マイクロフォーサーズはオールラウンドなシステム
高性能なフラッグシップ機でありながらコンパクトなOM-1
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO はアクティブ派におすすめ
OMSYSTEM OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROを使って24時間写真三昧!
【9:00】ハイレゾショットを使って高精細な風景写真をゲット!
【10:00】ライブNDを使って涼しげな渓流を表現
【12:00】背景を大きく取り込める広角でランチシーンをSNSに投稿
【15:00】深度合成を使って映えるフリマサイトの商品写真を撮影
【17:00】やっぱりスナップには50mm
【20:00】強力な手ぶれ補正でよゆ~のナイトスナップ
【22:00】ライブコンポジットを使って夜景撮影
丸1日OMSYSTEMとつきあってみて
OLYMPUSはOM SYSTEMになってもOMはOMだった!
作例に使用したカメラ
OMSYSTEM OM-1
作例に使用したレンズ
OMSYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO
まとめ
OMSYSTEMがつくるマイクロフォーサーズのカメラは、スモールセンサーの長所を活かしつつ、短所を性能や機能で上手く補っている優れたシステムです。
画素数を大きくできるハイレゾショットや、高感度性能を強力にバックアップする高性能な手ぶれ補正、ショートフランジバックを活かした高性能な広角レンズなどがそれで、フルサイズ機に決して劣らないオールラウンドなシステムとなっています。
特に今回使ったOM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは、1日通して幅広いシチュエーションに対応できる幅広いユーザーにおすすめできる組み合わせです。
フラッグシップ機の定義は難しいですが、プロの幅広いニーズに対応できる全ての機能がハイレベルな機種、と言えるのではないでしょうか。
OMSYSTEM OM-1はOMSYSTEMの最先端の機能が、定評のある堅牢なボディに集約された、まさにフラッグシップと言うに相応しいカメラとなっています。
それでいて、全面的に見直された操作性や、コンピュテーショナル フォトグラフィなどアマチュアが快適に写真を楽しめる機能も充実しており、まさに「人生にもっと冒険を」そんなカメラとなっているのです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO は、アクティブに写真を撮りたいユーザーにおすすめです。
超広角とは思えないコンパクトさや、標準を含む画角、全域で明るさがF4に固定されている事は、幅広い被写体に対応しやすいメリットがあるからです。
ほぼハーフマクロ(35mm判換算)と言っていい高い近接能力も魅力で、ネイチャーは勿論、スナップや旅カメラとしてもオールラウンドに使う事ができるでしょう。
今回は、上記の組み合わせで「一日中写真を楽しむ」をコンセプトに実際に使ってみました。
テストでは無いので、画質や描写性能を主眼には置かず、OMSYSTEM OM-1の持つ機能をできるだけ幅広く使いながら、M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの特徴を活かすように意識しながらの撮影です。
結果として、写真を撮る事を満喫する事ができたと思います。
以前OMSYSTEMのカメラを使った際に、積極的に活用したいと感じた機能にハイレゾショットがあります。
使う事で画素数がアップして画質が向上しますし、レンズの焦点距離がフルサイズよりも短いおかげでシャープなパンフォーカスが出しやすいマイクロフォーサーズシステムにぴったりの機能だと思ったからです。
OM-1のハイレゾショットは処理スピードも速く、快適に使う事ができます。
同じフレーミングで画質の差を確認してみましょう。
上の作例はノーマル、ハイレゾショットをそれぞれ同一フレーミングで撮影した写真の部分拡大です。画素数が多い分ハイレゾショットで撮影した方が高精細に再現されているのがわかると思います。
今回の撮影ではより効果の高い三脚ハイレゾを使いましたが、気軽に使える手持ちハイレゾもあるので、三脚が無い場合はそちらを使っても良いでしょう。
夏の撮影ではライブND機能が威力を発揮します。
NDフィルター無しではスローシャッターを切るのが難しい、夏の日中の撮影でもスローシャッターを使った涼しげな水の流れを表現できて、非常に便利に感じました。
