序章
機材選び
カメラ
レンズ
三脚
雲台
L型プレート
レリーズ
ソフトフィルター
露よけヒーター
冬の星景写真の撮り方と注意点
冬の主な星座と星
フォトギャラリー
まとめ
作例に使用したカメラ
SONY α7R III / α7S III
Canon EOS R6 / EOS 6D
作例に使用したレンズ
SONY FE 14mm F1.8 GM / FE 20mm F1.8 G
SAMYANG MF 14mm F2.8 MK2 ソニ-E
Canon RF35mm F1.8 マクロ IS STM / EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM
Night Photographer NORI YUASA。リアルネイチャーフォトグラファーでありながらファンタジックなフォトも得意とする。星空を中心とした「星景写真」が得意だが、姫蛍、光るキノコなど、夜に自然に光る物を良く撮っている。ソニーイメージングプロサポート会員。星のソムリエ(星空案内人)、NORI星景写真講座主催。
Youtube NORI PHOTO
https://www.youtube.com/channel/UCfRfa-AKVqwPwgyrI0aWf0Q
こんにちは。星景写真家の湯淺です。
いよいよ冬の星座の登場となってきましたね。夏の濃い天の川とともに、冬の明るい星たちは星景写真のハイライトとなります。今回はそんな冬の星景写真の撮り方についてお話します。
冬の星空を代表する星座には、明るく名前の知られた1等星が多く、1年の中では最もゴージャスな星たちとなります。
昇る冬の星座
SONY α7S Ⅲ・FE 14mm F1.8 GM
絞りF1.8開放・15秒×10枚スタック・ISO3200・AWB・RAW
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また、明るい1等星以外でも肉眼でも見える星雲や星団、さらに薄いながらも天の川と魅力的な被写体が揃っています。
撮影に必要な機材ですが、基本的にはカメラ・レンズ、そして三脚となります。
カメラは長時間露出が可能なカメラであればたいていは星空を撮ることができます。
今ではスマートフォンでの手持ち撮影で星が撮れる時代ですが、ある程度綺麗に撮りたいのであれば、やはりそれなりのカメラは必要になってきます。
お勧めとしてはセンサーサイズがAPS-Cサイズより大きなカメラとなるでしょう。一眼レフやミラーレスが向いていますが、今でしたら機能的に便利なミラーレスの方が星空の撮影には向いていると思います。
中でも最適なのはフルサイズミラーレスということになるでしょう。センサーサイズが大きい方がキレイに撮れますが、中判サイズとなると明るいレンズが無いので、あまり星空向きとは言えません。
レンズは、固定1枚撮りの場合は明るいレンズが必要です。具体的には絞りF2.8より明るくないと、冬の天の川のような暗い星々を撮影するのは難しくなってきます。F1.4ともなれば固定撮影でも十分にキレイな写真が撮れます。
また、冬の主な星空をすべて写したい、という場合は超広角レンズ、あるいは魚眼レンズが必要になってきます。14mmと20mmがあれば星景写真には重宝すると思います。
三脚はできるならしっかりしたものを使いましょう。
風景や星空をこれからも撮っていきたい、と言う方はそれなりに三脚や雲台にも気を使う必要があります。安心なのはやはりGITZO(ジッツオ)、最近はLeofoto(レオフォト)なども人気です。
クルマ移動が主で、大きくても気にならないのであればできるだけ径が太く段数の少ないものを選びましょう。
雲台は自由雲台が基本と言われていますが、私は構図の調整が楽なギア雲台をお勧めしています。
ポータブル赤道儀を使う方はよく考えて雲台を買わないと、イマドキの低重心でたくさんのノブがついた雲台は自由な構図が撮れなくなるので注意しましょう。
今はアルカスイス互換でのカメラ脱着が主流なので、カメラ側にもアルカスイス互換のL型プレートを装着している方が多いです。私もすべてのカメラに装着しています。
L型プレートは、各機種の専用品は良いのですが、バリアングルモニターの場合は、可動域をよく確かめましょう。私はバリアングルモニター機には専用品を使わず、汎用品で右手側にプレートを装着しています。
こうすることでバリアングルモニターはフリーになり、左にケーブル類を装着した場合も邪魔になりません。
これら以外の機材で必要になるのは、カメラによってはレリーズが必要になります。
イマドキのミラーレスカメラはバルブタイマーやインターバルタイマーがあるので必要性は少なくなっています。
星景写真では明るい星を目立たせたり、星の色を出すためにソフトフィルターを使うのがわりと一般的です。
ソフトフィルターはレンズの前端ではなく後端に装着しないと、周辺の星がみっともなく伸びてしまいます。理想的にはレンズの内側にフィルターホルダーがあるものが良いでしょう。
場合によっては露よけヒーターが必要になります。
特に秋ごろは山や高原では露がひどいので必須になります。真冬はさほど湿度がないので必須とは言えませんが、長時間露光(日周運動など)するような場合は装着しましょう。
長時間露光
SONY α7R Ⅲ・SAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMC
