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2018.10.12
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SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 実写レビュー

SIGMAの超望遠ズームレンズ SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports の実写レビューです。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 本体

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports は、高性能で定評のあった「APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM」の後継機種という位置づけのレンズです。

 

「Sportsタイプ」となり、外観も高級感のある仕上げとなりました。焦点距離はワイド側は10mm、テレ側は100mm、望遠側にシフトしており、最近の望遠ズームのトレンドどおり望遠側600mmまでを達成しています。

 

重量は約2,700gとヘビー級のレンズとなりましたが、60-600mmの焦点距離とSIGMAらしい画質へのこだわりを考えれば致し方ないところだと思います。

 

手振れ補正について

毎回、テスト撮影の被写体を何にするかで頭を悩ませますが、今回は草原で風景と虫を撮る事にしました。

 

ほぼ標準の60mmから使えて、風景写真にも十分対応出来る上、最大撮影倍率「1:3.3(200mm時)」と比較的マクロに強い、というのがその理由です。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例①
作例①:Canon EOS5D MarkIV 1/640 f6.3 ISO400 露出補正±0 焦点距離600mm

 

ファインダーを覗いて先ず驚くのは、ファインダー内で画像がかなり安定している事です。これは強力な手振れ補正のおかげですが、以前のシグマの超望遠レンズよりも、ファインダー内画像が安定している印象で、非常にありがたく感じました。

 

テストカメラはCanon EOS5D Mark IV、レンズと併せて約3.5kgの重量はさすがに重く、少し無理な体制でフレーミングしようと思うと、頑張って踏ん張らなくてはなりません。

 

そんな無理な体制での撮影でも、強力な手振れ補正は、手振れだけでなく、安定したフレーミングにも大いに貢献してくれました。

 

実写レビュー(風景)

レンズに慣れる為に、まずは風景から撮影をスタートしました。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例②
作例②:Canon EOS5D MarkIV 1/320 f11 ISO100 露出補正-1.0 焦点距離295mm

 

秋らしく、ススキの穂が風になびいていました。

 

輝くススキの穂を、黒バックで引き立てたかったので、背景が日陰になるようにアングルを選びます。

 

こんな時、ガタガタゆれる不安定な画像を見ながらだと、フレーミングが大変ですが、強力な手振れ補正のお陰で、ストレス無く撮影出来ました。

 

少し拡大してみます。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例②拡大
作例②拡大

 

少し絞ったf11の描写ですが、非常に良好だと思います。

 

とても抜けが良く、逆光線でのフレアの発生も良好に抑えられており、細かい毛まで良好に描写されています。

 

これで10倍の望遠ズームというのだから驚きです。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例③
作例③:Canon EOS5D MarkIV 1/500 f6.3 ISO640 露出補正±0 焦点距離600mm

 

今回のロケーションは比較的標高の高い場所でしたが、紅葉というにはまだ少し早かったようです。

 

このカットは600mmの望遠側で撮影しましたが、大気の影響で少し眠い写真になってしまう為、コントラストを上げる為に少し画像処理をかけてあります。

 

600mmの様な超望遠での遠景の撮影では、コントラストを上げる必要がある事が多いと思います。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例④
作例④:Canon EOS5D MarkIV 1/160 f6.3 ISO200 露出補正+2.7 焦点距離179mm

 

先のカットとは逆に、白バックで明るい感じにススキの穂を撮影してみます。

 

下からしゃがんで不安定な姿勢でカメラを構えますが、こんな時でも安定した画面で落ち着いてフレーミング出来ます。

 

本来扱いの難しい超望遠レンズですが、手振れ補正のおかげで、快適に撮影出来ました。

 

実写レビュー(昆虫)

レンズに慣れて来たところで、動く昆虫(といっても撮影は止まっているところですが(笑))の撮影にチャレンジしてみます。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例⑤
作例⑤:Canon EOS5D MarkIV 1/640 f7.1 ISO125 露出補正+0.3 焦点距離600mm

 

草原にはたくさんの赤とんぼが飛んでいました。

 

すぐに飛んでしまう赤とんぼの撮影は逃げられないように緊張しますが、600mmの望遠が使えるので、トンボを刺激しない様に距離を取って撮影できて便利です。

 

f7.1と、ほぼ開放で撮影していますが、600mmだとボケも大きく、背景を整理する事が出来ます。まるで、至近距離でマクロレンズを使って撮影しているようです。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例⑥
作例⑥:Canon EOS5D MarkIV 1/500 f11 ISO2000 露出補正+0.3 焦点距離600mm

 

小さなチョウを狙いました。

 

チョウがネコジャラシにとまった瞬間、慌ててピントを合わせフレーミングして撮影しています。60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sportsは、AFも高速なのでなんとか撮影することに成功。

 

本当はもう一歩近づきたかったのですが、次の瞬間には逃げられてしまいました。

 

前後のボケも良好で綺麗な描写です。解像感を見る為に少し拡大してみます。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例⑥拡大
作例⑥拡大

 

ネコジャラシの毛の一本一本や、チョウの羽根の鱗粉の質感などが細かく描写されていてシャープです。

 

前のタイプも好描写でしたが、Sportsタイプになって、また一段レベルアップしたようです。

 

SIGMA (シグマ) 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports 作例⑦
作例⑦:Canon EOS5D MarkIV 1/200 f16 ISO2500 露出補正-0.7 焦点距離214mm

 

同じくチョウの写真ですが、先ほどのチョウより落ち着いていた為、最も撮影倍率が高くなる200mm付近で撮影しました。

 

レンズの性能的にはまだまだ近寄れますが、この辺りが限界で、撮影後逃げられてしまいました。このレンズで近接撮影をする場合、被写体との距離がとれる600mmがある事は大きな武器となります。

 

撮影倍率の大小よりも、遠くから撮れる事に大きなメリットを感じました。

 

まとめ

小さく、動く被写体の撮影は大変ですが、60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports はAFも高速で、手振れ補正が強力に画面を安定させてくれるので、快適に撮影が進められました。もう少し軽ければ言う事無しなのですが、この辺りは仕方ないですね。

 

何とはなしに選んだ風景と昆虫という被写体もピシャリとはまり、とても楽しい撮影となりました。

 

特に昆虫は600mmまでの望遠がある事、状況によっては200mmで1:3.3の望遠マクロ撮影が可能だという事、なにより10倍のズームレンズだという事で、とても使い易いと感じました。

 

被写体との距離感を撮影者側でコントロールしなければならないフィールドでの昆虫写真では、ズーム比の高い望遠ズームは心強い味方となってくれると思います。

 

併せて、手振れだけでなく、フレーミング時の安定した画面を約束してくれる強力な手振れ補正、高速なオートフォーカスもフィールドでは威力を発揮してくれるでしょう。

 

「Sports」タイプに相応しい、シャッターチャンスに強いレンズだと感じました。

 

>>> SIGMA(シグマ)60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports


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