に入るのではないでしょうか。
モノレールが来た瞬間をパシャリ。
実はこのカット、よ~く見ると星が写っています。手持ちで、しかもズームレンズで、星が写せるようになりました。
凄い時代になったな、と思います。
今年もスタートからテストで巨大なレンズを持って歩かねばならず、少々憂鬱でしたが、いつもどおり「いいレンズは重い」という結論に終わりました。
Canon (キヤノン) RF28-70mm F2 L USM は、ズームレンズとは思えなシャープな描写、大きく柔らかいボケ味など「画角を変えられる単焦点レンズ」といったイメージで、使っていてとても楽しいレンズでした。
詭弁ですが28mm、35mm、50mm、85mm(70mm)の4本のレンズを持つよりは軽量で取り回しもいい、と言えなくもありません(笑)
使う前は、標準ズームレンズとして、広角側に24mmが無いのはどうなの?という疑問もありましたが、使い始めると、それが気になることは無く、撮れなければ撮らないで済ませました。思考が、単焦点レンズを使っている感覚になっていたのかもしれません。
今までであれば、少し無理のあるスペックで、描写が犠牲になったと思いますが、ショートフランジバックの恩恵か、非常に描写力の高いレンズだと感じました。ミラーレスカメラ用のレンズの可能性を感じるレンズでした。
>>> Canon(キヤノン)RF28-70mm F2 L USM