SONY(ソニー) α7R Vの特徴や性能を解説、旧モデルα7R IVや他メーカーのライバル機種と比較します。
フルサイズ機の中でも最高クラスの解像性能を持つ「R」シリーズが正当進化!
6100万画素と、画素数こそ変化していないものの、高画素をより実用的に使える多彩な機能を搭載しています。
高画素機の代名詞とも言えるα7Rシリーズが正当進化!
SONY α7R V の特徴
6100万画素センサーとBIONZ XR によるα史上最高の解像性能
α史上最高、補正効果最大8段の強力な手ぶれ補正
さらに進化した被写体認識AF
最高クラスのファインダー性能
8K動画の内部収録
旧モデルα7R IVとの比較
最新画像処理エンジン搭載の意味
手ぶれ補正の進歩が高画素機をより実用的に
高画素機ならではの動画性能
使い勝手のブラッシュアップ
ライバル機種との比較
Canon EOS R5
Nikon Z 7II
FUJIFILM GFX50S II
SONY α7R V はこんなユーザー、使い方におすすめ
高画素機は気難しい印象だが、α7R Vは意外なほどオールラウンドに使える
高画素による高い解像性能を活かした風景写真
トリミングを前提にした動体にもおすすめ
まとめ
2019年にα7R IVが発売された時、正直に言って6100万画素のカメラなど必要なのか?と疑心暗鬼で使ったのを覚えています。
実際に使ってみると、驚くほどの解像感や滑らかな諧調表現に圧倒され、高画素機、絶対必要!とあっさり主旨替えをしたのですが、あまりに高解像である事から、わずかに感度を上げただけで細部のティテールが崩れるピーキーな一面がある事が気にならない訳ではありませんでした。
そんなα7R IVの正当進化モデル「α7R V」がついに発表!強力な手ぶれ補正が搭載された事でより使いやすい身近な機種となりました。
SONY α7R V の画像処理エンジンは、現在α1やα7IVに搭載されている最新モデル「BIONZ XR」。優れた画像処理エンジンのおかげで、画素数は6100万画素と旧モデルのα7R IVと同じながら、α史上最高の解像性能を持つカメラとなっています。
自らがもつレコードを更新したかたちですが、無理に画素数を追い求めずにセンサーのポテンシャルを引き出す方向で進化をしている部分には好感が持てます。
又、新たに搭載されたAIプロセッシングユニットにより、AWB時のカラーバランスが向上している点も、より失敗の少ない使いやすい機種になったという点で、見逃せないポイントです。
個人的にα7R Vの最も注目したいポイントは、手ぶれ補正が大幅に進化している事です。
他メーカーと比較してSONYのミラーレスカメラは手ぶれ補正の面でやや劣っていましたが、α7R Vの登場で一気に追いついた感があります。
高画素モデルはわずかなISO感度の違いが画質に影響しますので、補正効果8段(CIPA基準)の強力な手ぶれ補正が搭載された事は、α7R Vの価値を一段高めていると言えるでしょう。α7R IVを使った時に感じた画質についてピーキーだという懸念は、約2.5段効果が増した手ぶれ補正によってほぼ無効化されたと言えるかもしれません。
個人的に動くものを撮影する事も多いので被写体認識AFのお世話になる事が多く、SONYカメラの能力の高さや精度の高さに助けられる事もしばしばです。
α7R Vでは既に最新機種では搭載されていた「鳥」をはじめ、新たに「昆虫」「車/列車」「飛行機」が搭載され、より多くの被写体に対応できるようになりました。
又、旧モデルと比較して人物の瞳の認識性能は約60%、動物の認識性能は約40%アップしており、全体的に精度が向上している事も見逃せません。
高級機を選ぶメリットのひとつに、ファインダー性能が高く像がみやすい事が挙げられます。
純然とお金をかける事により性能を向上させる事ができる部分だからですが、α7R Vでは約944万ドットのクラス最高のOLEDパネルを使用、高精細なファインダー像を実現しています。
又、ファインダーフレームレートは120fpsが選択可能で、動体撮影でも滑らかな表示を確認しながら被写体を追従しやすくなっています。
α7R VはSONYのフルサイズミラーレスカメラとしてはα1に次いで8K動画に対応しました。フレームレートは24pとα1に劣りますが、8Kが撮れるようになった事は大きな進歩です。
4Kは60pに対応(約1.2倍クロップ)、現在のトレンドを追うかたちとなっています。
又、手ぶれ補正がアクティブモードに対応した事や、リアルタイムトラッキングの進化などもあり、画質以上に使い勝手の面で大きく改善されました。映像クリエーターの間で評価の高い「S-Cinetone」が搭載されている事も見逃せません。
