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2019.01.11
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Leica Camera (ライカ カメラ) NOCTILUX 50mm F1.2 実写レビュー

めったに入荷しないレンズが入荷しました。LEICAの「NOCTILUX 50mm F1.2」です。

 

Leica Camera (ライカ カメラ) NOCTILUX 50mm F1.2 レンズ前面

 

どんな写りなのか?めったに入荷しないレンズなので、中野駅周辺で実写してみました。

 

付属していた取説のコピーには「あるままの弱光下で写す非球面・超高速レンズ」とあります。

 

ISO51200といった、フィルム時代には考えられなかったような、高感度特性を持ったデジタルカメラが多数存在する中、「超高速レンズ」という言い回しに、時代の空気が感じられます。

 

Leica Camera (ライカ カメラ) NOCTILUX 50mm F1.2 取説

 

f1.4と1.2、わずか半段の露出の差が、撮れるかとれないかを分けた時代を感じつつ、文字通り「弱光下」の中野の夜を散歩しつつテスト撮影を行いました。

 

実写レビュー

Leica Camera (ライカ カメラ) NOCTILUX 50mm F1.2 作例①

 

かなり高額なレンズなので、ちょっと緊張しながらのテストです。

 

テストボディは常用最高感度51200のSONY α7III、マウントアダプターには焦点工房のヘリコイドリング付きアダプター「LM-SE M」を使用しました。

 

絞りは勿論全てのカットで開放f1.2を使いました。

 

SONY (ソニー) デジタル一眼カメラ α7S III 作例②

 

アダプターの接写機能を使って、本来レンズの持っている能力以上の接写撮影を行ってみました。

 

f1.2開放での撮影という事もあって、まるでソフトフォーカスレンズで撮ったような、柔らかい表現となりました。

 

本来この距離で撮影する事を念頭いおいて設計されていませんし、お世辞にもコンディションのいいレンズとは言えないので、これがこのレンズの性能ではないと思いますが、ピント部分もかなり柔らかく、オールドレンズらしい写りになっています。

 

SONY (ソニー) デジタル一眼カメラ α7S III 作例③

 

最新のデジタルカメラで撮影していますが、どこか古くさい、フィルムライクな写りになります。

 

古いレンズらしく、コントラストは低め、たる型の歪曲収差が顕著で、周辺光量の低下も認められます。

 

SONY (ソニー) デジタル一眼カメラ α7S III 作例④

 

中野駅周辺は、飲食店が多く、ちょうどにぎわい始める時間で、食べ物のいい匂いがあたりに漂って来ました。

 

もの凄く寒い日でもあり、どこかのバーにでも入って、カメラ片手に一杯やりた気分になりましたが、まだ勤務時間中だった為、がまんがまん。

 

車が買える値段のレンズです。うっかりレンズにウィスキーをかけてしまったりしたら、怒られるではすみませんからね!

 

SONY (ソニー) デジタル一眼カメラ α7S III 作例⑤

 

柔らかく美しい光の回り方をするレンズです。

 

最新鋭のシャープで高性能なレンズを見慣れた目には、逆に新鮮で、レンズの「性能」が数値だけでは表せない、奥深いものである事がわかります。

 

Mマウントのレンズという事で、近接に弱く、このくらいの撮影倍率でも、マウントアダプターのヘリコイドをわずかですが使いました。

 

SONY (ソニー) デジタル一眼カメラ α7S III 作例⑥

 

中野の昭和っぽい飲み屋街がさらに昭和っぽく!

 

中心に向かってなだらかに落ちる周辺光量が美しく、全体的にクラシックな写りになりました。

 

「超高速レンズ」の明るさと「ボディ内手振れ補正」という現代のテクノロジーのお陰で、手振れ無く撮影出来ました。

 

SONY (ソニー) デジタル一眼カメラ α7S III 作例⑦

 

若干の2線ボケが見られますが、以前テストした「NIKKOR 5cm f1.1(S用)」と比較すると、ピントの合った部分のシャープさは断然上で、10年程後のレンズとは言え、当時のLEICAの性能の高さがうかがえます。

 

まとめ

SONY (ソニー) デジタル一眼カメラ α7S III 作例⑧

 

LEICA NOCTILUX 50mm F1.2 は1966年発売という事なので、50年以上前のレンズという事になります。

 

写りは確かにオールドレンズのそれですが、思いのほか高性能で、当時のLEICAレンズの水準の高さが垣間見られました。

 

非常に高額なレンズで、目にする機会も少なく、滅多に出来ない貴重な経験が出来ました。


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