Voigtlander (フォクトレンダー)のEマウント用レンズ COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical? のレビューです。
コンパクトなマニュアルフォーカスの超広角レンズを、実写テストを中心に、操作感や性能についてみてみたいと思います。
「COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical E-mount」はマニュアルフォーカス専用レンズです。
AFの機構を組み込む必要が無い為、ヘリコイドの動きは抵抗感のある非常に操作し易いものです。
超広角の21mmとは言え、最近のカメラは非常に性能がいい為、ほんの少しのピントのズレも画像に反映してしまいます。しっかりした抵抗のあるフォーカスリングの操作感は、微妙なピント移動もやり易く、MFレンズを使っている楽しさを味わえます。
又「COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical E-mount」は電気接点を持っているレンズの為、フォーカスリングの動きに連動して、拡大表示にする機能も純正レンズ同様に使えて便利です。
テストは今でも里山の風景が楽しめる小田急多摩線の「はるひ野」周辺で行いました。
お隣の黒川駅は同じレンズメーカーの「SIGMA」が本社を構える黒川駅になります。SIGMAのレンズのテストなら黒川駅周辺でおこなったのですが、今回はフォクトレンダーのレンズという事で、黒川駅で撮影するのは避け(笑)、お隣のはるひ野駅で下車しました。
鉄塔と花。
超広角レンズなので、背景を大きく入れる事が出来ます。
背景に何があるかわかるようにほんの少しだけ絞って撮影しました。開放f値はf3.5ですが、近接ではそこそこボケるので、多少絞ったほうが、背景の情景が伝わり易い事もあります。
はるひ野駅周辺には、鉄塔や電波塔、ガスタンクなどの巨大な建造物が数多くあります。
間近で撮影したいのですが、柵に囲まれて中には入れません。策の隙間から撮影しました。
少し拡大してみます。
テスト機はSONYのα7RIIIです。
4240万画素のカメラですので、かなりの拡大になりますが、質感も出て良好な描写だと思います。グレーのトーンもよく出ています。
開放f3.5で、ここまで描写出来るのはなかなかのものです。
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しかし、しばらく使って気づいた事なのですが、近接側では少し描写が甘くなる傾向があるようです。1枚目の写真のピント部分を拡大して見てみると・・・
遠景側よりも少し描写が甘いようです。
又、近接時の少し流れるような特徴的なボケ方は、個人的には好みではありません。
尾根伝いの遊歩道を歩くと、多摩ニュータウンの風景を見渡せ、緑と住宅が調和した、美しい景観が広がります。
今回のテスト撮影は、小田急線沿線の散歩コースをガイドしたスマホ用のアプリ「小田急散歩」のはるひ野駅~黒川駅コースを歩きながら行いました。
約6kmのコースですが、写真を撮りながら歩くと思った以上に時間がかかり、2時間半ほどで全てを歩ききる事が出来ませんでした。
途中の天王森公園、八坂神社の狛犬です。
21mmは背景の入り方が適度で、被写体と背景を二元的に表現出来るのがいいところだと思っています。
例えば、野良猫を被写体に、背景にその場の情景を写し込むような写真を撮りたいと思っていたのですが、残念ながら行程中に野良猫に出会う事はありませんでした。
コース中ほどにある大きな公園「若葉台公園」にある池です。上谷戸川の最上流部にあたります。
黒い池に、夕空が反射してちょっとモネの池っぽいかも?・・・そうでもないですね(笑)
写真を撮るのに夢中になっているとあっという間に時間が経ってしまいます。もう夕方です。
カメラを構えてピントを合わせる必要があるマニュアルフォーカスのレンズは、写真を撮るプロセスを楽しめます。その分時間もかかりますが、写真は趣味なので、それもまた醍醐味でしょう。
上の写真を見ると、わずかですが周辺光量が低下しています。
こんな、ちいさな欠点があるのもCOLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Asphericalの個性、写真らしさ、と言えるかもしれません。
そろそろシーズン終盤を迎えた曼殊沙華の花と夕日です。
背景の雰囲気を自然に残せました。
被写体と背景という2つのドラマを写しとめるのに、21mmという画角がとても使い易く感じました。
クラシックでありながらカメラに馴染むデザインは、滑らかなフォーカスの動き、絞りリングのクリックなど、品物としても素晴らしい出来栄えです。
フォーカスの動きも滑らかで使い良く、見た目や作りも良好、落ち着いてゆっくり写真を撮る事を楽しむレンズだと感じました。
>>> Voigtlander(フォクトレンダー)COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical