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2023.06.12
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SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary レビュー × ミゾタユキ | ニコンZマウントAPS-C専用の広角レンズ

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary × ミゾタユキ | ニコンZマウントAPS-C専用の広角レンズキービジュアル


ライターミゾタユキイメージ
■フォトグラファー紹介

ミゾタユキ

フォトグラファー。 フィンランドと旅と温泉と猫が好き。旅先や日常でみつけた情景を作品として、主な個展に「シディ・ブ・サイド散歩 猫がいる街」「ウズいろ~ウズベキスタン街歩き」「へやねこ そとねこ」。カメラ誌の掲載や執筆、カメラメーカーのセミナー講師、フォトコンテストの審査などを通じて写真の楽しさを伝える活動にも携わる。撮影会&web講評フォトプラネッタ主宰。著書『カメラでパチリ へやねこ そとねこ』、共著多数。

LONDON INTERNATIONAL CREATIVE COMPETITION 2021 プロフェッショナル SHOOT部門 LICC’s Official Selection 受賞
Photography Masterprize Award 2022 プロフェッショナル カルチャーインテリア建築写真部門 Honorble Mention(佳作) 受賞

各種リンク: Facebook / Instagram / オンラインショップ / HP

はじめに

SIGMAよりニコンZマウント用APS-Cレンズ3本が発売

SIGMAからNikonのミラーレスカメラZマウントのAPS-C専用レンズ3本が発売になりました!

広角レンズのSIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary、標準レンズのSIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary、中望遠レンズのSIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary、全て開放値F1.4 小型軽量のコンパクトな単焦点レンズで、最新テクノロジーを投入、高い光学性能とコンパクトネスを両立した幅広いシーンに対応するハイパフォーマスラインのContemporaryです。

現状ではニコンのZ 30、Z 50、Zfc専用になりますが、NIKKOR ZのレンズラインナップにはAPS-C専用が少なく、明るい大口径でコンパクトなレンズが欲しいと思っていた方にとってうれしい選択肢です。

左からSIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary、56mm F1.4 DC DN | Contemporary、16mm F1.4 DC DN | Contemporaryの商品画像
左56mm・中央30mm・右16mm。全てフードは標準付属。

新たに登場した3本共通のスペック

まずは共通スペックです。

開放F1.4でとてもコンパクト。APS-C専用ならではの小型軽量で、スイッチやファンクションボタンがないフォーカスリングのみのシンプルなデザイン。

Zのマウント径は55mmで大きいので、レンズのマウント部分が少しせり出していますが、カメラにつけるとなじみも良く、カメラ本体も高級感が増すような印象になるので、眺めているだけでもテンション上がります。マットブラックの質感がとても美しく、ビジュアルから◎です。

手ブレ補正はありませんが、カメラを構えてレンズをホールドしたときの手触りも良く、安定感があります。AFはステッピングモーターを採用しているため静かで、写真だけでなく動画を撮るときにも快適です。ピントリングは適度なトルク感があるので、マニュアルフォーカスでピントを合わせるときも操作しやすいと感じました。

また、サジタルコアフレアや諸収差を抑えて絞り開放から高い解像力があるので、積極的にF1.4から撮影することができます。ボケ好きにはうれしいですね。

フードは標準装備で逆光対策も十分、マウント部はシーリングなど簡易防塵防滴になっています。Nikonのボディは必ずファームアップして最新のバージョンで使いましょう!

