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2022.10.15
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TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント 実写レビュー

TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント 実写レビュー

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM(富士フイルム)Xマウント用 の実写レビューです。

APS-CサイズセンサーのXマウントでは、35mm判換算で750mmまでの超望遠ズームとなるレンズの解像感、フリンジの発生などの描写性能、オートフォーカスのスピードや実写での使用感などをレビューします。

X-H2Sの登場により、超望遠での撮影がレベルアップしたFUJIFILM Xマウントに、新たな選択肢を提供する高性能でコンパクトな望遠ズームレンズです。

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■この記事の監修

フジヤカメラ店

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TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント
TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント

特徴/操作性

コンパクトな超望遠ズームレンズは35mm判換算750mmまでの画角をカバー

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 は、35mm判換算750mm相当の画角までをカバーする超望遠ズームレンズです。

FUJIFILM Xマウントは少し前までは望遠での撮影を得意としていませんでしたが、高性能な被写体認識機能を搭載したX-H2Sの登場により、野鳥など高速で難しい動体撮影にも高いレベルで対応できるようになりました。

そんなXマウントの超望遠ズームが描写性能に定評のあるTAMRONから発売された事は、Xマウントの望遠レンズに新たな選択肢を提供するという意味でも価値のある事だと思います。

フルサイズ対応の為、周辺部まで良質な描写性能

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 本体2

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 は、本来はフルサイズミラーレス用として設計されたレンズです。

これはレンズの大きさと言う意味では無駄があるという事ですが、レンズ性能という意味では画質が良好な中心部分だけを使えるという事なので、周辺部まで高画質になる事を意味します。

ある意味とても贅沢な設計と言える上、非常にコンパクトに設計されているので、APS-Cサイズセンサー用レンズとして気にならないサイズ感も魅力です。

リニアモーターフォーカスVXD搭載による高速なオートフォーカス

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 本体3

レンズメーカー製レンズというと、フォーカススピードを心配する方も多いと思いますが、TAMRONが誇るリニアモーターフォーカス機構「VXD」により、高速なオートフォーカスを実現しています。

さすがに純正の超望遠ズームXF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRと比較するとわずかに被写体への食いつきが悪い気がしますが、肌感覚ではその差は1、2割程でそれほど大きくありません。

コストパフォーマンスを考えればかなり優秀な部類に入ると言えるでしょう。

フィルター径: φ82mm 絞り羽根: 7枚 (円形絞り)
最小絞り: F22-32 最短撮影距離/最大撮影倍率: 0.6m (WIDE) -1.8m (TELE)/1:3.1 (WIDE) /-1:3.7 (TELE)
長さ: 209.9mm 重量: 1,710g (三脚座除く)

実写レビュー

35mm判換算225-750mm相当をカバーする超望遠レンズ

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例1
作例1:F6.7 1/500 ISO2500 露出補正±0 焦点距離500mm

35mm判換算で750mmという超望遠をカバーしている事で、いつも以上に迫力のある写真が撮れます。

テスト撮影を行った多摩動物公園のユキヒョウ舎はそれほど遠くから撮影をする必要はありませんが、それでも動物だけをアップにした迫力ある写真を撮ろうと思ったら相応の望遠が必要です。作例では望遠端の500mmを使う事で、まるでユキヒョウのポートレートといった趣の写真を撮る事ができました。

最近のデジタルカメラは高画素なのでトリミングで逃げるという事も可能ですが、やはり写真は可能な限りノートリミングで撮りたいもの。そんな時TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 は強力な武器となってくれるでしょう。

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例2
作例2:F6.3 1/500 ISO2500 露出補正-0.3 焦点距離447mm

ユキヒョウは勿論ネコ科の動物なので、遊んでいる様をみると巨大な猫と言っていい可愛らしい一面を覗かせます。

作例では木の皮をかじって遊ぶ瞬間を捉えましたが、主題を動物の表情にしたかったので、何を撮っているかわからないギリギリまでアップにして撮りました。600mmまでのレンズではここまでアップにするのは難しいでしょう。

ピントの難しい超望遠での撮影でも、X-H2Sの強力な被写体認識がユキヒョウの目を的確に捉えてくれているのもポイントです。

フルサイズをカバーするイメージサークルによる高い画質の均質性

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例3
作例3:F6.3 1/500 ISO3200 露出補正±0 焦点距離460mm

