FUJIFILM フジノンレンズ XF35mm F1.4 R 実写レビューです。
2012年2月18日に発売したこちらのレンズですが、オールドレンズを想起させるような柔らかく味のあるボケ感と描写力に定評があり、現在も「神レンズ」と称されるほどFUJIFILMファンの間で根強い人気を誇っています。
今回は「X-T5」に合わせ、渋谷でスナップ撮影をしました。
作例とともにボケ感や描写力について紹介していきます。
特徴/操作性
レンズ質量187gと軽量コンパクト
フルサイズ換算53mmと使い勝手の良い焦点距離
アルミ削り出しの角型レンズフードがクラシカルで可愛い
実写レビュー
フットワーク軽めにカメラを構えることができる
光や空気を捉えるレンズ
フィルムシミュレーションとの相性
画質
解像感
収差
フレア/ゴースト
メリット・デメリットとおすすめユーザー
気軽持ち運べるサイズ感
オールドレンズのような味のある描写を楽しめる
オートフォーカスの駆動音が少しうるさく、速度も遅め
作例に使用したカメラ
作例に使用したレンズ
まとめ
X-T5と合わせても総質量約740gと一日持ち歩いても苦にならないほど軽量です。
カメラを始めてから休日出掛けるときに、カメラを持って行くか、置いていくか…と悩む場面が多々ありますが、こちらのレンズはとてもコンパクトで気軽に持ち出すことができるため、そういった悩みを解消してくれます。
人の視野角に近いと言われている標準域で、直感的に撮影しやすい焦点距離です。
スナップ撮影だけでなく、旅行写真など日常的に使うことができるレンズです。
プラスチックのレンズフードにはない重厚感がクラシカルで魅力的ですね。
本来は光の影響をカットしたりレンズの保護の役割を担うレンズフードですが、こういったビジュアルの良さはカメラを持ち出す際のモチベーションにもなります。
ただレンズキャップの取り付けの際に少し引っかかるのが難点です。
建物にかかった柱の影と、その先にある赤い自転車が印象的でシャッターをきりました。
こういった、ふとした瞬間に気負いすることなくカメラを向けることができるのは、軽量レンズのメリットですね。
葉っぱや地面の光の反射をやさしく捉えてくれる印象です。
建物の冷たさや電球のあたたかさなどその場の空気、温度感をそのまま切り取ってくれるような気がします。
FUJI機といったら「フィルムシミュレーション」が醍醐味ではないでしょうか。
周辺の二線ボケや口径食と相まって、とてもノスタルジックな雰囲気になります。
撮って出しでこの色味と質感を出せるのは嬉しいですね。
F1.4 1/640秒 ISO100
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開放F1.4で撮影をしました。
開放で撮影をしても全体的に眠たい印象にはならず、ピント部分はシャープに解像するためメリハリのある写真になります。
切り株に張り付いたツタの葉脈がしっかりと確認できます。
F7.1 1/250秒 ISO64
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F7.1まで絞って撮影をしました。
堅くなりすぎず周辺部までナチュラルに解像してくれます。
F1.4 1/1250秒 ISO64
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開放で撮影すると、収差が目立ちます。
中央部分にある葉っぱの反射を拡大すると輪郭のある玉ボケになっています。すこしパープルフリンジがついていますが、これはこれで宝石のような煌めきで可愛いです。
F1.6 1/800秒 ISO64
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逆光で撮影をしました。
フレア、ゴーストが若干発生しましたが、嫌な写りではなく全体的に柔らかい印象になりました。
ショルダーバッグにすっぽり収まるサイズ感で気軽に持ち出すことができます。
一日首から下げていても疲れない質量なので、カメラを持ち出す機会が増えそうです。
「オールドレンズに挑戦してみたいけど、マニュアルフォーカスはハードルが高い」という方におすすめです。
AF搭載のレンズで最新のレンズにはない味わいのある描写を楽しめるのは嬉しいですね。
発売からまもなく12年と古いレンズということもあり、オートフォーカスの機能が見劣りします。
スチール撮影なら問題ありませんが、ピントを合わせる際に「ジージー」と音が出るため、動画撮影には不向きかもしれません。オートフォーカスの速度については、室内などの暗い環境ではピントが迷うことがあり、歯がゆい場面が多々ありました。
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Photo & Text by フジヤカメラ 鈴木