45mmの画角（35mm換算）になる開放値F1.4の明るさを持つコンパクトな大口径標準レンズ。最短撮影距離30cm、質量285ｇ、フィルター径52mm。

レンズフードに製品名が刻印されていて、さり気ない感じがオシャレ。ちなみにリアキャップにはFOR Z MOUNTの文字があります。うっかりフジのXマウントと間違えた経験から気づきました・・・。SIGMA製品のデザインはオシャレかつ行き届いています。

NIKKOR Z 40mmF2とSIGMA30mｍF1.4を並べると、SIGMAの方が存在感あります。フード部分を持って撮影する事にも配慮し、ラバーに滑り止めの溝もついています。付属品になっているのもうれしい。

たった10mmの差でも写る範囲と圧縮効果に違いがあるのがわかります。SIGMAの方は黄色みが抑えられ、コントラストがはっきりしてメリハリのある印象です。

カフェでタルトにフォークを入れて臨場感もプラスして撮ってみました。崩れた感じも作例にはちょうどいいですね笑。

生地やフルーツの食感をイメージできるような描写や自然な色合いが美味しそう。リング状のチョコレートの上にあるジュレも窓からの光が反射してシズル感がキレイです。最短撮影距離が近く、標準画角で歪みもでないので、座ったままスマートに撮ることができました。

リゾート風の屋外で休憩していたら珍しい植物が目に入りました。小さい一角に密集していたので、花に近づいて撮っていますが遠近感が誇張されずに自然な雰囲気。標準画角は広角や望遠、マクロと違い、見たままの印象に近い描写になるので日常感も表現しやすいと思います。

「水槽の中が暗い　水槽が狭い　被写体が小さい」３つのハードルがあるシーンですが、AFのスピードが速く最短撮影距離が短いレンズ性能をいかして水槽に近づき、小さいクラゲが漂う様子を追いながら、レンズの機動性の良さも実感しました。

猫と同じ目線のアングルで少し離れるとF1.4でも、猫の顔をシャープに描写できます。床や壁のボケで存在感が際立つので、表情や仕草の両方を撮りたいときに程よい空気感を合わせることができます。

猫カフェを出たら、もう暗くなっていました。可愛い外観を撮ろうとして振り向いたら「あっ！！！」。黒い猫が背伸びをしていました。興奮しながらも手ブレ補正がないので静かにシャッターを押しました。ああ、可愛い。

Photo ＆ Text by ミゾタユキ