ピントの合う範囲が狭い超望遠レンズでは、画面周辺にピントが合った写真を撮る機会は少なく、周辺部の画質に広角レンズほどこだわる必要は無いかもしれません。

とは言え、望遠レンズでも画像が流れていたりすると気になる事もあるので、画質が良いに越したことはありません。

何より、周辺部は流れるからとか、ピントが甘いからといった事を気にする事無く、画面全体を使ってストレス無く写真が撮れるのはありがたい事です。

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例4
作例4:F6.3 1/500 ISO800 露出補正-0.7 焦点距離395mm

写真の余白をうまく使おうと思うと、必然的にメインとなる被写体は画面の端に据える事になります。

作例では虚空を見つめるユキヒョウの雰囲気を出す為に画面右側に空間を作りました。意識しての事ではありませんが、結果的に画質の均質性が活きる結果になったかもしれません。

周辺部の画質が悪いと気になるケースかもしれませんが、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用の優れた画質の均質性により、シャープに描写されました。

500mmまでのズームとしては非常にコンパクト

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例5
作例5:F10 1/350 ISO400 露出補正-1.0 焦点距離247mm

使用前にはフルサイズ対応のレンズをAPS-Cサイズセンサーのカメラに使う事に少し勿体ない感を抱いていましたが、実際に使ってみるとXマウント用のレンズと言っても違和感の無いサイズで、大きさの事は全く気になりませんでした。

昆虫館ではさすがに750mmの画角は持て余しましたがワイド側は35mm判換算225mmからあるので、園内を一日かけて回って、遠くにいる動物から近くの昆虫までアップで撮りたいなら、ベストと言える焦点距離かもしれません。

この日は暖かかったせいか、いつも以上にチョウたちの動きが活発で、撮りたいシーンが沢山ありましたが、コンパクトなレンズのおかげで、フットワーク良く撮影ができました。

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例6
作例6:F9 1/250 ISO320 露出補正-1.0 焦点距離179mm

さすがにこの焦点距離を風景に使うユーザーは少数派だと思いますが、強力な圧縮効果と高い描写性能、FUJIFILMの美しいカラーバランスで、思いのほか面白い写真が撮れるかもしれません。

望遠レンズは画角が狭く圧縮効果がはたらいて背景も整理されるので、ちょっとした風景でもシンプルに印象的な構図で撮る事ができるからです。

作例は動物の撮影の合間に美しいススキの穂を見つけてシャッターを切りましたが、これ以上大きく重いレンズだったらそんな気は起きなかったかもしれません。

オートフォーカススピードは健闘するも純正に一歩届かず

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例7
作例7:F6.3 1/500 ISO1600 露出補正±0 焦点距離395mm

リニアモーターフォーカスVXDを搭載しているので、オートフォーカスは十分に高速で、このレンズしか知らなければかなり満足度も高かったと思います。しかし、純正のFUJIFILM XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRを使った事のある身としては、特に被写体認識を使った際の食いつきがわずかに悪い事が少し気になりました。

イメージとしては1、2割歩留まりが悪くなる印象です。

それでも被写体認識の効果は絶大で、作例の様な以前なら間違い無く手前の木にピントが合っていたシーンでも、正確に猛禽類の目にピントが合っています。実は一度遠くにピントを送るといった工夫をしていますが、それでも撮影がかなり楽になりました。

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 作例8
作例8:F6.7 1/500 ISO2000 露出補正-0.7 焦点距離500mm

虎はうろうろと動き回るピントが難しい被写体です。

高速なオートフォーカスと高精度な被写体認識のおかげで、500mmというピントの難しいレンズでありながら的確に虎にピントを合わせる事ができました。

こういったシーンではX-H2Sの高速なピント処理に応えるだけのレンズのフォーカススピードが必要ですが、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 は純正に近い高速さを持ったレンズと言えるでしょう。

画質

解像感

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 解像感作例

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TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 は、純正レンズと比較しても遜色ないレベルの高い解像感を持っています。

フルサイズ用レンズをAPS-Cサイズセンサーで使う事になるので画質の均質性が高いのも特徴で、被写体をどこに置いても安定して高画質を維持する事もポイントです。

フリンジ

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 フリンジ作例

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TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 フリンジ作例拡大

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LDレンズ5枚、XLDレンズ1枚、複合非球面レンズ2枚を使用した贅沢な設計で、フリンジの発生もほぼありません。