α7R Vは画像処理エンジンをα7R IVより高性能な最新のBIONZ XRにすることで、センサーのポテンシャルを最大限発揮させ、α史上最高の解像性能を持つ機種となっています。
併せてAIプロセッシングユニットを搭載する事で、AWB時のカラーバランスの最適化とAF性能の向上がはかられており、高精細で安定した撮影が可能となりました。
6100万画素は旧モデルとなるα7R IVと同じ画素数ですが、画質や安定感は着実にアップしているのです。
α7R V | α7R IV | |
---|---|---|
画素数 | 6100万画素 | 6100万画素 |
画像処理エンジン | BIONZ XR | BIONZ X |
常用最高ISO感度 | 102400 | 102400 |
手ぶれ補正の効果が5.5段→8段に進化した事は、手ぶれしにくいという事以外にも大きな意味があります。
6100万画素の超高画素機ともなれば、わずかなISO感度の違いが画質に与える影響も大きくなります。手ぶれ補正効果が2段以上向上したという事は、例えば手持でISO3200を選択しなければならなかったシチュエーションでISO800を選択できるという意味で、着実に画質を向上させる事ができるのです。幅広いシチュエーションでカメラのポテンシャルを最大限発揮できるようになった事で、α7R Vはより使い勝手のいいカメラになったと言えるでしょう。
動画撮影時に効果の高い「アクティブ」モードに対応したのもポイントです。
α7R V | α7R IV | |
---|---|---|
手ぶれ補正効果 | 8段(CIPA基準) | 5.5段(CIPA基準) |
アクティブ | 対応 | 非対応 |
8Kは画素数になおすと約3,318万画素となり、高画素機でしか撮れない映像になります。現在SONYのフルサイズミラーレスカメラでこの画素数を満たすのはα1、α7R III、α7R IV、α7R Vの4機種ですが、画像処理エンジンの能力などにより、8K動画が撮影できるのはα1とα7R Vだけです。
最新の画像処理エンジンBIONZ XRを搭載したおかげで、α7R IVでは出来なかった高精細な動画撮影が可能となった事はα7R Vの大きな特徴のひとつと言えるでしょう。
併せてスーパー35mmモードでは6.2Kからのオーバーサンプリングによる4K動画が撮れるので、4Kでもより高精細な映像が撮影可能となっています。
α7R V | α7R IV | |
---|---|---|
最大サイズ | 8K | 4K |
4Kフレームレート | 60p | 30p |
4K カラーサンプリング | 10bit/4:2:2 | 8bit/4:2:0 |
ピクチャープロファイル | S-Log3 / S-Cinetone | S-Log3 |
個人的にはチルトモニター派なので、昨今流行のバリアングルモニターに不満を感じていましたが、今回は独自の4軸マルチアングル液晶モニターが搭載され、大きくガッツポーズしました(笑)
独自の4軸マルチアングル液晶モニターが搭載された事はかなり嬉しいです。メーカーの方に会う度にバリアングルモニターが使いずらい旨を訴えて来た甲斐がありました(笑)
咄嗟にウエストレベルで撮りたい時にモニターを開く手間が2アクションと1アクションなのは大違いですし、基本的に縦位置では撮らない動画撮影も撮りやすいと思います。ハンドルを使うならモニターは別に取り付ければ良いのです。
その他、フォーカスポイントが最大693点になり被写体認識が大幅に強化されているなど、他の現行機種に合わせる形で使い勝手が向上しています。
α7R V | α7R IV | |
---|---|---|
モニター | 4軸マルチアングル(横開き/チルト) | チルト(上下) |
フォーカスポイント | 693点 | 567点 |
被写体認識 | 人物/動物+/鳥+/動物+鳥/昆虫/車・列車/飛行機 | 人物/動物 |
ピクチャープロファイル | S-Log3 / S-Cinetone | S-Log3 |
バッテリー | NP-FZ100 | NP-FZ100 |
ライバル機種として最初に取り上げたのはCanon EOS R5です。いずれも非常に高性能な機種であり、カメラとしての性能にそれ程の差は無いように思います。動画性能や被写体認識などトレンドをしっかり押さえているあたりもさすがです。
敢えて重箱の隅をつつくように見ると、α7R Vは使用する高速メディアがCFexpress Type Aカードで、高額な事や一般的でない事が少し気になります。ここはポピュラーなCFexpress Type Bカードで良かったのでは?
