Canon(キヤノン) より発表された、フルサイズミラーレスカメラのスタンダードモデル「EOS R8」の特徴や性能を解説、旧モデルやライバル機種と比較します。
EOS R8はEOS R6 MarkIIから高い画質を受け継ぎながら、軽量化やコスパの高さを重視して省略するべき部分を適度に省略した機種です。
Canon RFマウントカメラの中でも特に性能と価格のバランスのいいEOS R8について解説します。
EOS R8 の特徴
EOS R6 MarkII と同等のセンサーを搭載した高画質モデル
上位モデルとの大きな違いはボディ内手ぶれ補正の省略と軽量化
Canon Rシステムの高画質を最も気軽に楽しめる機種
上位モデル EOS R6 MarkII との比較
手ぶれ補正の省略
被写体認識による優れたオートフォーカスや電子シャッターによる高速撮影は継承
バッテリーはコンパクトなLP-E17に
EOS RPとの比較
高感度ノイズの比較
高速連写と被写体認識で動体撮影ではEOS R8が圧倒的に有利
安すぎるフルサイズEOS RP
ライバル機種との比較
SONY α7IV
Nikon Z5
Panasonic LUMIX S5II
EOS R8 をおすすめしたいユーザー
エントリーモデルを超越した性能
フィルム写真経験者なら違和感を感じない
画質にこだわるユーザーにおすすめ
まとめ
Canon(キヤノン)EOS R8 は一言で言えばEOS R6 MarkII からボディ内手ぶれ補正ほ無くしたモデルです。
高感度性能が高い高性能なセンサーを上位モデルから受け継いでおり、実売で10万円以上高い(2023.02.21現在)カメラと同じ画質で撮れる事は大きなメリットと言えるでしょう。
併せて、評価の高い被写体認識AFや電子シャッター使用時の40コマ/秒、6Kからのオーバーサンプリングによる4K動画など、高速性や動画画質なども上位モデルと同等なので、コストパフォーマンスが高い事も特徴のひとつです。
EOS R8 と上位モデルとの大きな違いはボディな手ぶれ補正が省略されている事と軽量なボディです。
強力なボディ内手ぶれ補正は、手ぶれを防ぐという事は勿論、低照度下での手持ち撮影ではISO感度を低くできる事による高画質化というメリットもあるので、見逃せないポイントではあります。
しかし、勿論レンズでの手ぶれ補正(IS)は使用できますし、例えば風景のような被写体では自然な被写体ぶれを表現するといった意味でも三脚の使用が有効なので、ボディ内手ぶれ補正の有無も撮影者の使い方しだいと言えるかもしれません。
長焦点のレンズによる大きなボケ、高感度ノイズの少なさ、最近のモデルであれば高速な被写体認識AFなど、フルサイズミラーレスカメラには多くの魅力があります。
EOS R8 はそれら全てを高いレベルでもっており、最も気軽にCanon のフルサイズミラーレスの良さを味わえる機種と言えるでしょう。それでいて軽量コンパクトな取り回しの良さは、始めてのCanonフルサイズミラーレスとしてもおすすめです。
又、上位モデルと同じ最新のセンサーを搭載している事は、長く使えるカメラとして安心して購入できるのではないでしょうか。
先に述べたとおり、EOS R8 はEOS R6 MarkII からボディ内手ぶれ補正を無くしたような機種です。
しかし、標準ズームとして設定されているRF24-50mm F4.5-6.3 IS STMをはじめ、RF35mm F1.8 MACRO IS STMやRF85mm F2 MACRO IS STMといったEOS R8 にピッタリな明るい単焦点レンズ、高性能なLレンズの多くがレンズ内手ぶれ補正を搭載しているので、多くの状況でその差は小さいかもしれません。
勿論、ナイトスナップなど一部の状況ではISO感度の違いによるノイズの差など、画質に影響する差が出て来るケースもあり得るので、予算や使い方でどちらを選ぶかを考えるのが良いでしょう。
EOS R8 を非常に魅力的にしているポイントに評価の高い最新の被写体認識を搭載している点があります。
被写体認識は、機能としては同じ名前でも、機種により精度やスピードに違いがあるのが普通ですが、EOS R6 MarkII のそれはユーザーからも高い評価を得ているものなので安心です。
EOS R8 の被写体認識は人物は勿論、動物や乗り物にも対応しており、初心者でもプロ並みの精度でオートフォーカスを使う事ができるので、撮る被写体が決まっているならトラッキング対象に含まれているか確認しておくと良いでしょう。
個人的に最も残念な点はバッテリーが小型のLP-E17な点です。
自分でもLP-E17を使うEOSを使っているのですが、やはり電池の持ちが悪く、状況に応じてモニターを閉じて使うといった工夫をしなければならず煩わしさを感じています。このあたりはベテランのカメラマンのサブ機としては少し物足りない点です。
バッテリーの持ちによりどのくらい撮影に支障が出るかはユーザー次第ですが、バッテリーを気にしながら撮るといった煩わしさから開放される為にも、予備のバッテリーを持つことをおすすめします。
作例はISO6400で撮影したEOS R6 MarkIIとRPの画質比較ですが、高感度ノイズの発生はR6 MarkIIが圧倒的に少なくなりました。ノイズだけでなく、カラーバランスが鮮やかな事や立体感に富む描写など画質の差は歴然と言っていいでしょう。
EOS R8はR6 MarkIIと同等のセンサーを搭載しているので、これと同じ差があると考えて良いでしょう。
