新・高画素番長とも称されるFUJIFILM(富士フイルム)の「X-H2」と新世代高倍率ズームレンズ「フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR」をフォトグラファー澤村洋兵氏による実写レビューです。
京都・東山の美しい街を風景・ポートレートで切り取り、フォトシュミレーション「クラシックネガ」で撮影した画像や光とボケ味の表現まで幅広い作例と共にお届けいたします。
旅行にピッタリのレンズを持って、京都・東山をフォト散策
今回は「クラシックネガ」のJPEG撮って出しで撮ってみた
全19種類のフィルムシミュレーション
最強のスナップレンズ!
従来よりもシックで力強さを感じる表現力
単焦点レンズに引けをとらない高い解像感と表現の幅広さ
ポートレートにも生きそうな優しいボケ味
FUJIFILMの表現する黒が独特で好きなんです
移り変わる空の表情をそのまま映し出してくれる
光の雰囲気を優しく艶やかに表現するレンズ性能の高さ
とりあえず1本持っておくべきレンズ
まとめ
1985年、京都生まれ。美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士など様々な職業を経験してきた異色の経歴を持つフォトグラファー。企業案件や広告写真、オンラインサロン主宰やSNSブランディングアドバイザーなど幅広く活動。Lightroomのオリジナルプリセットは多方面から人気を博し、撮る写真は人物写真、風景、スナップなどバリエーション豊か。それぞれの職業で培った感性と類い稀なセンスと器用さを武器に様々な瞬間を自分の色にして表現し、SNSを中心に多くの共感を生む作品をアウトプットし続けている。2022年 単著『あの人が自分らしい写真を撮れる理由』出版。
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最近こちらでたくさん登場させていただきありがとうございます。
澤村洋兵です。
またまたFUJIFILM(富士フイルム)から新登場のX-H2を使わせていただきました。
さらに!!
今回は新登場のフジノンレンズXF18-120mmF4 LM PZ WRもお借りして撮影してきました。
35mm判フルサイズ換算27-183mmのf4通し。
いやー、FUJIFILM(富士フイルム)新作ラッシュすごいですね。
こんな便利なレンズは旅行に1本つけて行きたいレンズ。
ってことで。
普段から京都に住んではいますが改めて京都を観光するかのように名所である東山を散策してきました。
まず初めに見た目ですが、
高倍率ズームなのでもちろんある程度は長さがあります(全長123.5mm)。
でも安心してください。
このレンズ、インナーズームなので何mmにしてもレンズが伸びません。
ズームレンズの伸びてる姿ってなんか滑稽ですよね、、、でもこちらは見た目このまんま。
小さいことですが意外とうれしいところ。
ちなみに今回もFUJIFILM(富士フイルム)の伝家の宝刀フィルムシミュレーションを使ってのJPEG撮って出しです。
「クラシックネガ」を使って、その他の調整部分は何も触っていません。
そういった部分の作例としても、みていただけたら嬉しいです。
全19種類から選べるフィルムシミュレーションモード。
ひとまず目に入ったいいなーって思ったものをパパパっと撮ってみました。
FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・27.9mm(35mm判換算42mm)で撮影
絞りF4.0・1/340秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・55.1mm(35mm判換算83mm)で撮影
絞りF4.0・1/450秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・120mm(35mm判換算183mm)で撮影
絞りF6.4・1/120秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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この写真たち、「あ!」って思ってからシャッターを切るまでが一瞬なんです。
何を言いたいかっていうとオートフォーカスが速い。
こういった写真を撮るときは撮りたいと思った時からシャッターを切るまでが速いに越したことはないのでとても助かります。
しかも今回のレンズは高倍率のおかげでどんな距離でも撮り逃すことなくイメージした通りに切り取れます。
撮りながらも最強のスナップレンズが登場したのではないか!!とワクワクしていました。
そんなふうに思いながら歩いていたところ、後ろからサーっと自転車がボクの横を通り過ぎました。
あ!!! いい感じ! 撮りたい!!
FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・89.6mm(35mm判換算135mm)で撮影
絞りF4.0・1/500秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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間に合った!!
