特徴/操作性
1インチCMOSセンサーを搭載した最高画質のジンバルカメラ
2.0インチ回転式大型モニターの搭載により操作性が大幅に向上
全画素高速フォーカスやActiveTrack 6.0など基本機能も性能UP
実写レビュー
1インチ大型センサーにより低輝度下でのノイズが大幅低減
ジンバルとしても非常に質が高い
大型センサーによる星景や夜景の美しいモーションラプス
操作性や機能をチェック
高速充電にはPD対応の充電器を!
スピンショットをチェック
旧モデルPocket 2との画質比較
低照度下でのノイズ比較
使用感の比較
Osmo Pocket 3を選ぶメリットとデメリット
デメリット
メリット
DJI Osmo Pocket 3をおすすめしたいユーザー
簡単に最高クラスの画質で撮りたいユーザー
統一感のある画質でジンバルやモーションラプスなどインパクトのあるインサートを撮りたい上級者にも
作例に使用したカメラ
DJI Osmo Pocket 3
まとめ
DJI Osmo Pocket 3の最大の特徴は大型の1インチCMOSセンサーを搭載した事です。
これにより幅広いシチュエーションで画質の向上が期待できます。特に、朝夕や夜間などの暗いシチュエーションではセンサーが大きい事が大きなメリットで、ノイズの少ない滑らかな映像表現が可能です。
ボディの大きさがひとまわり大きくなりましたが、実際に使ってみた感想としては、このくらいのサイズの方が持ちやすく撮影しやすいと感じました。
DJI Osmo Pocket 3では、モニターが前モデルのPocket 2の約2倍となる2.0インチ回転式モニターになり、操作性が大幅に向上しています。
前モデルではモニターが小さすぎて細かな設定が億劫になる事もありましたが、2倍の大きさになる事で撮影モードや機能をストレス無く切り替えて使えるようになりました。
使ってみて気に入ったのは、モニターを回転する事でスイッチがONになる事で、直感的にスピーディーに撮影をスタートさせる事ができます。
オートフォーカスの高速化やActiveTrackなど既存の機能も新モデルとなって着実にレベルアップしています。
特にActiveTrackは6.0となり顔自動検出やダイナミックフレーミングなどを使えば、カメラ任せでも美しいフレーミングで撮影する事ができます。
動く被写体を撮影する動画ではピントやフレーミングまで考えて撮る余裕が無いのが普通ですが、DJI Osmo Pocket 3なら誰でもプロが撮ったような構図で撮影が可能です。
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
1インチの大型センサー搭載という事で、期待したいのはやはり低輝度下での画質です。
今回はDJI Osmo Pocket 3の売りの機能のひとつでもあるハイダイナミックレンジ「HLG」で撮影したのですが、低輝度下でも驚くほどノイズの少ない諧調豊かな表現ができました。
正直に言ってこれは期待以上で、作例として挙げた画像についても肉眼では真っ暗に近い状況でしたが驚くほどディテールが良く出ています。
ジンバルとしての動きの滑らかさや自然さも、さすがジンバルのトップメーカーとして長年製品開発をしてきたDJIと思える非常に質の高いものでした。
歩行中のタテブレや方向転換をした際のパーンなどとても自然で、多少雑に動いたとしても見やすい動画を撮影できるのでは?という感触です。又、停止した状態でも補正が良く効くので、まるで三脚で固定して撮影したような安定した画を撮影する事ができました。
なんちゃってクレーンをしてみたりと、アイデア次第で多彩な映像表現に使えそうです。
クレーンショットのようなこちらの映像もDJI Osmo Pocket 3で撮影しました。機材はこれだけ!もちろんクレーンの安定感には敵いませんが、アイデア次第で色々と可能性が広がるカメラです! https://t.co/04m5558TDp pic.twitter.com/YdPbRQoRqL
— フジヤカメラ店 動画館 (@fujiya_dougakan) November 9, 2023
