TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071) の実写レビューです。
TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071) の1番の特徴は、高倍率ズームでありながら、高画素のフルサイズミラーレス一眼にも対応した高性能なレンズである、という事だと思います。
又、ショートフランジバックである事を最大限活かした設計により、高倍率ズームレンズとしては異例の、広角側開放f2.8という明るさを達成している事も特筆すべき点です。
フルサイズ対応の高倍率ズームでありながら、コンパクトな設計で、高いズーム倍率と併せて、非常に取り回しのいいレンズとなっています。
最短撮影距離は、広角側 0.19m (最大撮影倍率 1:3.1)、望遠側 0.8m (最大撮影倍率 1:3.8)と近接撮影にも強く、まさに万能レンズとして使えそうです。
SONY α7RIVに TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD を装着、ちょっとした旅行気分を味わいたくて日本の中のアメリカ、福生に向かいました。
フィルター径 | 67mm |
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最短撮影距離 | 0.19m (WIDE) / 0.8m (TELE)(1:3.1 (WIDE) / 1:3.8 (TELE)) |
最小絞り | F16-32 |
対応センサーサイズ | フルサイズ |
マウント | SONY Eマウント用 |
全長 | 約117mm |
重量 | 約575g(フード含む) |
付属品 | レンズフード |
夏の太陽の光を受けて、ヤシの木がまるで南国のようです。
完全に逆光線で、レンズには厳しい条件ですが、フレア、ゴーストの発生は最小限に抑えられ、コントラストも十分に高く優秀な写りです。逆光線に対する耐性は高いと言っていいと思います。
TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD の絞りばねは7枚、このカットでは光芒を出す為f16まで絞って撮影していますが、光芒の出方はあまり綺麗ではないようです。
横田基地周辺はアメリカっぽいショップが多く、店の看板も日本離れしたクールなデザインで、見ているだけで楽しくなります。
そんな、外国旅行に来たイメージで撮りすすめました。
高倍率とは思えない高性能なレンズで、このカットでもSONY α7RIVの高画素を十分以上に活かし、看板の質感などビックリするほど細かく再現してくれました。
街角に置かれたベンチもまるでアメリカ!(イメージですが)なんだか気分があがります。
高倍率ズームレンズのメリットの一つに、レンズを交換しなくて済む事が挙げられると思います。
時間が無い旅行中など、写真がメインではないけれど、画質には妥協したくない、そんな経験は写真好きなら誰しもあると思いますが、TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD はそんな状況でも、高い画質で応えてくれると思います。
ちょっと変わった形の窓を、木々の間から狙いました。
明るい壁の雰囲気と季節感を出したくて、露出をオーバーにして撮影しました。
フルサイズで100mm前後の焦点距離だと、開放f値がそれ程明るくなくても前後のボケをこのくらい大きくとる事が出来ます。f値が明るく無い事でどうしても小さくなるボケは、焦点距離の長さと被写体までの距離でカバーするといいと思います。
真っ白な壁に夏の日差しがあたり、黄色い縁の額に入れられたポスターがなんとも夏らしい情景に感じられてシャッターを切りました。
50mm前後の焦点距離は、被写体との距離的にも画角的にも、圧縮効果の強さ的にも自然で、無意識に50mm前後の焦点距離で撮っている事が多くなってしまいます。
100mmを超えて望遠を使う事は殆どありませんでしたが、テスト撮影なので、もう少し意識して撮るべきでした。
そこかしこに草花がみられるこの時期、写真を撮るのにはいい季節です。
望遠側は背景を整理するのに使う事が多いです。ズームで背景がどのくらい入るかを見ながら、自身が前後してフレーミングしていくイメージです。
高倍率ズームレンズ=横着なレンズと考えずに、色々工夫しながら撮るのも楽しいものです。
TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD の最大撮影倍率は1:3.1(広角時)ですので、近接撮影もかなりこなせます。
上の花も実物は小さいものですが、かなり近づいて撮れるので、花の形がはっきりわかる程度の大きさに捉える事が出来ました。
初期の頃のタムロンの高倍率ズームレンズは、最短撮影距離も長く、近接性能を補う為に専用のクローズアップレンズが付属するものもありましたが、現代のレンズではそんな必要もありません。
コーラの瓶のオブジェが壁にはめ込んであるショップを発見、瓶を下からあおって撮りました。
もう少し遠近感の誇張が欲しかったところで、24mmまであれば、と少し残念に思いました。
28-200mmか?24-120mmか?フルサイズ用ズームレンズは撮影者の好みを多分に含んで、今後も多くのレンズが開発されると思います。
(個人的には24-120mmが好きですね)
五線譜か、ギターの弦か、青空をバックに電線が弧を描いていました。
何気ない写真ですが、拡大して画質を確認してみると、TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD の高性能さが際立つカットで、背景との境界にフリンジがのる事も無く、高倍率ズームとは思えない抜けのいい描写です。
あまりにも便利で、画質もいいレンズを出すと、他のレンズが売れなくなってしまうのでは?といらぬ心配をしてしまいました。
TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD は、高倍率ズームレンズ、しかもコンパクトさを損なわないレンズでありながら、非常に写りのいいレンズでした。
拡大して画質を見てみたいと思います。
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少し意地悪をして、逆光線のフレアが避けられない部分の拡大画像ですが、これだけの条件でも十分なコントラストを保ち、ゴーストの発生も最小限です。
絞り込んでいる事を差し引いても、高画質といっていい解像感を持っていると思います。
フリンジの発生も殆ど無く、良好です。
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開放での描写ですが、一番小さなSINCE1945の文字まで読めて、さらにペンキがぬってある木の質感も伝わる、良好な描写です。
高倍率ズームのウイークポイントである周辺部分の画質を見てみます。
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さすがに若干眠くなり、又、少しですがパープルフリンジが発生しています。
全体として高いレベルにあるレンズですが、高倍率ズームレンズという事で、全く粗が無いわけではありません。
正直少し安心しました(笑)。
TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD は、なんでも撮れる便利な高倍率ズームレンズとして完成された一つの形だと思います。
特に性能面においては、かなりレベルの高いズームレンズと比較しても大きく遜色のないレベルに達していると思います。
優れた近接性能まで含めて、まさにオールラウンドなレンズという印象です。
反面、あまりに便利過ぎて、撮影自体を楽しみ切れないという我儘な願望が出てきて、単焦点レンズが欲しいな、と思う事もしばしば・・・便利過ぎるのも考え物です。
とても優秀なレンズで、高倍率ズームがもっと生きる、シャッターチャンスが重要となる被写体、例えば猫などの動物に使えば良かったと少し後悔しました。
>>> TAMRON (タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD