OM SYSTEM OM-1 Mark IIの特徴
手ぶれ補正が8.5段に進化
バッファメモリの強化
AI被写体認識の進化
ライブGNDの追加
OM SYSTEM OM-1 との比較
倍以上の連続撮影枚数
より進化した手ブレ補正
ライブND・ライブGND
Panasonic G9 ProIIとの比較
SONY α6700との比較
OM SYSTEM OM-1 Mark IIをおすすめしたいユーザー、使い方、ウイークポイント
マイクロフォーサーズであるためコンパクトなシステム
動画性能がデメリット
静止画をとことん楽しむユーザーにオススメ
まとめ
OM SYSTEM OM-1 Mark IIには最大8.5段のボディ内手ぶれ補正が搭載されていて、これは世界最高クラスの性能を達成しています。
これにより手持ち10秒での撮影が可能になり、手持ち撮影での星景写真なども可能に。
また、マイクロフォーサーズでは超望遠レンズのラインナップも多いため重要なポイントになりそうです。
OM SYSTEM OM-1 Mark IIでは大きくバッファメモリの強化がされました。
バッファメモリの強化によって連続撮影コマ数はもちろん、プロキャプチャーモードでの最大コマ数も増加しより多くの連写が可能になります。
例えば野鳥撮影ではより細かい羽のタイミングのセレクトが可能になる他、プロキャプチャーモードでの鳥が飛び立った後より多くの時間の記録が可能になりました。
OM SYSTEM OM-1 Mark IIではAI被写体認識も進化しました。
被写体認識能力と合焦率が向上そして、フォーミュラーカー・バイク、飛行機・ヘリコプター、鉄道、鳥・動物 (犬、猫)に加えて新たに人物の検出が可能になり、横向きや後ろ向き、目や口が隠れていてもオートフォーカスが働くよう認識能力が向上しています。
人物の検出によって、陸上競技やバスケットボールなどのスポーツでのより高精度・高速なAFが可能になり使用できるフィールドが更に増えそうです。
ライブNDに加えて新たに、ライブグラデーションND(以降ライブGND)に機能が追加されました。
複数枚の画像を合成し、擬似的に露光秒数を伸ばし高輝度下でもスローシャッター効果を再現できるライブND機能が進化し、被写体の明暗差が激しい場合に効果的なライブGNDが新たに搭載されます。
一般的にグラデーションND(ハーフND)は角型フィルターの上部がNDそこから、下部に行くに連れて透明になっていくフィルターです。
角型フィルターは高価であり、サイズも大きく、落とした際に割ってしまうリスクがあります。
そこでライブGND機能を使用することでカメラ内部でグラデーションND使用時と同等の写真を撮影することが出来ます。
※ライブGND機能はフィルターの濃さ、位置や角度の調整が可能
OM SYSTEM OM-1 Mark IIとOM SYSTEM OM-1の最も異なる点は連続撮影枚数です。
OM-1 MarkⅡはバッファメモリの強化によって大幅に撮影枚数が向上しました。
OM-1よりもより多くの瞬間や時間を連写する事ができるようになるため、野鳥撮影などで今ままで撮影することが出来なかった瞬間ができそうです。
また、連写だけでなくプロキャプチャーモードのコマ数も強化されているので、より長い時間記録できるようになりました。
OM SYSTEM OM-1 Mark II |
OM SYSTEM OM-1 |
|
最大撮影コマ |
[JPEG LF] 約219枚 |
[JPEG LF] 約94枚 |
プロキャプチャモード |
最大99コマ |
最大70コマ |
OM SYSTEM OM-1 Mark IIではOM SYSTEM OM-1を上回る、最大8.5段のボディ内手ぶれ補正(CIPA準拠)が搭載になっています。
OM-1では手持ち4秒の撮影が、OM-1 Mark2では10秒で星景まで撮影可能になりました。
強化された手ぶれ補正によって感度を抑えた撮影や、超望遠時の歩留まりの向上が見込めるなど、多くのメリットとなります。
OM SYSTEM OM-1 Mark II |
OM SYSTEM OM-1 |
|
手ぶれ補正(最大) |
8.5段(5軸手ぶれ補正) |
7.0段(5軸手ぶれ補正) |
OM-1 MarkⅡにはOM-1よりも1段分多いND128まで対応したライブNDと、グラデーションNDを使用した際と同じ効果が得られるライブGNDを搭載しています。
ライブNDとは1段分減光が可能になる事によって、より多くの表現が可能となります。
また、新機能としてOM-1には無かったライブGNDの機能の追加が行われています。
これにより荷物の軽量化・フィルターを落として割ってしまうリスクなどから解放されそうです。
OM SYSTEM OM-1 Mark II |
OM SYSTEM OM-1 |
|
ライブND |
ND2-128 |
ND2-64 |
ライブGND |
ND2-8 |
- |
Panasonic G9 ProIIは2023年10月発売のOM SYSTEM OM-1 Mark IIと同じマイクロフォーサーズのカメラです。
