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2018.12.03
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FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 実写レビュー

FUJIFILM Xマウントの超広角ズームレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR のレビューです。

 

広角端の焦点距離8mmは、FUJIFILMのXマウントレンズの中で、現時点で最も広角なレンズという事になります。35mm判換算で12mmの画角をカバーし、尚且つ、明るさは開放f2.8通しという事で、かなり大柄なレンズとなっています。

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 本体

 

しかし、8mmからの超広角ズームレンズは、かなり迫力のある描写が望め、代えがたい魅力があります。

 

なかなか使う機会の無い、超広角域での撮影に、想像力を掻き立てられながらテスト撮りに出発です。

 

実写レビュー

星景写真

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例①
作例①:FUJIFILM X-T2 6S f2.8 ISO12800 露出補正-0.7 焦点距離13mm フィルムシュミレーション:PRO Neg.Std

 

8mmの画角と、開放f2.8の明るさを活かすと言ったら星景写真、という事で、今回も星の写真にトライしました。

 

残念ながらフィルター枠が無いレンズの為、ソフトフィルターが使用出来ず星が点に写ってしまい、今一つ賑やかさに欠ける写真になってしまいました。13群20枚という、非常に複雑で多くのレンズを使用している為か、右下隅にゴーストが入っています。

 

描写自体は非常にシャープで、多くの星を写し撮る事が出来たのに、少し残念です。

 

◆◆◆◆◆

 

個人的にはこのカットを撮影する際に使用したフィルムシュミレーション「PRO Neg.Std」とダイナミックレンジの設定を広く( DR400)とった事により、柔らかく表現された周囲の木々のイメージが好きです。

 

風景=Velvia だけでなく、対象に合わせて色々なフィルムシュミレーションを試すのもFUJIFILMのカメラを使う楽しみの一つです。

 

ちなみに、上のカットでは空を青く再現したいので、ホワイトバランスはタングステンに設定しています。

 

通常撮影

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例②
作例②:FUJIFILM X-T2 1/160 f2.8 ISO800 露出補正±0 焦点距離10mm フィルムシュミレーション:Velvia

 

日中は、森の中を散歩しながらテスト撮影をしました。

 

木に巻き付いたつる草から、2枚飛び出た葉が綺麗に紅葉していました。

 

画面の中を全て茶系の色だけで統一したかったので、それ以外の色はフレームアウトさせたかったのですが、ズームのお陰で微妙な画角を調整出来て便利です。

 

FUJIFILMのレンズは、ズームの動きも滑らかで、細かい画角調整をする際、扱い易く感じました。開放f2.8のお陰で、10mmという超広角でも近接なら周囲を大きくボカせるのもいいですね。

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例③
作例③:FUJIFILM X-T2 1/27 f16 ISO800 露出補正±0 焦点距離8mm フィルムシュミレーション:Velvia

 

ローアングルで、超広角の誇張された遠近感を活かして撮影しました。

 

太陽光の周りに、放射状の線が入るように(光芒)、絞って撮影しています(開放に近いと、放射線状の線が出ないで、丸くボケてしまう為)。XF8-16mmF2.8 R LM WRでは、f16まで絞ってハッキリと放射線状の線を引きました。

 

逆光線での撮影ですが、このカットでも若干ゴーストが発生してしまいました。このスペックでは致し方ないのかもしれません。

 

f16まで絞っているので、手前から背景までシャープに描写され、遠近感の誇張された、超広角レンズらしい写真になったと思います。

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例④
作例④:FUJIFILM X-T2 1/40 f2.8 ISO1600 露出補正-0.7 焦点距離13mm フィルムシュミレーション:Velvia

 

場所を変えて、夜間の撮影です。

 

透明なグラスの質感を、シャープでクリアに描写してくれました。

 

焦点距離13mm(35mm判換算約19mm)での超広角での撮影ですが、自然な描写です。

 

最短撮影距離は25cmで、やや物足りない感じがします。超広角は、被写体にかなり接近して撮りたいケースが多々あるので、もう少し近接に強いと良かったですね。

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例⑤
作例⑤:FUJIFILM X-T2 1/25 f5.6 ISO3200 露出補正-0.7 焦点距離10mm フィルムシュミレーション:Velvia

 

超広角レンズは、大きな建造物でも、画面に収める事が出来、又、遠近感が誇張されて面白く撮れます。

 

少し拡大して解像感を見てみます。

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例⑤拡大
作例⑤拡大

 

焦点距離約10mmでの撮影で、画面右下隅付近の画像です。

 

周辺部の拡大ですが、画像が流れる事も無く、ズームレンズである事をほとんど感じさせない、非常に良好な描写です。

 

広角レンズの設計は、ミラーレスカメラの方がバックフランジを実焦点距離に近く出来るので、一般的に有利だと言われますが、その通りだと思います。

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例⑥
作例⑥:FUJIFILM X-T2 1/20 f2.8 ISO1600 露出補正+0.7 焦点距離8mm フィルムシュミレーション:Velvia

 

クリスマスが近づいて来ました。

 

各地でイルミネーションで街が飾り付けられる時期は、写真を趣味にしていると、楽しい季節です。

 

反面、人気の撮影ポイントは人だかりが出来て、思ったようなアングルで撮影出来ない事もあります。このカットはイルミネーションに照らし出された紅葉した蔦の葉にスポットを当ててシャッターを切りました。

 

私はあまのじゃくなので、綺麗なイルミネーションよりも好きな写真が撮れました。

 

FUJIFILM (富士フイルム) フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR 作例⑦
作例⑦:FUJIFILM X-T2 1/8 f2.8 ISO3200 露出補正-0.3 焦点距離12mm フィルムシュミレーション:Velvia

 

白い木の幹が、暗闇に浮かび上がって、寒々とした冬の情景が写し撮れたと思います。

 

繊細な木々の枝が、シャープな固めの描写のレンズにより、一本一本微細に再現されており、温度を感じられる画になったんではないでしょうか。

 

手持ち撮影だった為、開放f2.8で撮影していますが、三脚があればもう少し絞って、さらにシャープに再現出来て良かったかもしれません。

 

まとめ

カメラが比較的小さいミラーレス一眼(今回のテストボディはX-T2)の為、初めはレンズがかなり大きく重く感じられました。しかし、フルサイズ一眼レフ用のf2.8の広角ズームは800g前後のものが多い中、フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR の805gはAPS-C用のレンズとは言え、「重い」とは言えないかもしれません。

 

なんと言っても8mm(35mm判換算約12mm)の超広角は、迫力ある写りが楽しめて、非常に魅力的です。

 

写りについては、若干ゴーストが出る頻度が高いような気がしますが、多くのレンズを使い(13群20枚:因みに高性能で名高いCanonの一眼レフ用のレンズ「EF16-35mm F2.8L III USM」でも11群16枚)、収差を補正した結果とも言えるので、致し方ないのかもしれません。

 

描写はシャープで、ズームレンズである事を忘れてしまいそうです。ミラーレス一眼カメラ用の広角レンズらしい、素晴らしい写りのレンズでした。

 

>>> 富士フイルム(フジフイルム)フジノンレンズ XF8-16mmF2.8 R LM WR


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