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2018.11.13
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SIGMA (シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 実写レビュー

SIGMA (シグマ) の、APS-Cカメラ(及びマイクロフォーサーズ用)の大口径中望遠レンズ「56mm F1.4 DC DN | Contemporary」のレビューです。

 

56mm F1.4 DC DN | Contemporary 本体写真

 

SIGMA (シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary は、DC(シグマではAPS-Cカメラ用を表す)タイプの開放f1.4のシリーズの、30mm F1.4 DC、16mm F1.4 DCに続いて、3本目のラインナップとなります。

 

中望遠レンズの画角となる、 56mm F1.4 DC DN | Contemporary の発売により、このシリーズも広角、標準、望遠と3本を使い分けて使えるようになりました。

 

大型になりがちな、大口径の望遠レンズですが、APS-Cカメラ用である事、設計しやすい56mmという焦点距離である事、歪曲収差を極端に補正せずカメラ内補正を利用している事、「Contemporary」タイプである事などの理由からか、非常にコンパクトなレンズになっています。

 

SIGMA (シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 30mmとの大きさ比較写真
30mm F1.4 DC DN | Contemporary と比較してもこの大きさ!

 

実写レビュー

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例①
作例①:SONY α6300 1/400 f1.4 ISO100 露出補正±0

 

まだ紅葉のピークには少し早いようですが、一部の木々は色づき始めています。

 

今年の紅葉は例年より少し遅れているようですが、レンズ発売日前後は都心部でも紅葉のピークになっていると思い、都会を少し離れた里山に紅葉の写真を撮りに行って来ました。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例②
作例②:SONY α6500 1/125 f1.4 ISO100 露出補正±0

 

テストボディはSONY a6300、6500を使用しました。

 

56mmはAPS-Cサイズのカメラに装着した場合、35mm換算で約84mmの中望遠レンズとなる為、被写体をアップにして切り抜いていく風景写真にはとてもマッチすると思います。

 

開放f値は1.4と明るく、背景を大きくボカせるので、余計なものをアウトフォーカスに出来てしまうのも便利です。美しい里山で撮影しているようで、実は後ろは人通りの多いバス通りだったりして・・・(笑)

 

背景を魅せる為には、レンズの美しいボケ味は不可欠です。56mm F1.4 DC DN | Contemporary は既に「プチボケマスター」の二つ名がついているだけあって、とろけるような素晴らしく美しいボケ方です。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例①拡大
作例①拡大

 

上のカットは実写テストの1枚目の写真の拡大になります。

 

言うまでもなく素晴らしい描写です。紅葉した葉の細かい濃淡の変化を正確に描写出来ているのはさすがです。

 

Contemporaryのシリーズを一段低く見るむきもあるようですが、少なくともこの「F1.4 DC DN | Contemporary」のシリーズ3本は描写力もArt並みです。

 

違いは歪曲収差の補正を、ボディ内補正に任せている点くらいでしょうか。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例③
作例③:SONY α6300 1/320 f1.4 ISO100 露出補正-0.7

 

既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、開放ではレンズ周辺に向かってレモン型の口径食が若干発生しています。コンパクトな設計にしたデメリットが出ているのかもしれません。

 

綺麗なレモン型の口径食は、被写体によっては画面上に同心円状のグルグルしたイメージをつくり出す事が出来ます。

 

上の写真は、口径食が出る事をわかった上で、同心円にあわせて紅葉の枝を配置してみました。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例④
作例④:SONY α6500 1/30 f1.4 ISO10000 露出補正±0

 

せっかくの開放f1.4なので、趣味のキャンプ中に星景写真にトライしました。

 

さすが開放f1.4!思った以上に沢山の星が写っていてビックリしました。

 

失敗続きで星景写真つまらん!と思っていたところだったのでちょっと嬉しくなりました。今回は星景写真によく使われるKenkoのプロソフトンフィルターを使ったのも良かったです。

 

手前に、邪魔な枝が写り込んでいる事に、撮影時には全く気付かなかったのが残念です。

 

作例④拡大

 

拡大すると、こんなに沢山星が写っています。

 

肉眼で見るよりもずっと暗い星まで撮影出来ており、凄いです。

 

フィルターのおかげで明るい星がにじみ、大きく再現されているのも成功でした。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例⑤
作例⑤:SONY α6300 2.5秒 f1.4 ISO100 露出補正±0

 

夜景も、f1.4の明るさのおかげでリッチに撮れます。

 

空を青く再現したかった為、ホワイトバランスはタングステンを選択しています。

 

オートか定常光を選んだ方が、ネオンのカラフルな感じは伝わりやすかったかもしれません。星景・夜景はまだまだ研究の余地がありますね。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例⑥
作例⑥:SONY α6500 1/200 f1.4 ISO100 露出補正+0.3

 

キャンプの朝、逆光に照らされた若葉を撮影しました。

 

木々の間を通り抜けて来た朝の光は強烈で、ゴーストやフレアが発生してもおかしくない状況ですが、56mm F1.4 DC DN | Contemporary はゴーストの発生も無く、さわやかな朝の明るい雰囲気を写し取る事が出来ました。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例⑦
作例⑦:SONY α6500 1/2500 f2.8 ISO100 露出補正+0.7

 

前夜に雨が降ったのか、朝露なのか、草原の草に一面、小さな水玉がびっしりついていました。

 

圧縮効果が働く望遠レンズは、こういった奥行きのある被写体も、見た目以上に賑やかに写し取ってくれるので便利です。

 

少し拡大してみましょう。

 

作例⑦拡大

 

小さな水玉一つ一つまで写し取られておりシャープです。

 

レンズによっては、フレアの影響で眠くなってしまう事もあるシチュエーションですが、細部に至るまでシャープに描写されていて綺麗です。

 

SIGMA(シグマ) 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 作例⑧
作例⑧:SONY α6300 1/4000 f1.4 ISO100 露出補正±0

 

ステンレス製の京王線の車両です。

 

開放f1.4、オーバー気味の露出で狙いました。素晴らしいボケ味で、ステンレスの滑らかな車両を再現出来ました。

 

SONYのAPS-Cサイズセンサーを使っていたら、間違いなくこのレンズは買いだと思います!

 

まとめ

SONYの α6000、α6300、α6500のユーザーなどSONY APS-Cサイズカメラのユーザーなら、写真、動画いずれの用途でも、是非持つべきレンズだと思います。大きさ重さ、描写性能、価格、いずれも非常に高いレベルにあり、欠点も少なく、持っていてきっと損はありません。かなりおススメのレンズです。

 

実は今回、キャンプ中に写真の撮影以外にも、16mm?F1.4 DC DN | Contemporary と併せて動画の撮影も併せて行いました。

 

引きと寄りで表現される事の多い動画の世界では、引き16mm F1.4、寄り56mm F1.4で使い分けての撮影は効率も良く便利です。開放f1.4の明るさのおかげで、背景を大きくボカせ、尚且つ夜間の低照度下でも大きな画質劣化を招かずに撮影が出来るのも良かったです。

 

高額なフルサイズ機での撮影に予算を割かずに、APS-C機でクォリティの高い映像を撮りたい動画カメラマンにもかなりおススメです。

 

性能はいいが、高額で大きく重いレンズが多い中、コンパクトで非常にコストパフォーマンスが高いレンズだと思います。レンズ設計の、今後のトレンドになればいいな、と感じました。

 

>>> SIGMA(シグマ)56mm F1.4 DC DN | Contemporary


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