TAMRON(タムロン) 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047) の実写レビューです。
TAMRON(タムロン) 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)は、フルサイズ対応、でありながら545gという軽量コンパクトなデザインで、気軽に楽しめる望遠レンズとなっています。
今回は気軽に望遠レンズを楽しみたくて、秋の湘南を散歩しながら使ってみました。
フルサイズ対応の望遠ズームとしては、スリムで軽量なレンズです。
TAMRON(タムロン)のお家芸と言える敷居を下げてくれるレンズで、いつでも持ち歩ける気軽な望遠レンズと言えるでしょう。
TAMRONの凄いところは、こういったコンセプトのレンズでも高性能である事で、後程ご覧いただきますが、性能的には高級タイプのレンズに劣らないものになっています。
軽量、コンパクトである事を追求してか、手振れ補正やズームロックは省かれています。
この潔さもタムロンらしいところですが、さすがに300mmまでのズームなので、フレーミングの際、手振れ補正は欲しくなりました。
ボディ内手振れ補正があるので、実写でのブレはほぼありませんでしたが、レンズ内手振れ補正の安定した画を見慣れているとフレーミングがしずらく感じます。
フィルター径 | 67mm | 最短撮影距離/最大撮影倍率 | 0.8m (WIDE) /1:9.4 (WIDE)~1.5m (TELE) / 1:5.1 (TELE) |
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最小絞り | F22-32 | 長さ | 約148mm |
重量 | 約545g | 絞り | 7枚羽(円形絞り) |
付属品 | 丸型フード・レンズキャップ | マウント | ソニーEマウント用 |
今回は江ノ電を利用して秋の湘南を散歩しながら作例撮りをしました。
写真は由比ヶ浜での一枚ですが、休日という事もあり、海上には多くのヨットやウインドサーフィンの姿が見られました。
駅から撮影地までの移動を繰り返す撮影でしたが、軽量なレンズのお陰で疲労感も少なく、撮影と散歩を両方楽しめました。
少年よ、海を見て何を思う。
TAMRON(タムロン) 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは、SONY(ソニー)のファストハイブリッドAFにも対応しており、高速なフォーカススピードを持っているので、子供の運動会などでも大活躍しそうです。
今回は試しませんでしたが、これだけスリムで軽量なら、APS-Cサイズセンサーカメラ用のレンズとして使っても十分納得出来そうです。
湘南と言えば、やはり江ノ電と思いシャッターを切りました。
湘南、江の島の風景の一部となっているローカル線は、多くのファンを持つフォトジェニックな被写体で、車両の形や色を見ただけで江の島の写真であることがわかるアイコンでもあります。
今回の撮影では移動に全て江ノ電を使いましたが、とことこ走るローカル線に揺られながらのフォト散歩もなかなか楽しいものです。
乗って来た江ノ電が走り去るところに、後ろからカメラを向けました。
古いですが磨かれた車両に周囲の風景が反射して綺麗です。
撮影中、カメラをバックにしまわず、ずっと肩からぶら下げて歩きましたが、コンパクトなレンズは煩わしく感じる事も少なく、こんな一瞬のシャッターチャンスにも対応出来ました。
大仏で有名な高徳院山門の仁王像です。
標準ズームではかなわない、アップを撮影しました。
テレ側でも1.5mまでの近接撮影が可能なので、比較的近くの被写体をアップで狙いたい時にも、ピントが来ないなどのストレスはありませんでした。
ちょっといい裏路地を見つけるのは、旅の楽しみの一つです。
表通りから、たった一本入っただけの通りは静かで、丁度撮影に疲れて来たところだったので、心休まります。
赤く色づいた実と、古めかしい黒壁、散歩で通りかかった人を望遠レンズの圧縮効果を使って一枚の中にフレーミングしました。
遠く相模湾越しに見る富士山は、静岡や山梨で見るよりもずっと小さいですが、地表スレスレにかすむ姿は劣らず綺麗です。
マジックアワーと言われる時間帯の光と、超望遠ならではのシンプルな構図で、美しい姿を切り取れました。
ひと昔前は、70-300の暗いレンズは、廉価版の品質のあまり良くない物も多かったと思いますが、TAMRON(タムロン) 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの描写力は、風景写真でも十分に使える、高いレベルにあります。
望遠レンズだからといって、遠くの物だけを撮る必要はありません。
先に述べたとおり、近接撮影にも対応出来るレンズなので、見つめるイメージで使うと、レンズの潜在能力をより引き出せると思います。
写真は打ち寄せる波を開放で前後をボカし、周辺光量補正をOFFにする事で、少し周辺光量落ちを出して撮影しました。
夕暮れ時、波と戯れる子供たちをシルエットで撮りました。
子供も物心がつくと、カメラを向けるとすぐポーズをとりたがるようになるので、気付かれずに自然に撮るには、このくらいの望遠レンズの方が都合がいいようです。
大きくマイナスの露出補正をかけてシルエットになるようにしましたが、人物にまだ諧調がのこっており、図らずもSONY(ソニー)α7IIIの優秀さがわかる写真となりました。
先に書いたとおり、廉価版のレンズといったレベルの描写力では無く、本格的な風景写真にも使えるレベルの解像感、シャープネスを持ったレンズです。
細かいヨットのディテールまで再現されていてシャープです。
遠距離の被写体の撮影で、条件がいい訳ではありませんが、コントラストも高くレンズ性能の高さがうかがえます。
Photo & Text by フジヤカメラ 北原
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