EOS RPの発売は2019年なので4年前の機種になり最新のセンサーを搭載したEOS R8 と比べれると古さが目立ちます。
EOS R8 の優れた点に、フルサイズでありながら上位モデル譲りの高速さがあります。
特に、被写体認識によるオートフォーカスのスピード、精度は他メーカーと比較しても優れており、上位モデルの快適さを味わう事ができます。
40コマ/秒の高速連写や高画質の動画など、動くものを撮影する際も快適に撮影できる点がEOS R8 を選択する大きな理由になるでしょう。
EOS RPの優れている点は、価格の安さにつきます。2023年2月21日現在の価格はEOS R8 の半分以下で、これはAPS-Cサイズセンサーを搭載したエントリーグレードモデルと比較できるレベルで、正直、安すぎると感じますが、多少の不便を我慢してもコストを抑えたい、動くものは撮らない、暗い場所では撮らない、といった事ならこの安さは大きな魅力です。
しかし、様々なシチュエーションや被写体を撮りながら長く使いたいなら、最新のセンサーと被写体認識AFを搭載したEOS R8 がおすすめです。
SONY α7IV はフルサイズミラーレスのベンチマークとも言えるバランスのいい機種です。3300万画素の高画素センサーは2400万画素のセンサーと比較しても遜色ないノイズの少なさで、一般的な撮影ならば動画も含めて幅広いユーザーに過不足なく使う事ができる機種と言えるでしょう。性能に定評のある幅広いレンズラインナップも魅力です。
EOS R8 のメリットは価格の安さと軽量コンパクトさ以外にも、Canonのカメラである点も見逃せません。
今でも多くのプロカメラマンが愛用するCanonは、今後レンズラインナップも充実してくるでしょうし、カメラの老舗メーカーらしい美しいカラーバランスなど魅力も多いからです。
Canon RPとならんでリーズナブルな価格のフルサイズミラーレスとしてNikon Z 5があげられますが、EOS R8 と比較すると、RP同様、旧型のカメラである事がマイナスとして浮かんで来ます。
センサーは裏面照射型ですらありませんし、連写速度も4.5コマ/秒と被写体認識AFが旧式である事とならんで動くものの撮影には不向きと言えるでしょう。
しかし、上位機種ゆずりのつくりの良さや、Sラインに代表される高性能なNikon Zマウントのレンズを使える事は大きな魅力です。
EOS R8 と比較的似たコンセプトで登場したのがLUMIX S5II です。
LUMIX S5II はボディ内手ぶれ補正を搭載しているので、動画まで含めた手ぶれ補正という意味ではEOS R8 よりも優秀で、価格も大きな違いが無い事から(2023.2.21現在)かなりお得感があります。Panasonicのカメラらしく動画撮影では6Kを含む多彩なフォーマットに対応しているのも魅力です。
オートフォーカス、特に被写体認識AFについてはCanonの方が実績があり、特に同等のセンサーと被写体認識AFを持つEOS R6 MarkIIの評価が非常に高いので、オートフォーカスで選ぶならEOS R8 と言えるでしょう。
EOS R8 の魅力は、リーズナブルな価格でCanonの最新の画質と高性能な被写体認識オートフォーカスを楽しめる点です。
防塵・防滴構造の採用や骨格となるシャーシに高い剛性と放熱性を有するマグネシウム合金を採用するなど、上位機種に迫る耐久性を持っている事も見逃せません。
小型軽量なエントリーモデルというといった印象とは裏腹に、イメージを超越した高い性能を持っている事はEOS R8 の大きな特徴です。
少々詭弁かもしれませんが、フィルムから写真をやっているユーザーには違和感の無い機種かもしれません。
フルサイズである事でフィルムと同じ感覚でレンズを使う事ができますし、手ぶれ補正が無い事も三脚の利用でデメリットの多くを回避できます。逆に風景などではスローシャッターで動きを表現する事も多いので、下手に手ぶれ補正がある事で三脚の持ち歩きを面倒に思う事が表現の幅を狭くしてしまう事すらあるでしょう。
そうった意味で、Canonのカメラを使ってフィルムカメラと同じような感覚でトラディショナルに写真を楽しみたいユーザーにおすすめしたい機種です。
実はEOS R8 を最初に見た時、風景写真に向いたカメラだなと感じました。小型軽量なボディは持ち歩きの多い風景写真では大きなメリットですし、手ぶれ補正が無い事も三脚を使った精密なフレーミングをするのが普通な風景写真を撮るユーザーにはマイナスとはなりません。
防塵防滴構造は天候を問わず屋外での撮影がメインとなる風景写真にはありがたいですし、新しいオートホワイトバランスアルゴリズムは鮮やかな発色で季節をみずみずしく写しとめてくれそうです。
何より立体感に富んだ高精細な写真をつくりだす最新のセンサーを搭載しているので、画質にこだわるユーザーには最適の機種と言えるでしょう。
・Canon EOS R8 は一言で言えばEOS R6 MarkII からボディ内手ぶれ補正を無くしたモデルです
・最新の高性能センサーを搭載した高画質が魅力です
・高性能な被写体認識オートフォーカス機能を搭載しています
・防塵防滴やマグネシウム合金製のシャーシなど耐久性も実用的です
・バッテリーは小型のLP-E17です
カメラ選びの参考にしていただければ幸いです。
【商品情報】Canon(キヤノン)EOS R8
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