対するSONYのメリットはシステムとして高いレベルにある事があります。特にレンズは全般的にCanonよりもコンパクトで、幅広く使いやすいレンズが揃っていると思います。
Nikon Z 7IIは、堅実なつくりと基本的をしっかりと押さえている、Nikonらしい真面目なカメラです。
とは言え、さすがに基本設計が古くなっており、発売当初高い評価を得たEVFについても、高級機で369万ドット(α7R Vは約944万ドット)はさすがに少なく、時代遅れな感は否めません。被写体認識も、瞳AF/動物AFだけなので、α7R Vと比較すると見劣りします。はやくZ9並みの被写体認識とオートフォーカスを持った機種が発売される事を祈るばかりです。
ライバル機としてあげましたが、α7R Vと比較するとスペック的には少し下のグレードに感じます。
例えば被写体を風景に限った場合、ラージフォーマットセンサーを搭載するFUJIFILM GFX50S IIは、SONY α7R Vの強力なライバルとなります。
余裕を持って5000万画素を実現できるラージフォーマットセンサーの豊かな諧調表現や、フィルムシミュレーションを使った美しいカラーバランスはいずれも風景写真にバッチリハマる特徴だからです。レンズのバリエーションが限られる、システムとしてサイズが大きい、様々な面でスピード遅い、といった短所もありますが、風景に限定すれば大きな欠点とはならないでしょう。
ある意味、ラージフォーマットカメラがライバルとなるところがα7R Vの凄いところかもしれません。
画素数を気にせずにオールラウンドに使える事がα7R Vの最大の特徴と言えるかもしれません。
強力な手ぶれ補正機能が搭載された事がその大きな理由ですが、手ぶれ補正の恩恵を受けやすい高画素センサーのカメラからこういった機能を搭載してくるあたり、画素数が多い事の長所も短所も知り尽くしたSONYならではの製品開発と言えるでしょう。
被写体認識に従来機種には無かった「昆虫」を追加してくるあたりも、小さなα7R Vでなければならない理由があって好感が持てます。
高画素による高解像な写真で真っ先に浮かぶのは風景写真ではないでしょうか。6100万画素の高性能センサーが描き出す肉眼以上に細かくシャープに描写された風景は、それだけで迫力があります。
コンパクトで高性能なレンズが幅広くラインナップされているのもα7R Vが風景写真に適している理由のひとつで、特にGマスターシリーズはクラス最高性能との呼び声も高く、風景写真にぴったりです。
先にラージフォーマットセンサーのカメラを比較対象としましたが、より取り回し良く幅広いシチュエーションに対応できるのはフルサイズ機のα7R Vです。
動く被写体をノートリミングで完全なフレーミングを実現するのは限りなく不可能に近い事です。慣れてくればそれに近くする事はできますが、やはりある程度トリミングの余地がある方が安全です。
α7R Vの6100万画素はピクセル数に直すと9504 x 6336、ちなみに私が愛用しているα7IV(3300万画素)は7008 x 4672なので、横方向のピクセル数で軽く30%以上大きな画像で記録できる事になります。
同じ画素数を残してこれだけ大きくトリミングできる事は失敗を少なくするという意味でも大きな価値がある事です。
・6100万画素センサーとBIONZ XRによるα史上最高の解像性能
・8段(CIPA基準)の手ぶれ補正
・944万ドットのOLEDパネルを使用した最高クラスのEVF(電子ビューファインダー)
・強力な手ぶれ補正によりISO感度を下げられるメリットも
・被写体認識に初めて「昆虫」が搭載
・動画はついに8K 24pに対応、4Kは60pに
・4軸マルチアングル液晶モニター
・CFexpressカードはType A、一般的なType Bで良かったのでは?
カメラ選びの参考にしていただければ幸いです。
【商品情報】SONY(ソニー) α7R V
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