OM-1ではND64(6段分)まで対応しているので、かなり明るい場所でもスローシャッターが使えます。
撮影中に仕上がりをイメージしやすいのもライブNDが使いやすいポイントです。
スローシャッターを使った流れの表現は、シャッタースピードによって大きくイメージが変化します。ライブNDならファインダーにイメージがリアルタイムに表示されるのでシャッタースピードを調整しやすいのです。
細かく設定を変えてイメージどおりの表現を想定出来るのはライブNDの大きな長所です。
夏の暑い撮影は熱中症の危険もありますので、こまめな休憩や水分補給が重要です。そんなちょっとした休憩時間に撮影したひとコマです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO は超広角でなおかつ近接撮影にも強いので、背景を広く取り入れた広角マクロの撮影にも向いています。どんな場所で撮ったのか、そんな情報を入れつつ被写体を絞って撮れるのは広角マクロが楽しいポイントです。
東京の酒蔵の中でもトップクラスの美味しさと評判の澤乃井に舌鼓!と言いたいところですが、撮影中はお酒を飲まない主義なので、おちょこを持参してイメージだけ写真に収めました。
最近はフリマサイトに商品を出品して楽しむ方も多いと思います。そんな時便利な機能が深度合成です。
ピントの位置をずらしながら複数枚の画像を撮影し合成する手法ですが、絞りを絞るのとは違い背景をボカしつつ被写体のみピントを深くできるのがメリットとなります。深度合成で撮影した作例をみると、カメラ軍幹部全体にピントが合っているのに、背景は大きくボケているのがわかると思います。
スナップ写真では超広角は少し持て余す。そんな声を聞く事があります。
私もスナップに好んで超広角を持ち出す事は少なく、通常は35mmや50mm、場合によってはより狭い画角の85mmを持って行く事もあるくらいです。
標準レンズの画角を含んだM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROはそれだけで使えるシチュエーションが大きく広がるレンズと言えるでしょう。
手ぶれ補正機能の優劣をただ暗い場所でも撮れると思う方も多いと思いますが、実は違います。
強力な手ぶれ補正がある事でスローシャッターを切る事ができる→ISO感度を下げる事ができる→画質の向上が期待できるので、実は手ぶれ補正の優劣で画質が変わる事があるのです。
特にマイクロフォーサーズのような小さなセンサーのカメラは強力な手ぶれ補正の存在は大きな武器で、画質の向上に一役買っているのです。
夏の猛暑を避けて撮影するなら夜景や星景がおすすめです。
ライブNDとならんでOMSYSTEMが提唱するコンピュテーショナル フォトグラフィの楽しい機能のひとつがライブコンポジットです。ライブコンポジットは通常は画像処理として撮影後に行う「比較明合成」をボディ内で行う機能で、その場で仕上がりのイメージを把握できるのがポイントとなっています。
モニター上で光跡が伸びていく様は、見ているだけでなかなか楽しい機能です。
先ずは、予定していた星野と日の出の写真が天候と時間的制約で撮影できず「24時間」にならなかった事をお詫びします。
それでも、ほぼ丸一日OMSYSTEMのカメラを使ってみて感じたのは、使っていて楽しいカメラだという事です。
オールラウンドに使えるハイレベルなシステムである事は勿論、コンピュテーショナル フォトグラフィの使用感が以前よりかなり向上しており、積極的に写真で遊べるカメラだと感じました。
残念だったのは趣味で撮っている星野写真に使える機会がなかった事で、赤い天体の色がどこまで出るかなどを検証できなかったのが心残りです。
OM SYSTEMにブランドが変更されてから1年強が経過しました。
OLYMPUSというブランドには人それぞれイメージがあると思いますが、個人的に強いイメージを持っているのは、高い防塵防滴性能を筆頭にアウトドアの過酷な条件での使用に耐える堅牢性があるという事です。
最近、SNSなどで「あまりの暑さでカメラが止まってしまった!」といった声を聞く事があります。今回の撮影も30度を超える炎天下の中行いましたが、OMSYSTEM OM-1は止まってしまう事はおろか動作が不安定になる事もなく、正常に作動をつづけた事を付記しておきたいと思います。
OLYMPUSがOM SYSTEMになっても、そのカメラ製造におけるスピリッツは変わらないと感じた瞬間です。
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Photo & Text by フジヤカメラ 北原