画素数はOM-1 MarkⅡよりも多い約2520万画素のセンサーを採用していますが、AF測距点やAI被写体認識、AE・AF固定時の連写速度、ボディ内手ぶれ補正などの静止画撮影ではOM-1 MarkⅡに軍配が上がります。
しかし、G9ProIIは静止画だけでなく「Apple ProRes 422 HQ 」の内部記録が可能など動画性能も高いためマルチに使用したい場合にはG9ProIIがおすすめです。
OM-1 MarkⅡはG9ProIIよりも一回り小さいボディサイズのため、普段のスナップから本格的な野鳥撮影などフィールドを選ばずに使用できるので静止画面で使用する場合にはOM SYSTEM OM-1 Mark IIをおすすめします。
OM SYSTEM OM-1 Mark II |
Panasonic G9 ProII |
|
有効画素数 |
約2037万画素 |
約2520万画素 |
手ぶれ補正(最大) |
8.5段(5軸手ブレ補正) |
8.0段(5軸手ブレ補正) |
AF測距点数 |
1053点 オールクロス像面位相差 |
779点(像面位相差AF) |
AI被写体認識 |
人物、車、オートバイ / 飛行機、ヘリコプター / 電車、汽車 / 鳥 / 動物 (犬、猫) |
人物、車、バイク、動物(鳥・イヌ科・ネコ科) |
最高連写速度(AE・AF固定時) |
約120コマ/秒 |
約75コマ/秒 |
プロキャプチャ(プリ連写) |
最大99コマ |
最大113コマ |
動画記録方式 |
MOV(MPEG-4AVC/H.264,) |
MOV(H.264 / MPEG-4 AVC、H.265 / HEVC、Apple ProRes) |
サイズ |
約134.8mm(W)×91.6mm(H)×72.7mm(D) |
約134.3mm(W)×102.3mm(H)×90.1mm(D) |
SONY α6700はAPS-C機ですが、OM SYSTEM OM-1 Mark IIが打倒APS-Cを掲げている為比較します。
手ぶれ補正、AF測距点数、連写性能には圧倒的な差でOM SYSTEM OM-1 Mark IIに分がありますが、AF性能では上位機種であるα7RVと同じ高度な次世代被写体認識を搭載しているα6700に分があるかもしれません。
また、OM SYSTEM OM-1 Mark IIはマイクロフォーサーズのため、APS-C機であるα6700よりもトータルのセットとして小さくまとめることが出来ます。
しかし、α6700はSONYの様々な「動画専用機」の性能を受け継いでいるため、動画も写真もというユーザーにはα6700を、写真のみでという場合にはOM SYSTEM OM-1 Mark IIをおすすめします。
OM-1 MarkⅡ |
SONY α6700 |
|
有効画素数 |
約2037万画素 |
約2600万画素 |
手ぶれ補正(最大) |
8.5段(5軸手ブレ補正) |
5.0段 |
AF測距点数 |
1053点 オールクロス像面位相差 |
最大759点 (像面位相差AF) |
AI被写体認識 |
人物、車、オートバイ / 飛行機、ヘリコプター / 電車、汽車 / 鳥 / 動物 (犬、猫) |
人、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機 |
最高連写速度 |
約120コマ/秒 |
約11コマ/秒 |
プロキャプチャ(プリ連写) |
最大99コマ |
- |
動画記録方式 |
MOV(MPEG-4AVC/H.264,) |
XAVC S(MPEG-4 AVC/H.264)、XAVC HS( MPEG-H HEVC/H.265) |
軽量・小型が特徴のマイクロフォーサーズのためシステム全体で小型化が可能です。
特に登山で荷物に制限がある場合や、超望遠レンズを使用しながらも高い機動力を発揮できる点は唯一無二です。
また、ライブNDやライブGNDなどの機能があることによって、荷物の軽量化なども可能になります。
更に世界最高クラスの8.5段の手ぶれ補正は暗所撮影だけでなく初心者にもメリットとなります。
静止画性能が高い一方で動画性能は今一歩遅れを取っています。
内部記録H.265 10-Bitには対応しているものの、色の保存方法であるカラーサンプリングは4:2:0となっているので凝ったグレーディングなどのは厳しくなってきます。
また、記録ビットレートの選択やApple ProRes 422 HQの内部記録が不可、マイクロHDMIなど痒いところに手が届かないといった感じになっています。
しかし、全く撮れないというわけでは無いので、基本写真メイン、極稀に動画を撮影という場合には気にする必要は無いかもしれません。
OM SYSTEM OM-1 Mark IIは静止画性能が非常に高い事に加えて軽量コンパクトなカメラとなっています。
また、サードパーティ製レンズなどは各社から発売されており幅広く遊べるカメラなのではないでしょうか。
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Photo & Text by フジヤカメラ 根本