ほんとこんな感じです。
この組み合わせめちゃめちゃ便利です。
また、今回思ったのが高画素機になったことでなのか、今まで使ったことのあるFUJIFILM(富士フイルム)のカメラよりもシックな雰囲気で力強さを感じる表現だなと思いました。
前回のX-H2 + XF56mmF1.2 R WRを使ったポートレートの撮影の時は普段あまり使わなかったフィルムシミュレーション「ASTIA/ソフト」を使ったせいなのか、その違いを感じにくかったのですが、今回は少しコントラストが強く感じやすいというかそういった変化を感じたので、その辺は少し判断基準として見ておいた方がいいかもしれませんね。
ボク自身は今回のような力強さを感じる表現の方が好きです。
個人的な意見にはなりますが写真を編集するときに、もともと力強い写真は柔らかい表現にも自然と持っていけるのですが、もともと柔らかい表現の写真を力強く編集すると違和感を感じたりなど少し難しさを感じます。
というのもあって今回の表現の方が編集で好きな方向に持って行きやすいから好きなんですよね。
とはいえ、
編集の必要がないくらい毎回JPEGの表現が素晴らしいのが、さすがはFUJIFILM(富士フイルム)と感じます。
FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・43.2mm(35mm判換算65mm)で撮影
絞りF5.6・1/320秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・20.8m(35mm判換算32mm)で撮影
絞りF5.6・1/340秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・43.2mm(35mm判換算65mm)で撮影
絞りF5.6・1/340秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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高倍率ズームなので広角側や望遠側にいくとなにかダメな部分が出ちゃうかなー
なんて思ってたんですが何も感じませんでした。
今までお見せした6枚でかなりの幅を撮っているのですがほんと気になりません。
それどころか単焦点で撮ったのかな??
って思うくらいどの写真も解像感があるので驚き。
このレンズの表現幅すごいです。
例えばこの写真、
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同じくJPEGで撮ったシルエット写真なんですが、
ぐぐっとシャドウをあげても、、、
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いい感じに戻ってきます。
これがある程度可能だと好き勝手撮影できるので単純に写真撮っていて楽しさが増すんですよね。
細かいことを考えなくてもよくなるので。
ボディのおかげもあるとは思いますがこのレンズ優秀です。
少し作例を見てもらいながらこのレンズの写りの良さの部分をお伝えしたいと思います。
FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・77.5mm(35mm判換算116.5mm)で撮影
絞りF5.6・1/110秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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ボケもとてもいい感じ。
手前ボケから柔らかく入ってピント面があり、また奥に柔らかくボケていく。
こういったうるさくない表現をしてくれるのでポートレートにも生きそうな優しいボケです。
FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・37.4mm(35mm判換算56mm)で撮影
絞りF6.4・1/350秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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光の当たっている部分から影に移っていく部分も写り方もとても美しく表現されています。
前から思っているんですがFUJIFILMの表現する黒が独特で好きなんです。
力強いのにただ真っ黒なわけではなく優しさもある。
その好きな黒がこのレンズでもしっかり表現されています。
FUJIFILM(富士フイルム)X-H2・フジノンXF18-120mm F4 LM PZ WR・39.2mm(35mm判換算59mm)で撮影
絞りF8.0・1/1000秒・ISO125・WBオート・フィルムシミュレーション クラシックネガ・JPEG
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日が暮れてきた夕空の写真。
こういう時間帯の空って美しいですよね。
その美しさって青い空だったのが夕日の光の色を浴びて曖昧な色になっているからだと思っています。
その曖昧に移り変わっていく空の色の表現もそのまま映し出してくれるので思わずたくさん空を撮っていました。
最後にこちら。
門の入り口から入り込む夕日の光が美しくてカメラを構えていたらちょうど素敵なお二人がそこに来られたので思わず撮りました。
目で見て美しいと感じたその柔らかく入り込む光の雰囲気をそのまま映し出してくれていました。ただ明るいではなく優しく艶やかに光の表現がされていて、カメラ、レンズの性能の良さを感じます。とてもお気に入りの写真になりました。
以上、たくさん作例を見ていただきましたがいかがだったでしょうか?
ここまでの表現が映し出される上に18-120mmもの幅広いズーム域で撮れるなんてほんとありがたいレンズ。
さらに重さも460gと高倍率ズームなのに軽い。
電動ズームなので音も静か。
動画を撮る人にもうってつけですね。
しかも防滴防塵らしいです。
ほんとなんでもあり。
旅行の時など、レンズをあんまりたくさん持っていくと重いし邪魔になるしで減らそうってなるんですけどあんなの撮りたいしなー、、、でもこんなのも撮れるかもなー、、、なんて考えちゃって。
なかなか選べなく結局いっぱい持っていっちゃう、もしくは持っていくの諦めてやっぱり持ってきたらよかったー!!!なんてことありますよね。
そんなときにこの1本をとりあえず持っていけばもうそれでオッケー、何でも撮れます。
風景もスナップもポートレートも!!
もともとカメラ好きの方々にはそんな感じですが、
「家族の写真を残したい」「彼女との思い出を残したい」
的な写真がメインでない方もこれさえあれば他に特に買わなくても何でも撮れるので
おすすめです。
このレンズは最強の「とりあえず1本持っておくべきレンズ」
なのかもしれません。
とりあえずとか言いながらもうこれだけで満足しちゃいそうですね(笑)。
Photo & Text by 澤村洋兵(YOHEI SAWAMURA)