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryの特徴

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryの商品画像
斜め上から撮影したNikon Z 50に装着したSIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryの画像
真上から撮影したNikon Z 50に装着したSIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryの画像

24mmの画角(35mm換算)になる開放値F1.4のコンパクトな高性能&大口径の広角レンズです。最短撮影距離25cm、質量420g、フィルター径67mm。レンズの長さが約10cmで長く感じられますが、見た目に反して軽いので撮影中は気にならなくなりました。

レンズキャップの画像

レンズキャップの内側がギザギザしていて深さもあるので掴みやすいです。

NIKKOR Z 24mm f/1.8 Sと比較

左からNIKKOR Z 24mm f/1.8 S、SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryの商品画像
広角単焦点レンズ比較

SIGMA16mmは24mmの画角になるので、NIKKOR Z 24mmと比較してみました。
NIKKOR Z 24mm f/1.8 Sはフルサイズのレンズなので、APS-Cのカメラに付けると36mmになります。

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryで撮影した街中の人々が建物に反射して映っている様子

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary

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NIKKOR Z 24mm f/1.8 Sで撮影した街中の人々が建物に反射して映っている様子

NIKKOR Z 24mm f/1.8 S

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36mmの画角と24mmの画角、撮り比べてみると写せる範囲の広さが違うことがわかります。

描写力を作例とともにチェック

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryで撮影した人物のポスターの画像

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
絞りF2.5・1/1250秒・ISO400・WB晴天・+0.3補正・クリエイティブピクチャーコントロール デニム

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ガラスに近づいて映り込みと合わせてスナップしました。横顔にかなり寄ってみたのですが、画角が広いので周りの街風景も広く撮ることができます。ボケの中にピントがたち、反射や立体感のニュアンスがうまくでるように思います。

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryで撮影したジュエリーの画像

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
絞りF1.4・1/640秒・ISO400・WBオート2・+1.0補正・ピクチャーコントロール SD

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ショーウィンドーの中にある小さいジュエリーの色や輝きと輪郭、リングスタンドのメタリックな質感がエレガントな雰囲気です。撮ったあとに液晶モニターで拡大して、スッキリとした繊細な描写性に驚きました。開放F1.4ですが周辺光量落ちもなく透明感があります。

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryで撮影したお店の内観画像

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
絞りF6.3・1/125秒・ISO400・WBオート2・+0.3補正・ピクチャーコントロール SD

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店内に入ったら素敵だったので声をかけて撮らせていただきました。F6.3まで絞ると手前から奥までシャープ、歪みも気にならないので迷いなくシャッターが押せました。ピクチャーコントロールSDですが、コントラストやシャープネスなど自然な雰囲気です。

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryで撮影した服屋の画像

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
絞りF1.4・1/1000秒・ISO100・WBオート2・+1.7補正・ピクチャーコントールSD

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F1.4で手前の葉っぱを前ボケにして「I SEE YOU」をI SEE YOUの雰囲気でのぞきこむようにスナップ。なめらかなボケ、Tシャツのシワや色などがナチュラルでボケを重ねてもペタッとすることなくヌケ感があります。

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryで撮影したオレンジ色の花の画像

ニコン Z 50・SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
絞りF1.4・1/1000秒・ISO100・WBオート2・+1.7補正・ピクチャーコントロール SD

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最短25cmなので足元に咲いていた花に近づいてみました。花びらにある小さなしずくや花脈のグラデーションもしっかり撮れて、店内のライトがきれいな玉ボケになりました。ほんの少し色収差がでましたが気にならない程度で、F1.4でも周辺が流れず解像しています。

まとめ

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRズームレンズの広角側と同じ画角ですが、開放値F1.4で撮ると、今までにないボケ感と画質の良さに驚きます。

何気ない風景もボケを重ねると柔らかい雰囲気のあるスナップになり、部屋の中など限られた場所でISO感度を上げすぎずに空間を広く撮りたいときも使いやすく、最短撮影距離が25cmなので遠近感を強調した表現や、被写体に近づいたり離れて撮ることで幅広い表現を楽しむことができます。

NIKKOR ZレンズラインナップにもDX専用(APS-C)の単焦点広角レンズの予定はないので、SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryはマストな存在になりそうですね。

作例に使用したレンズ

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ニコンZ(APS-C)

【商品情報】SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ニコンZ(APS-C)

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SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary ニコンZ(APS-C)バナー画像

作例に使用したカメラ

Nikon Z 50

【商品情報】Nikon Z 50

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Nikon Z 50バナー画像

Photo & Text by ミゾタユキ

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