Voigtlander (フォクトレンダー) MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount の実写レビューです。
Voigtlander (フォクトレンダー) MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical E-mount の性能が、かなりヤバいので、このレンズにも期待している方が多いレンズだと思います。先に結論を言ってしまえば、
さらにヤバいレンズ
だと思います。勿論いい意味で、です!
高性能が予測されるレンズという事で、カメラはSONYの高画素機a7RIIIを使いました。
こういう自転車、最近はめっきり見なくなりました。
110mmという画角は、目で見た風景を一部分だけ集中して見ている感覚で使えて、構図も整理し易く、個人的には使い易いと感じました。
反面、引きの画を撮るのは困難であるため、1本だけだと少し物足りないかもしれません。出来れば35mmや50mmと言った標準レンズや、少し広角のレンズと組み合わせて使った方がいいと思います。
110mmは、同じ画角なら標準レンズよりも遠くから撮影出来る為、ステルス的なスナップ撮影に使うのもいいかもしれません。
お店のショーウィンドウに佇む猫にも、意識される事無く撮影出来ました。自然な表情です。ベロが出ています。
猫がカメラを意識すればですが・・・
冗談はさておき、被写体との距離を適度に取れて、自然な描写で撮れるのは便利に感じました。
Voigtlander (フォクトレンダー) MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount?は、マニュアルフォーカスのレンズです。
が、設計は最新で、Eマウント用の電気接点を持っているので、ピントリングの動きに連動して、ピントの拡大を行う機能に対応しています。使い勝手の面でこれは重要です。
このようなローアングルでのピント合わせも、ストレス無く正確なピント合わせをする事が出来ました。
お寺の境内に生えていたトクサです。
とても美しいボケのレンズだと思います。MFのレンズですし、レンズの性能が生で出るように今回はボディ内レンズ補正を全てOFFにして撮影しました。
絞り開放では、若干の周辺光量落ちが確認出来ます。
拡大して解像感を見てみたいと思います。
ヤバいレンズです!
先の写真からの拡大画像です。本当です。もの凄くシャープで立体感のある画です。
テスト機のa7RIIIの高性能もさることながら、このレンズはヤバいです。トクサの繊細な質感が余すことなく再現されており、カメラの性能が余すところなく100%出ていると思います。
Voigtlander (フォクトレンダー) MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount の高性能に脱帽です。
以前、テスト撮影中に、野良猫に睨まれた事がありましたが(SIGMA (シグマ) 105mm F1.4 DG HSM | Art レビュー 記事)、今回は竜の彫刻に睨まれました。
110mmという焦点距離は、被写体との距離を取らなければなりませんが、物の形が正確に再現されるのもいいところです。
極わずかに歪曲収差が出ています。気になる場合はボディ内レンズ補正をONにする選択もありでしょう。
紅葉のシーズンも終盤、紅葉が終わるとフジヤカメラのブログもテスト撮影の被写体に苦労する季節が到来します。
基本的にネイチャー系の写真が好きなので、植物が少ない冬の季節は、苦戦してしまいます。
こちらのカットはf3.2とわずかに絞って撮影していますが、周辺光量落ちはほぼ無いように見えます。半絞り絞っただけで、周辺光量落ちは改善するようですね。
新井薬師の屋根ですが、まさに甍の波といった趣です。
焦点距離が110mmあると、f2.5で被写体までの距離をある程度取っても思ったよりボケます。又、非常に高性能なカメラとレンズの組み合わせの為、極小さなピントのズレも映像に反映されてしまいます。
ピント合わせは、常に慎重にする必要があります。表現によっては少し絞り気味にして被写界深度をかせいだ方がいいかもしれません。
都会の空は狭いとか言いますが、上を見上げるといろいろ面白い風景が広がっています。
電線が上にあるのは日本くらいなもので、先進国の都市は地下埋設が普通だと聞いた事がありますが、空を覆う電線や、なんだか大量に設置されたエアコンの室外機など、写真を撮る身としては、ただ綺麗というだけでない風景が広がっていて面白く感じます。
都会の空(空というか上?)をスナップするには標準レンズはあまりにも短く、110mmは丁度いい頃合いだと感じました。
1時間半程のフォト散歩でしたが、その高性能さも含めて、様々な可能性を感じられるレンズでした。
Voigtlander (フォクトレンダー) MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount は、兎に角解像力が抜群に高く、非常にシャープで抜けのいいレンズだと思います。
大伸ばしのプリントを、至近距離で見ても、十分鑑賞に堪えられそうです。
上の写真を拡大してみます。
ピントが合った部分の、恐ろしいほどのシャープさに驚くとともに、わずか数センチ先にピントが来ていない事がわかります。
超高画素のa7RIIIと超高性能な Voigtlander (フォクトレンダー) MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5 E-mount との組み合わせ故のシビアさですが、カメラファンとしては、慎重に、慎重に、撮影して、ここまでの画を見せられた時の喜びもひとしおだと思います。
AFレンズでスピーディーに撮ったり、オールドレンズの味を楽しむのもいいですが、究極と言えるような超高性能なレンズを、時代遅れな機構と言える、マニュアルフォーカスで楽しむ、というギャップを楽しむのもいいものです。
そんなレンズ遊びの新たな提案を感じる、新鮮な感動を味わえるレンズでした。
>>> Voigtlander(フォクトレンダー)MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5