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2018.02.13
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Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー

多くの写真家から、その優れたカラーバランスで支持を得ているFUJIFILMのXシリーズカメラですが、選択肢が少ない、という事もあり、非純正のレンズを使用してご利用になる方は多くはないように感じます。

 

以前であれば、「非純正レンズ=メーカー純正より安い」というイメージだったと思うのですが、ここ数年はむしろ「非純正=メーカー純正より優れたスペック」ないしは「=メーカー純正より高性能」といったイメージに変化してきたと思います。

 

そんな「非純正=メーカー純正より高性能」というイメージの最高峰はやはり「Zeiss」だと思います。

 

Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー 写真①

 

ZeissのAPS-Cサイズミラーレスカメラ用のレンズラインナップ「Touit」にはFUJIFILM用のレンズが3本ラインナップされています。

 

「Touit 2.8/12」「Touit 1.8/32」「Touit 2.8/50M」の3本です。

 

この中から今回は「Touit 1.8/32」を純正レンズ「FUJIFILM XF35mmF1.4 R」と比較してみました。

 

「FUJIFILM XF35mmF1.4 R」はXマウントのレンズを代表するレンズです。超高性能を誇る「Carl Zeiss」のレンズとは言え、その差は大きくないのでは?しかし・・・この予測は間違いでした。

 

 

当ブログでも何本かのCarl Zeissのレンズをレビューしましたが、いずれも高性能で、その写りの良さには目を見張るものがありました。

 

特に最新モデルのシリーズである「Otus」「Milvus」「Batis」「Loxia」そして今回とりあげる「Touit」のシリーズは高画素のデジタルカメラを意識した、非常にシャープな高解像度なレンズでした。

 

又、ボケ味や全体の雰囲気も、立体的で空気感のある、数字だけでは測れない魅力に溢れています。

背景ボケ

Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー 写真③
FUJIFILM X-T2 1/250 f1.8 ISO200 露出補正±0
 

上の写真はZeissのTouit 32mm f1.8で撮影しました。柔らかいボケ味で、ミラーレス用のレンズでもZeissの良さは健在です。とても芸術点の高いレンズだと思います。

 

Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー 写真④
FUJIFILM X-T2 1/250 f1.8 ISO200 露出補正±0

 

コチラはFUJIFILM XF35mmF1.4 Rで撮影した写真です。f値を同じにするべきだと考え半絞り絞って撮影しました。

 

ボケの美しさではFUJIFILMも負けていません!素直という意味ではFUJIFILMの方が素直かもしれません。しかし、こうして比べてみるとボケの具合で写真の印象が結構変わって見えるものですね!

 

以前カメラマンの先生に、Zeissのレンズは「アウトフォーカスの部分も、なんとなく何が写っているのかわかる」と言われたことがあるのですが、その言葉に改めて頷いてしまいました。

 

※Zeiss Touit 32mm f1.8の方が32mmと若干焦点距離が短い為、少し画角は広く、ボケはわずかに小さくなっています。

 

解像感

Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー 写真⑤

 

ピント部分を拡大してみました。ピント部分は非常にシャープで高コントラストです。芸術点のみならず、技術点も高い「Carl Zeiss」に死角なし!です。

 

Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー 写真⑥

 

こちらはFUJIFILM XF35mmF1.4 Rです。Zeissに比べると解像力、コントラストともに劣っています。だいぶ柔らかい描写で、Zeissなら古いPlanar 50mm f1.4のレンズのようです。

 

技術点では「Carl Zeiss?Touit 1.8/32」に軍配が上がったようです。

 

絞り値による描写力の変化

レンズは絞る事で解像感が増したり、コントラストが高くなったりするケースが多いです。以下に絞りによる描写力の変化を見てみたいと思います。

 

Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー 写真⑦

 

はじめに「Carl Zeiss?Touit 1.8/32」の絞り値による描写力の変化です。上から解放→f2.8→f5.6です。

 

上から下まで描写力の変化はほとんどありません。開放からレンズ非常に高い描写力が出ており、レンズ性能が高いレベルにある事の表れでもあります。

 

Carl Zeiss Touit 1.8/32 Xマウントの標準レンズをレビュー 写真⑧

 

次に「FUJIFILM XF35mmF1.4 R」です。同様に上からf1.8→f2.8→f5.6で撮影。

 

開放とf2.8に絞った時で明らかに描写力に差が出ています。開放は明らかにやや眠い描写で、2絞り絞って、f2.8まで来るとグッとシャープに描写が立ち上がって来ます。1絞り半絞って「Carl Zeiss?Touit 1.8/32」に肉薄するレベルです。

 

開放は柔らかい描写、ちょっと絞るとグッとシャープに一粒で2度美味しいレンズと言えるかもしれません。

 

まとめ

以上のように、同じXマウントの標準レンズでも、それぞれに個性があり面白い結果となりました。

 

又、度々のレビューで書いているとおり「Carl Zeiss」レンズの描写性能の高さが今回も証明されるかっこうになりました。

 

現時点(2018.2.13)でFUJIFILM XF35mmF1.4 RとCarl Zeiss Touit 1.8/32の新品の価格差はほとんどありません。高額なレンズの多いZeissの中では、純正とそれ程の価格差無く買える、お買い得なレンズと言えると思います。

 

>>> ZEISS(ツァイス)Touit 1.8/32 X-mount


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