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2024.05.20
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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 実写レビュー

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 実写レビューキービジュアル


■この記事の監修

フジヤカメラ店

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特徴・操作性

2世代目となったF2.8通し標準ズーム

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 本体1

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | ArtはF2.8通しの24-70mmをカバーする標準ズームレンズです。

2019年発売の初代SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | ArtからⅡ型へフルモデルチェンジを果たしました。

最新のシミュレーションと技術の融合により軽量ながら高性能なレンズとなっています。

軽量・小型化

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 本体2

レンズの構成枚数は初代と同じ枚数ながら、進化した光学設計で全長を短縮。さらに機構自体の無駄を徹底的に省くことにより体積比約7%、重量比約10%の小型・軽量化を達成しています。

また、絞りリングやAFLボタンの2カ所搭載、金属パーツの採用による剛性感の確保など、道具としてもこだわりのあるつくりとなっています。

HLA(リニアモーター)による高速なAF

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 本体3

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artは、最新のHLA(High-response Linear Actuator)を採用しています。

HLAは、SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sportsで初採用となってAFモーターで、高出力で直線的に駆動するモーターと高度な電子制御により高速かつ高精度・静粛な駆動を実現するものとなっています。
そんなHLAが今回SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artでも採用され、先代24-70mm F2.8 DG DN | Artの3倍以上の速度で駆動可能となりました。(先代はステッピングモーター)

実際に、使用してみると明らかに高速で、純正レンズであるFE 24-70mm F2.8 GM IIと負けず劣らずの速度で合焦し、ストレスを感じることなく使用できます。

絞りリング・AFLボタンの上面へ追加

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 本体4

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artは、絞りリング・AFLボタンを上面への追加など操作系統も大幅にアップグレードしています。

デクリックとロックに対応する絞りリングは、動画での滑らかな背景コントロールや撮影中の素早い設定値の確認などが可能になり、利便性が向上しました。

また、カスタマイズ可能なAFLボタンも初代では側面下側の1箇所のみだったものが、真横と上面に追加となりより様々な持ち方やシチュエーションで積極的に使用できるようになりました。

実写レビュー

最新レンズらしいストレスフリーなAF

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art作例 モノレール

作例1:F2.8 1/500秒 70mm ISO6400

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暗い空間で向かってくるモノレールを被写体としてSONY α7RVと組み合わせてテストを行いました。

一般的に向かってくる被写体はカメラ・レンズともにAF制御が難しく、迷ってしまうケースが非常に多いですが、SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artは、しっかりと奥から手前ギリギリまで追従してくれました。

また、奥から手前に急速にピントを合わせる場面でも、非常に高速でストレスフリーでした。さすが最新のAFリニアモーターだと実感しました。

さらに寄れるようになった近接撮影能力

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art作例 ツツジ

作例2:F2.8 1/160秒 24mm ISO400

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ワイド側では最短17cm、テレ側では34cmの最短撮影距離を誇ります。

初代は、18-38cmだったのに対して大きく寄れるようになり、寄った際の倍率色収差なども大きく軽減されました。

使用していて感じたのはテレ側で更に4cm寄れることにより、撮影が非常に便利になりました。
また、ワイド時にはフードを外さないとぶつかる所まで寄れることができ、寄れなくて困るということがなくなるレンズだと思います。

優れた解像度と美しいボケ

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art作例 池

作例1:F2.8 1/200秒 70mm ISO100

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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art作例 羽田空港のエンジェルラダー

作例1:F2.8 1/1250秒 70mm ISO100

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FLDガラス6枚、SLDガラス2枚、非球面レンズ5枚によって6100万画素の高解像に耐える解像度を持っています。

前ボケ、後ろボケともに良好で違和感なく表現できていますが、点光源などで発生する玉ボケは、バブルボケ傾向で若干うるさく感じる場面もありました。

初代との解像度の違いは明らかで、より細かい部分まで描写できるようになっています。
また、開放から隅々までシャープさが増しており、軸上・倍率収差はほぼ無くなっています。

今のニーズに合わせた動画性能


SONY機にはブリージング補正がありますが、サードパーティーレンズではブリージング補正を受けることができずブリージングを補正しきれない場面も発生したりしますが、SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artでは、フォーカスブリージングが発生することは今回のテストではありませんでした。

また、新たに追加されたデクリック機能も非常に優秀でシームレスに絞りが可変し、操作感もシネマレンズの通ずるようなものを感じました。

画質

解像度

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 中心部解像 24mm
24mm時
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 中心部解像 拡大24mm

24mm中心部拡大

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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 中心部解像 70mm
70mm時
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 中心部解像 拡大70mm

70mm中心部拡大

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中心部解像度は、ワイド・テレ側ともに非常に良好です。
若干糸巻の収差がありますが高解像センサーに負けることなくしっかりとクレーン骨組みやワイヤーを1本1本を描写しています。

