TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2 レビュー × 写真家 ミゾタユキ | 携行性、描写力を両立した高性能超広角ズームレンズ

目次
はじめに
焦点距離を広げながらも軽量&コンパクトに
新デザインでグリップ性と滑らかな操作感
VXD搭載で高速AF
TAMRON Lens Utility™とは
描写性能をチェック
歪曲収差をチェック
16mm(ワイド側)と30mm(テレ側)で表現を変える
作例
こんなユーザーにおすすめ
まとめ
作例に使用したレンズ
作例に使用したカメラ

ミゾタユキ
猫や日常、旅先でみつけた情景を作品として撮り続け、近年では2023年Nikon THE Galleryで「Pastel~夢をめぐる」、2024年FUJIFILMのメタバース HoP Galleryで「Time to cross」個展を開催。カメラ誌やWEBでの執筆、カメラメーカーのセミナー講師、フォトコンテストの審査などを通じて写真の楽しさを伝える活動にも携わる。
撮影会&web講評「フォトプラネッタ」主宰
ニコンカレッジ講師
FUJIFILMメタバースHouse of Photographyアンバサダー
日本作例写真家協会会員【JSPA】
著書「カメラでパチリ へやねこ そとねこ」、共著「美しいボケの教科書」など多数。
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はじめに
タムロンの大口径超広角ズームレンズ「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」が7月31日に発売されました。フルサイズミラーレス一眼カメラ対応 ソニーのEマウント用で、「17-28mm F/2.8 Di III RXD」の第2世代「G2」モデルとしてリニューアル。ズーム倍率を拡大し、軽量&コンパクトで高画質、またAF性能や操作性、レンズ性能がアップしています。このレンズで標準ズームレンズの「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」、望遠ズームレンズの「70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2」に続くタムロンの大三元シリーズが3本揃いました。
大口径の超広角ズームレンズながら軽量コンパクトなサイズ感でSONY α7R Vを付けたバランスも◎です。標準装備として花型フードがついています。
焦点距離を広げながらも軽量&コンパクトに
「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」は広角側が16mm、望遠側が30mmになり、「17-28mm F/2.8 Di III RXD」より広く、少し標準域に近い画角で、狭い場所や広がりのある風景、スナップなど様々なシーンで使いたくなる一本になりました。
F2.8の大口径フルサイズ用レンズは大きくてずっしりしたイメージがありますが、このレンズは重量が440グラムでフィルター径はφ67mm、手に取ったとき軽くて驚きました。カメラボディに合わせてレンズも小さいほうが機動性も上がり、長時間持ち歩くにも便利ですね。
また、重心移動を最小限に抑えるインナーズーム機構で、ズームリングを回しても全長が変わらず繰り出すことがないため、雨や砂など撮影環境が厳しいときにも安心です。
焦点距離で比較してみるとインナーズームであることがわかります。
新デザインでグリップ性と滑らかな操作感
艶のあるブラック塗装は品がよく、ズームリングとフォーカスリングの鏡胴部分はホールドしやすくなっており、キズが付きにくく、指紋も目立ちにくいデザインになりました。リングラバーの凸凹が細かくなり、グリップ感も増しているように感じます。内部機構に金属パーツを追加しているのでトルク感も良く、ズームは極端に高速でテレ側⇔ワイド側に動かさなければとても静かで滑らかに動くので、動画でピントを送るときもスムースです。
VXD搭載で高速AF
AF駆動は、タムロン史上最高レベルの高速・高精度なリニアモーターフォーカス機構VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)になり、被写体の動きが速いシーンでのシャッターチャンスに強く、また動作音が静かなので舞台や動画撮影時にも安心です。
上がフォーカスボタン、下がコネクターポート。
TAMRON Lens Utility™とは
新しくフォーカスセットボタンとレンズをカスタマイズできるコネクターポート(USB Type-C)が搭載されました。別売のTAMRON Connection Cableを使ってパソコンやスマートフォンと接続し、専用ソフトウェアTAMRON Lens UtilityTMからフォーカス関連の機能を割り当てることができます。またフォーカスリングのカスタマイズや、レンズのファームウェアを最新バージョンにアップデート(PC版のみ)することもできます。
描写性能をチェック
歪曲収差をチェック
広角ズームレンズは文字通り画角が広く、部屋の中など狭い場所で全体を広く写すことができます。テーブルに近づき縦位置で撮ると、コーディネートされたテーブルウエアやドライフラワーアレンジメントがダイナミックに描写でき、天井のシャンデリアまで入ります。天井と壁のラインが少し歪んで写りました。広角側ではこのようなタル型の歪みも出ますが、撮影後にSONYの現像ソフト「Imaging Edge Desktop」の「レンズ補正」にある「歪曲収差補正」を「入」にしたところ、ワンクリックでまっすぐな直線になりました。簡単に補正できたことで、むしろレンズの良さを感じました。
SONY α7R V・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF13・1/5秒・ISO640・WBオート・+1.0EV
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被写体に近づくとデフォルメされるので見た目よりもインパクトのある表現になります。
SONY α7R V・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF13・1/5秒・ISO640・WBオート・+1.0EV
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「歪曲収差補正」を「入」にするだけで簡単にタル型収差をおさえることができました。
16mm(ワイド側)と30mm(テレ側)で表現を変える
「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」の最短撮影距離は19cm (ワイド側) / 30cm (テレ側)で、ワイド側で被写体に近づいて撮ると遠近感を強調しながら周りも広く、テレ側では見た目に近い自然な描写で周りの雰囲気を写すことができます。広角ズームレンズは、焦点距離を変えるだけで表現力も変わり楽しみが広がります。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF2.8・1/40秒・ISO640・WBオート・+1.0EV
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テーブルに置いたドライフラワーにぐっと近づき、俯瞰のアングルで捉えるとダイナミックに。