色収差の少ないストレートな色再現は、FUJIFILMのフィルムシミュレーションを最大限活かせるレンズと言えるでしょう。

純正レンズ、ライバルモデルとの比較

FUJIFILM XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRとの比較

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用、FUJIFILM XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 をテストするにあたって、常に純正レンズのXF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRを意識してしまう事は仕方の無い事です。それほどX-T2SとXF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRは、高速で高性能な組み合わせなのです。

TAMRONと純正を比べてみた感想は、一言で言うならばいい意味で「下位互換」というのがしっくり来ます。

オートフォーカスの食いつきは純正にわずかに劣りますが、画質はほぼ同等、使い勝手の面でTAMRONに小さな短所もありますが、コンパクトさではTAMORNが一歩上手と、性能をトータルでみるとよく健闘していると思います。又、価格が実売で10万円前後安い事を考えれば、TAMRONのコストパフォーマンスの高さは特筆すべき点と言えるでしょう。

TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS
コストパフォーマンス ☆☆☆ ☆☆
重さ(三脚座含まず) 1,710g 1,605g
長さ 209.9mm 314.5mm
フォーカス性能 ☆☆ ☆☆☆
画質 ☆☆☆ ☆☆☆

FUJIFILM XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRとの比較

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用、FUJIFILM XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 のライバルレンズとして、意外な伏兵と言えるのが純正のXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRです。

一般的には35mm換算で600mmまでの画角があれば事足りるケースが殆どだからですし、重量は1,375gとTAMRONよりも軽量なので、使い勝手の面でもメリットがあります。

どちらを選ぶかのポイントは500mmが必要か否かですが、今回のテストでは望遠端の500mmを頻繁に使いました。X-H2Sは2616万画素で高画質なままトリミングするには限界があるので、望遠を重視するなら500mmは心強い味方となってくれるでしょう。

TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
コストパフォーマンス ☆☆☆ ☆☆
重さ(三脚座含まず) 1,710g 1,375g
長さ 209.9mm 210.5mm

ウイークポイントとおすすめしたいユーザー

フォーカススピードや使い勝手など純正には一歩及ばない部分も

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 本体4

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 を使い始めてしばらくすると、純正ほどオートフォーカスが食いつかない事に気付きました。スピードに目に見えるほどの違いがあるとは感じられなかったのですが、被写体認識AFを使って撮影していると、純正の恐ろしいほどの追従性が感じられません。

それでも、他メーカーと比較して良好なのは、ひとえにX-H2Sが優秀だからという事ですが、究極の性能を求めるなら純正レンズが安心です。

又、TAMRONにはズームリングをスライドさせる事で任意の位置でロック出来る便利な機能が搭載されているのですが、これが意図せぬところで動いてしまい、突然ズームリングが動かなくなって焦る事が何度かありました。

Xマウントの望遠レンズとして新たな選択肢を提供

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 本体5

個人的に、X-H2Sの登場でFUJIFILMの望遠レンズのニーズが急激に高まったと感じています。

しかし、Xマウントはサードパーティー製のレンズが少なく、望遠レンズの選択肢がかなり限定されているのが現状です。

そんな中、性能に定評のあるTAMRONから高性能な望遠ズームが発売された事は、Xマウントの、特にX-H2Sユーザーには新たな選択肢を提供するという意味でも、大きな意味をもつ事だと思います。

Xマウントで本格的な望遠撮影を始めたいユーザーにおすすめ

TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用 本体6

フィルムシミュレーションを使って、動物や野鳥の撮影をしたいと思っても、純正レンズは価格も高く躊躇してしまっていた方も多いと思います。

そんな、Xマウントで本格的な望遠撮影をしたい方に、TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用は特におすすめです。

描写性能も高いレベルにあり、フォーカス性能も最高レベルを要求しなければ十分実用的なので、価格差を考えれば非常にコストパフォーマンスの高いレンズと言えるでしょう。

まとめ

  • ・35mm判換算750mmまでをカバーし殆どの望遠撮影に対応できるのは大きな魅力

  • ・画質は純正並みだが、フォーカス性能はわずかに劣る印象

  • ・全長約20cmのコンパクトさはカメラバックへの収まりもよい

  • ・コストパフォーマンスが非常に高い

  • ・ズームロックの誤作動が気になる事も

  • ・Xマウント用の数少ない望遠ズームとして安心して選択肢に加えられる

レンズ選びの参考にしていただければ幸いです。

【商品情報】TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用

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TAMRON(タムロン)150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD FUJIFILM Xマウント用

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Photo & Text by フジヤカメラ 北原

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