絞りF3.5・20秒x240枚・ISO2000・WB AUTO・RAW
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冬の星景写真ですが、特に変わった撮り方が必要なわけではありません。基本は何も変わりません。
気を付けることといえば何より寒さ対策になるでしょう。特に山では予想外に風が強かったりするので十分な寒さ対策をしましょう。服だけでは厳しい場合もあるので、顔(鼻や耳)や頭にも注意しましょう。足も予想外に冷えます。靴もスノーブーツなどを活用しましょう。カイロも2個は用意した方が良いです。私はハクキンカイロを使用しています。
私は氷点下でも基本的に手袋をしないので、ポケットのカイロは助かります。
寒さ対策はカメラ機材にも必要です。
特に寒いところだと、あっと言う間に機材が凍り付くことも少なくありません。
防水のケースなんかもいいんですが、面倒だと思いますのでカメラには黒いタオルなどを被せたりするのも有効です。
冬の星空を代表する星座には、明るく名前の知られた1等星が多く、1年の中では最もゴージャスな星たちとなります。
中でも冬の大三角、あるいは冬のダイヤモンド、と呼ばれる明るい星の並びはぜひ知っていただいて、撮影の際にはどう利用するか考えていただければと思います。
SONY α7R Ⅲ・FE 14mm F1.8 GM
絞りF1.8開放・15秒・ISO3200・WB AUTO・RAW
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①冬のダイヤモンドは、6つの1等星、おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲル、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス、こいぬ座のプロキオン、を結んでできる6角形です。
②冬の大三角は、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスを結んでできる3角形です。
これらの明るい一等星の中でもベテルギウスとアルデバランは歌のタイトルにもなっているので、名前はとても知られている星です。
ペテルギウスとアルデバラン
SONY α7R Ⅲ・キヤノンEF8-15mm F4 L Fisheye・マウントアダプター使用・15mmで撮影
絞りF4・30秒追尾+固定2枚・ISO3200
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星景写真としては全体的に、白っぽい星が圧倒的に多い中、貴重な赤っぽい1等星として知られています。写真ではオレンジっぽく写ります。ぜひ色をちゃんと出すように撮影しましょう。
③今年の大きな特長(火星)
今年は冬の星座の中心部分に、接近中の明るい火星が加わります。
明るい火星
SONY α7S Ⅲ・FE 14mm F1.8 GM
絞りF2.2・15秒・ISO4000・WB AUTO・RAW
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火星は目立つ赤い色も魅力ですね。12月1日に最接近して、明るさはだいたい-2等級になります。他の1等星より明るくなってます。急に近くなるわけではないので、11月後半から1月くらいは狙い目になります。
火星は惑星なので星座の中で位置を変えますが、超広角や広角が主体の星景写真では、この冬はだいたいこのあたりにいる、と考えていいでしょう。
Canon EOS R6・RF35mm F1.8 マクロ IS STM
絞りF1.8・30秒追尾+固定2枚・ISO6400・WB AUTO・RAW
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SONY α7SⅢ・FE 20mm F1.8 G
絞りF2.0・8秒・ISO3200・WB AUTO・RAW
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Canon EOS 6D天体改造・EF8-15mm F4 L Fisheye
絞りF4・60秒追尾・ISO6400・WB AUTO・RAW
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Canon EOS 6D・Zeiss Distagon T* 21mm F2.8
絞りF4・120秒追尾+固定2枚・ISO1600・WB AUTO・RAW
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SONY α7S Ⅲ・FE 20mm F1.8 G
絞りF1.8開放・15秒・ISO6400
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SONY
α7R III ボディ ILCE-7RM3
◉発売:2021年6月4日
SONY
ILCE-7SM3 [α7S III]
◉発売:2020年10月9日
Canon
EOS R6
◉発売:2020年8月27日
Canon
EOS 6D
◉発売:2012年11月30日
Photo & Text by 湯淺光則(NORI YUASA)