点光源でサジタルコマフレアなども発生せず非常に高い描写力を持っていることがわかります。
また、撮影中は気づかなかったのですが、50mm時の拡大画面右側に航空機が写っていて、調べたところ撮影時で約14km離れた地点にいたということでこのレンズの解像力の高さを実感しました。

周辺部画質

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 周辺部解像 24mm
24mm時
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 周辺部解像 拡大24mm

24mm周辺部拡大

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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 周辺部解像 70mm
70mm時
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 周辺部解像 拡大70mm

70mm周辺部拡大

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周辺部画質も非常に良好で、倍率色収差などの発生は見られませんが、広角・ワイド側ともに若干の周辺減光が見られます。

ボディ内補正オン・オフともに見られたため、気になる場合は編集ソフトにて周辺減光補正を行う必要がありそうです。

フリンジ

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 作例 フリンジ

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フリンジは極端にコントラストが強い場面でも発生しづらく、あえて発生させるような場面でない限り発生しませんでした。

フレア・ゴースト

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art フレアゴースト作例

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フレアは比較的発生しやすい傾向にありましたが、ゴーストは強い逆光線下でも発生しずらかったです。

フレア・ゴーストともに発生した場合は非常にシネマティックな出方をするため、演出として扱えるかと思います。

先代モデル SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art との比較

 SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art との比較
 SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art  作例比較

左 SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
右SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art

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初代と比較してSIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artは圧倒的に画質が向上しました。

画像全体の解像度から色収差・歪曲収差すべてが改善されています。
ここまで改善されながらも、レンズ構成枚数は変わらず、非球面レンズの使用枚数が3→5枚に変更になったのみで大幅に画質改善がされるのは驚きです。

さらには、軽量・コンパクトになり操作性も向上しているため、初代からのお買い換えにもおすすめです。

ライバル SONY FE 24-70mm F2.8 GM II との比較

FE 24-70mm F2.8 GM II 比較
FE 24-70mm F2.8 GM II 作例比較

左 SONY FE 24-70mm F2.8 GM II
右 SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art

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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artの最大のライバルといえばSONY FE 24-70mm F2.8 GM IIではないでしょうか。

軽量化・絞りリングの追加、画質の向上によって非常に悩ましい選択肢になっていると思います。

実際比較してみると、SONY FE 24-70mm F2.8 GM IIのほうが若干ながら解像度が高くより軽量かつAFも高速です。
軽量なため、ジンバルに載せる場合や、複数本レンズを携行する場合には多少お値段は張りますがおすすめです。

一方、SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artはレンズ鏡筒根本や絞りリングが金属のため操作感が非常によくできています。

少しでも軽く・高画質を追い求める方にはSONY FE 24-70mm F2.8 GM IIを、
操作感やワイド時の近接撮影能力を重視する方にはSIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art がおすすめです。

メリット・デメリット

比較的安価な高画質F2.8通しズームレンズ

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 本体5

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artは比較的安価で良好画質を得られるF2.8通しズームレンズとなっています。

純正と比較すると10万円近く安価でありながら、純正にも迫るほどの描写性能で高いコストパフォーマンスと言えるでしょう。
このレンズがSIGMAの新たなフラッグシップであるというような意気込みを感じる、そんな一本となっています。

前玉の張り出しとズームの繰り出し方向

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 本体6

せっかく軽量・コンパクトな鏡筒にも関わらず、前玉部分のみ大きく張り出しているのは少し気になりました。

収差やケラレなどの問題からダウンサイジングを厳しかったのかと思われますが、鏡筒の太さと同じであれば...と思いました。

もう一点気になったポイントが、SONY純正レンズとズームリングの繰り出し方向が逆という点です。
SIGMAは以前から時計方向にズームリングの繰り出しでしたが、純正レンズとあわせて使用していると、即座にズームしたい場面などでズーミングできない場面がありました。

おすすめしたいユーザー

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art 本体7

性能に妥協したくないけど、安価なF2.8通しのレンズが欲しいという方にSIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Artはおすすめです。

軽量でありながら、描写性能は抜群のため、初めてF2.8通しのレンズがほしい方や、純正以上に良い操作感が欲しい方にもおすすめです。

SIGMAの会津工場の本気が詰まった、コスパ最強の標準ズームレンズとなっています。

使用したカメラ

【商品情報】SONY α7R V [ILCE-7RM5]

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SONY α7R V [ILCE-7RM5]バナー画像

使用したレンズ

【商品情報】SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II Art ソニーE

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SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II Art ソニーEバナー画像

まとめ

・大幅に軽量化されたF2.8標準ズームレンズ
・SONY純正にも迫る描写力
・質感の良い絞りリング
・HLAによる高速なAF

ブランド

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