SON α7R Vの特徴と操作性
全画素読み出し8Kの圧倒的な解像度
6.2Kオーバーサンプリングによる4K収録
自在な調整ができる新開発4軸マルチアングル液晶モニター
写真は有効約6100万画素の解像度
実写レビュー
8K映像の解像感
6.2Kオーバーサンプリングによる4K動画
S-Cinetoneの表現力
写真は有効約6100万画素の解像度
SONY α7SⅢとの比較
解像度
ハイスピード撮影
高感度耐性
SONY α7R Vをおすすめしたいユーザー
映像も写真も本格的に運用したい方
高精細さを重視する方
8Kや4K 60pでは約1.2倍相当の画角になる
ハイスピード撮影
まとめ
α1や他社カメラでも可能なため、8K収録ができること自体に新鮮さはなくなってきましたが、実際に撮影してみるとやはりこの小型なボディで長時間8K収録ができることに驚きと感慨深いものがありました。
全画素読み出しによる豊富な情報量と高精細さで、美しい映像が撮影できることはもちろんのこと、編集の際のクロップや画角調整、デジタルズームなど後から調整できる幅が大きいことも8Kの嬉しいポイントです。
さらに4K撮影では6.2Kオーバーサンプリング(24p、30p)となっており、4K撮影も高精細。4K撮影は60P(6.2Kオーバーサンプリングではなく通常の4K撮影)まで選択ができ、滑らかな映像や約2倍のスローを得ることができます。
8K撮影では10bit 4:2:0までとなるため、カラーグレーディングで追い込みたい場合は、10bit 4:2:2で撮れる4K撮影がメインとなりそうです。
SONYのミラーレスカメラでは初となる4軸マルチアングル液晶モニターが採用されております。特にローアングルの撮影で非常に使いやすく、レンズの光軸上でモニターを動かせるため、ストレスフリーで撮影をすることができました。
これまで主流だったバリアングルも便利ではありましたが、横開きの際に、ぶつけたり引っ掛けたりと破損事例も多く、角度調整だけで手軽に、安全にハイ・ローアングルの撮影ができる今回の改良はとても嬉しいポイントです。
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最新の画像処理エンジンBIONZ XRが採用されており、イメージセンサーの解像性能を最大限に引き出すことが可能となりました。有効約6100万画素の解像度と相まって、35mmフルサイズイメージセンサー搭載デジタルカメラの中で最高クラスの解像表現となっております。動物を撮影した際も、画像をどこまで拡大しても毛流れが鮮明でとても驚きました。
実際に撮影した動画です。動物を撮影してきましたので、実際の解像感などが伝われば幸いです。
お猿さんの毛づくろいシーンやモコモコな冬毛仕様になったプレーリードッグを8Kで撮影しました。公式サイトに「臨場感あふれる高精細動画」とありますが、動物の毛並みや息遣いがまさにその場にいるかのような感覚にさせてくれました。
6.2Kの豊富な情報量から4K映像を出力をすることが可能です。8Kの解像度が必要ない場合や、4:2:2 10bitで色情報を確保したい場合でも高画質な映像を収録ができます。
人の肌を描写する際に評価の高いS-Cinetoneですが、中間色に限らずハイライトの柔らかさやシャドウ側のコントラストの高さなど非常にバランスが良く、発色もナチュラル。カラーグレーディング不要で上質なルックに仕上がります。
撮って出しの映像制作や、納品までスピード感が求められる案件ではこのS-Cinetoneを使用することでカラグレ作業は最小限に抑えることができます。
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写真性能は、35mmフルサイズイメージセンサー搭載デジタルカメラでは最高クラスの有効約6100万画素。細部のディティールや質感が何倍に拡大しても残っており圧巻でした。
近年では写真を組み合わせた映像表現も増えており、映像と写真ともに高精細に記録できるα7RVはクリエイティブの幅を広げてくれる一台となりそうです。
解像度はα7RVに軍配が上がります。α7SⅢは4K撮影までなのに対し、α7RVは8K撮影が可能です。またスチル性能に関しても、α7SⅢは約1210万画素なのに対し、α7RVは約6100万画素と大きく差が開いております。
対して、ハイスピード撮影に関してはα7SⅢに軍配が上がります。α7SⅢは4K120pまで撮影が可能なのに対し、α7RVは4K60pまで(1.2倍の画角変動)となります。多くの撮影が60pで問題ないかと思いますが、M VビデオやW E B C Mなど多くの表現が求められる映像では物足りない可能性があります。
高感度耐性もα7SⅢに軍配が上がります。α7RVではISO 100−32000相当に対して、α7SⅢはISO 80-102400(拡張:上限409600)となっております。
8K映像(24p、10bit 4:2:0)の内部収録、4K映像は6.2Kオーバーサンプリング、そして写真では6100万画素と、ともに高いパフォーマンスを発揮してくれます。
また、A F性能の向上やブリージング補正機能など、αシリーズの魅力を満遍なく搭載したバランスの優れたカメラとなっております。
人物の繊細な肌表現や、自然や風景を高精細にダイナミックに撮影をされたい方には特にオススメできるカメラとなっております。
最新の画像処理センサーBIONZ XRとG Masterをはじめとするαレンズの高い光学性能を組み合わせることによって容易に圧巻の映像や写真が撮影できます。
高解像度とバランスに優れたα7RVですが、残念なポイントもあります。そのひとつが8Kや4K60pでの撮影時に1.2倍相当の画角になる点です。
クロップを想定してレンズ選択やアングルを切ればよい話ですが、出来るだけワイドに捉えたい場合などにデメリットになります。
4K撮影では60pまで、120pで撮影したい場合はF H Dとなります。近年では4K120pで撮影できるカメラも増えてきているためこの点に物足りなさを感じてしまいます。
前項でα7SⅢとの比較をしましたが、8K動画を必要としない場合は、高感度耐性も含めα7SⅢの方がより映像に特化したカメラと言えそうです。
Photo & Text by フジヤカメラ 佐藤