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
モーションラプスが簡単に楽しめるのもDJI Osmo Pocket 3の特徴です。
最近のデジタルカメラの多くがインターバルタイマー機能を持っているので、タイムラプス撮影はそれほど難しくありませんが、カメラを動かしながらのタイムラプス「モーションラプス」となると、ジンバル無しでは難しく一気に敷居が高くなります。
DJI Osmo Pocket 3ならカメラとジンバルが一体になっているので、モーションラプスをタイムラプスとさして変わらない簡便さで楽しむ事ができます。
メーカーのHPには16分で80%まで充電、30分そこそこでフル充電できると書いてあったので、ホントにそんな短い時間でできるのか試してみました。
結果から言うとこれは大失敗で、15分強の充電時間で30%程しかプラスになりませんでした(それでもなかなかのスピードですが)。失敗の原因は簡単!充電器にPD対応のものを使わなかったからです。
4K画質での撮影はバッテリーの消費が非常に大きいので、4Kで長時間の撮影をするならDJI 65W PD規格対応充電器(別売)を購入しておく事をおすすめします。
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
画像にマウスを合わせると拡大表示します
画像をスワイプすると拡大表示します
暗い場所での撮影でOsmo Pocket 3とPocket 2を比較するとノイズの差は歴然です。
同じ条件で比べてみると、Osmo Pocket 3では十分な明るさと諧調を持って撮影できているシーンでも、Pocket 2だと暗くノイズが多いザラザラの画になってしまいました。
これだけでPocket 2をOsmo Pocket 3に買い替えても良いのでは?と思えるほどインパクトのある程、2機種の性能差は大きそうです。
使い始めて最初に思ったのは一回り大きくなったサイズがとても使いやすいと感じた点です。
2インチのモニターが見やすくなった事は勿論、カメラを握った感じもしっくりとくるので、Pocket 2よりも操作の失敗が少ないように感じました。
ポケットに入れるには少し大きい点と、手のひらからはみ出す大きさなので撮影時は少し目立ってしまう点がデメリットでしょうか。
今回Osmo Pocket 3を使ってみて、ジンバルカメラとしてデメリットと思えるような事はほぼ感じられませんでした。
敢えて言うと三脚穴が付いたハンドルに少しガタがある事に多少不安を感じる程度です。
サイズや使い勝手、画質の面でジンバルカメラの決定版と言っていいだけでなく、ミラーレスをジンバルに載せて使うよりもずっと簡便に使えるので、幅広い用途に使いやすいカメラとなっています。
持ち運びやすく簡単に使えるというジンバルカメラの特徴にプラスして、ミラーレスカメラ並の画質の高さがOsmo Pocket 3最大の特徴です。
特に低輝度下での画質の高さは今回のテストで最も驚かされるポイントのひとつでした。
スマホの延長線上の気軽な撮影から、画質にこだわりを持って撮影したい本格的な映像制作まで幅広いユーザーに使いやすい機種である事はOsmo Pocket 3を選ぶ大きなメリットです。
DJI Osmo Pocket 3はジンバルカメラの決定版とも言える機種で、簡単に美しい映像を撮影する事ができます。
設定などをあまりいじらなくても綺麗に撮れるので、スマホの延長線上として使いたいという方にもおすすめです。
それでいてジンバルカメラらしい滑らかで動きのある映像を幅広いロケーションで撮る事ができるので、知識は無いけどインパクトのある見やすい動画を撮りたいというユーザーにおすすめです。
逆に本格的な映像制作をしているハイアマチュア以上のカメラマンにもおすすめです。
1インチセンサーの動画は滑らかで美しく暗所でのノイズの少なさは特筆すべきレベルにあります。
非常にコンパクトで、ミラーレスカメラやシネマカメラなどレンズ交換できる本格的なカメラと一緒に持ち歩いても荷物にならないので、本格的な映像制作をしているユーザーのサブ機としてもおすすめです。
» 詳細を見る
Photo & Text by フジヤカメラ 北原