F2.8の開放値で撮るとピント位置がシャープに描写され、浮き上がるような立体感が印象的です。広がりのあるボケ感も滑らかで構図の両端にかかる花を見ると、開放でも崩れや流れる感じがなく自然です。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF2.8・1/60秒・ISO640・WBオート・+1.0EV
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被写体を際立たせながら自然な描写感で周りの雰囲気も表現することができます。
16mmで撮った花の向こうにある植物のオブジェにピントを合わせました。F2.8なので前ボケのニュアンスを入れるとオシャレ感もアップします。
この2枚の撮影位置は同じ、撮影の高さを変えただけです。レンズの16mm側と30mm側、端から端にズームリングを回すだけでこれだけ雰囲気が違う写真が撮れるのは楽しいですね。自分が動かなくてもバリエーションが撮れるのは広角ズームレンズならではの魅力のひとつだと思います。
作例
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF2.8・1/250秒・ISO640・WBオート・-0.3EV
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F2.8のボケで奥行を感じさせると、雰囲気が高まります。
床に置いてあったピクニックセットをのぞき込むように撮りました。デフォルメさせずに30mm側で平置きのものを俯瞰すると、単調な印象になりがちですが、手前の花を前ボケにいれて奥行き感をだすと印象的になります。今回は外光が入る明るい室内でしたが、F2.8は暗い場所でもISO感度を上げずに描写性をキープでき、ボケ感を得られるだけではなく、アングルによっては奥行や空気感のある表現もできるので明るいレンズはやはりいいですね。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF2.8・1/160秒・ISO640・WBオート・+0.7EV
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手摺越しに見下ろしたアングルで踊り場までの階段を広く捉えることができます。
外に出る前に見下ろした階段を16mm側で撮ると、想像がつくようなシーンでも捉えた構図に肉眼では気づかないフォルムの美しいラインが際立ち画角の広さのメリットを感じます。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF2.8・1/800秒・ISO200・WBオート・+0.7EV
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30mm側は自然な画角でナチュラルスナップに向いています。
ちょうど目の前に散歩をしている人たちがいたので、構図内の光や木々のバランスで奥行感をいれてスナップ。30mmは誇張することなく、日常感のある自然な描写で表現することができます。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF2.8・1/4000秒・ISO200・WBオート・+0.7EV
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30mm側で花に近づきボケ感と玉ボケのある雰囲気を狙いました。
しべの小さいところにもスッとピントが合い、風でなびくような瞬間にも影響されず高速AFの威力を発揮してくれました。玉ボケも可愛い〇の形で、構図周辺も形が変わらず〇のままでキレイです。形が揃うとキラキラした雰囲気がロマンティックに感じられます。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF16・1/125秒・ISO200・WBオート・+0.7EV
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レンズの最小絞りはF16、絞り込んで国旗がかかるフレームに光芒を出してみました。
広角側で空を広くいれて逆光の描写も合わせてチェック。光芒の核が小さくなりましたが、キレイなラインが光っています。光芒の位置と風でくるくる動く国旗の向きでシャッタータイミングを決めたためゴーストがわずかに出ていますが、BBAR-G2 (Broad-Band Anti-Reflection Generation 2)コーティングの効果が効いているので、余裕があればポジションやアングルで逃げられると思います。鮮明でヌケ感もあるので、逆光でも積極的にスナップできます。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF2.8・1/640秒・ISO200・WBオート・+0.7EV
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日差しをよけた木の下から広角側で撮ると葉っぱのボリューム感もアップ。
このロケの日はとても暑く、日差しをよけながらスナップしていましたが、ぼーっとしながら閃きました!思い切って自分の真上にある日差し避けの葉を傘のようにたくさん構図に入れてスナップ。16mmは手前が広く写せるのでこのような独特の表現もできます。
SONY α7RⅤ・TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
絞りF14・1/200秒・ISO400・WBオート・+0.3EV
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空も真下もたくさん広く入れたいときは超広角が大活躍します。
展望台からガラス越しに眼下に広がる風景を16mmで画面いっぱいに撮りました。雲の表情がわかるぐらい広く捉えられるのは広角ならでは。街も空も構図にいれたい欲張りな気持ちに寄り添います。
こんなユーザーにおすすめ
広くシャープに捉える風景や建物、軽量コンパクトで機動性を重視したスナップ、テーブルフォトやボケ感で雰囲気のある表現、高速AFで静粛性が必須な動画など様々なシーンで活躍するレンズです。標準ズームよりもダイナミックな表現を求める人におすすめです。
まとめ
TAMRON「16-30mm F/2.8 Di III VXD G2」を使ってみて軽さと描写力とボケ感のバランスが特に魅力に感じました。軽くて扱いやすく、空間を広く写しながら寄っても美しい。ズーム域が使いやすく高速AFで臨場感のある多彩な表現を楽しめる超広角ズームレンズだと思います。
作例に使用したレンズ
【商品情報】TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2
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作例に使用したカメラ
【商品情報】SONY α7R V ボディ
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Photo & Text by ミゾタユキ
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